ブランクがある自分でも、もう一度エンジニアに戻れるのか。不安を抱えながら社内SEとして復帰した理由

ブランクがある自分でも、もう一度エンジニアに戻れるのか。不安を抱えながら社内SEとして復帰した理由

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一度IT業界を離れたあと、「もう一度エンジニアとして働けるのか」と不安を感じる人は多い。
技術の進化、ブランクへの評価、面接への不安——復帰のハードルは決して低くない。
今回は、約1年半のブランクを経て社内SEとしてエンジニアに復帰した佐藤拓也さん(36歳・仮名)に話を聞いた。
キャリアの「空白」をどう乗り越え、再スタートを切ったのか。そのリアルな軌跡に迫る。

写真はイメージ画像

【転職者情報】
氏名:佐藤拓也
年齢:36歳
居住地:神奈川県
現職:社内SE(開発・運用)
前職:Webエンジニア
ブランク期間:約1年半
エンジニア歴:7年(ブランク除く)
技術スタック(離職前):PHP(Laravel)、JavaScript、MySQL
技術スタック(現在):TypeScript、Node.js、React、AWS(基礎〜中級)
転職先企業:従業員120名規模/自社サービス企業/育成・フォロー体制あり

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この記事の目次

エンジニアとしてのキャリアのスタート

Q. エンジニアとして働き始めたきっかけを教えてください。

大学時代にWebサイト制作をアルバイトで経験したことがきっかけです。最初は簡単なHTMLやCSSを触る程度でしたが、徐々にJavaScriptで動的なページを作れるようになる過程が面白くて。「これを仕事にしたい」と思い、卒業後は中小規模のWeb開発会社に入社しました。
最初の数年はとにかく手を動かす毎日でしたね。PHPとLaravelでの開発が中心で、MySQLを使ったDB設計も少しずつ覚えていきました。チーム開発を通じて「コードが動く瞬間」のやりがいを実感しながら、エンジニアとしての基礎を積み上げていきました。

 前職:エンジニアとしての経験、そして離職へ

Q. 前職ではどのような業務を担当していましたか?

主にBtoB向けのWebシステム開発です。PHP(Laravel)をメインに、フロントエンドはJavaScript、データベースはMySQLという構成でした。要件定義から実装・テストまで一通り経験できたのは大きかったと思います。特にリリース直前の緊張感と、無事に本番稼働した瞬間の達成感は今でも忘れられません。
チームは5〜6人規模で、コードレビューの文化もあり、技術的な議論ができる環境でした。「もっと良いコードを書きたい」という意欲が自然と湧いてくる職場でしたね。

Q. 一方で、離職に至った背景を教えてください。

正直に言うと、複合的な理由でした。体調を崩した時期が続き、残業が多い開発現場のペースについていくのが辛くなってきたんです。さらに家庭の事情で実家に一時帰らなければならない状況になり、遠距離通勤も限界に。「一旦立ち止まろう」という判断をしました。
その頃、キャリアについてもモヤモヤしていました。「このままSIer系の受託開発を続けていいのか」「自分が本当にやりたいことは何か」という迷いが頭の中をぐるぐるしていて。離職はある意味、強制的なリセットでもありました。

Q. ブランク期間中はどのような状態でしたか?

最初の数ヶ月は体を休めることに専念していたので、技術的なことは何もしていませんでした。そのうち少し余裕が出てきたとき、ふと「自分はもうエンジニアとして通用しないんじゃないか」という不安が押し寄せてきたんです。
SNSで元同僚が新しい技術スタックを使っているのを見て、焦りが増していきました。TypeScriptやReactが当たり前のように語られていて、「自分の知識は古い」「1年以上のブランクは致命的だ」と思い込むようになりました。正直、かなり落ち込んでいましたね。パソコンを開くこと自体が怖くなった時期もありました。

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転機:「もう一度エンジニアとして働きたい」

Q. 復帰を考え始めたきっかけは何ですか?

離職から約1年が経った頃、生活費の問題もあり「そろそろ動かなければ」という現実的な必要性が出てきました。でも、それ以上に大きかったのは「このまま終わりたくない」という気持ちです。
あるとき久しぶりに小さなWebページを作ってみたんですね。動いた瞬間に、昔感じていたあの楽しさが戻ってきました。「自分はまだエンジニアが好きなんだ」と気づいて。それが再挑戦の決意につながりました。

Q. 復帰にあたってどんな不安がありましたか?

不安は山ほどありました。まず「1年半のブランクをどう説明するか」。面接官にどう見られるか、正直に話していいのか迷いました。次に「今の技術レベルについていけるか」。当時の自分はPHPとMySQLしか使ったことがなく、TypeScriptやReactはほぼ未経験でした。
「同じ年代のエンジニアと比べてどれだけ差がついているんだろう」という比較も止まりませんでした。年齢的にも30代半ばで、「もう遅いんじゃないか」という焦りが常にありましたね。

Q. 当時、どのような選択肢で迷っていましたか?

大きく三つで迷いました。一つ目は「IT以外の仕事に転職する」。営業や事務であれば採用されやすいかもしれないと思いました。二つ目は「スクールで学び直してからエンジニアとして再挑戦する」。三つ目が「今の実力でエンジニア職を探してみる」という選択肢です。
スクール案は費用と時間がかかりすぎる。かといってIT以外は自分のキャリアを捨てることになる。かなり悩みましたが、最終的には「まずエージェントに相談してみよう」という一歩を踏み出しました。

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社内SEという選択肢に気づいた理由

Q. なぜ社内SEを選んだのですか?

エージェントに相談するまで、社内SEという選択肢はほとんど頭にありませんでした。「IT企業でバリバリ開発する」か「ITを諦める」の二択しか考えていなかったんですね。
担当者から「社内SEは既存システムの運用・保守から入れるので、ブランクがあっても技術をキャッチアップしやすい環境が多い。しかも開発案件も任せてもらえる企業を選べば、スキルも伸ばせる」と聞いて、目から鱗でした。受託開発のような短納期プレッシャーではなく、一つの企業のシステムに継続的に関われる点も、自分の体調管理という面で魅力に感じました。

エージェントとの出会い:不安を受け止めてくれた存在

Q. エージェントを利用したきっかけは?

ネットで「エンジニア ブランク 転職」と検索しているときに、社内SE転職ナビの記事を見つけました。ブランクありの転職事例が掲載されていて、「自分と似た状況の人が転職できているんだ」と初めて希望を感じたんです。そのまま相談フォームに入力しました。

Q. 初回面談の印象はいかがでしたか?

とにかく「ブランクを否定されなかった」ことが大きかったです。「1年半もブランクがあると難しいですよ」と言われることを覚悟していたので、担当者が「その期間に体調を整えたこと自体、自己管理能力の一つとして伝えられます」と言ってくれたのが意外でした。
「現状のスキルで行けるところ」ではなく「復帰後にどうなりたいか」を最初に聞いてくれたのも印象的でした。相談というよりキャリアの再設計をする感覚で、気持ちがだいぶ楽になりました。

Q. 印象に残っているサポートはありますか?

ブランクの説明の仕方を一緒に考えてくれたことです。「体調不良で離職した」という事実をどう伝えるか、ネガティブに聞こえないようにするにはどう言語化すればいいか、何度も練習に付き合ってもらいました。
また「いきなり難易度の高い求人に挑戦するより、まずキャッチアップできる環境を選ぶ方が長続きする」というアドバイスも的確でした。焦って背伸びをせず、自分に合ったペースで進めてくれたのがよかったです。

転職活動のプロセス

Q. 転職活動はどのように進みましたか?

応募した企業は最終的に8社ほどです。書類選考は通過率が5割程度で、ブランクがあっても「経験者」として見てもらえる企業が思ったより多かったです。
面接では必ず「なぜブランクがあったのか」を聞かれましたが、準備していた言葉で丁寧に説明すると、大半の面接官は否定的な反応をしませんでした。むしろ「自分なりにリセットする経験ができたことは強みにもなる」と言ってくれた面接官もいて、気持ちが楽になりました。

Q. 転職先を決めた理由は?

最終的に選んだのは、従業員120名規模の自社サービス企業です。決め手は三つありました。まずOJT制度が整っていて、最初の数ヶ月はキャッチアップに集中できる環境があること。次に開発と運用を両方経験できるポジションだったこと。そして面接での社員の雰囲気が穏やかで、「ここなら相談しながら働けそう」と直感的に感じたことです。
給与は前職より若干下がりましたが、エージェントから「最初の1〜2年は再起動期間として実績を積む方が、長期的なキャリアには有利」とアドバイスをもらっていたので、納得して入社を決めました。

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社内SEとして復帰して——変化と成長

Q. 現在の業務内容を教えてください。

社内システムの開発・保守・運用を担当しています。具体的には、既存の社内ツールの機能改修や、新規機能のフロントエンド実装(React+TypeScript)、バックエンドAPIの開発(Node.js)、AWS上でのサーバー管理などです。最初はドキュメント整備やバグ修正から入りましたが、半年ほどで新規開発にも携わらせてもらえるようになりました。

Q. 復帰して感じた最初の変化は?

最初の1ヶ月は正直しんどかったです。TypeScriptもReactも独学で触れてはいましたが、実務で使うのは全然違います。周囲が当たり前のように使いこなしているのを見て「やっぱりまだ差がある」と落ち込む日もありました。
ただ、先輩エンジニアが丁寧にコードレビューをしてくれる環境で、「なぜそう書くのか」を毎回説明してもらえたのが大きかったです。受託開発時代とは違い、「一緒に育てる」という雰囲気を感じました。

Q. 現在はどのような状態ですか?

入社から約10ヶ月が経ちますが、今は開発業務にかなり慣れてきました。TypeScriptのコードを書いていて詰まることはまだありますが、「調べれば解決できる」という自信がついてきました。ブランク前に感じていた「エンジニアとして動いている実感」が戻ってきています。
先日、小さな機能ですが自分が主担当として0から開発したものがリリースされました。あのときの達成感は、復帰を決意してよかったと思えた瞬間でした。

社内SEのリアル:メリットと大変な点

Q. 社内SEのメリットはどんなところですか?

「継続性」と「学び直しのしやすさ」が最大のメリットだと感じています。受託開発と違い、同じシステムに長く関われるので、コードの文脈や背景を深く理解しながら働けます。キャッチアップのための学習時間もある程度確保しやすい環境でした。
また、エンジニアである前に「社内の業務を知っている人」として信頼してもらえる感覚があります。他部署の人と直接やり取りして「これ、助かりました」と言ってもらえることが増えてきて、エンジニアとしての存在意義を感じられるようになりました。

Q. 一方で大変な点は?

技術のキャッチアップは継続的な自主努力が必要です。受託開発と違い、自分でトレンドを追う姿勢がないと知識が止まってしまう。業務外でも学習する時間を意識的に作っています。
あとは「一人SE」に近い状況になることもあるため、困ったときに相談できる相手を社内外で確保することが大切だと感じています。

今後のキャリアビジョン

Q. 今後どのようなキャリアを考えていますか?

まずは今の会社でしっかりと実績を積み、TypeScript・React・AWSのスキルを実務レベルで確かなものにしたいと思っています。2〜3年後には技術リードとしてチームを引っ張れる存在になれるよう、開発力と設計力の両方を高めていく予定です。
長期的には、エンジニアリングマネジャーか、テックリードのどちらかに進みたいと思っています。ブランクがあったことで遠回りをしましたが、それによって「自分が何のためにエンジニアをやるのか」が明確になった気がします。焦らず、でも確実に前進していきたいと思っています。

同じように悩んでいる方へ

Q. ブランクに不安を感じている方へ一言お願いします。

「ブランクがあると転職できない」というのは思い込みに近いものがありました。実際に動いてみると、ブランクを正直に話せば受け入れてくれる企業は存在します。むしろ「その期間に何を感じ、なぜ再挑戦しようとしているのか」を伝えられれば、マイナスにはならないと実感しています。
一人で抱え込まずに、まずエージェントに話してみてほしいです。私自身、相談するまでは「どうせ無理」と思い込んでいましたが、話してみて初めて「自分に合った道がある」とわかりました。環境が変わると、本当に状況は変わります。踏み出す一歩が一番怖いですが、動いた後の景色は全然違います。

編集後記

山本さんのインタビューを通じて改めて感じたのは、「ブランク」はキャリアの終わりではなく、再出発のための助走期間になり得るということだ。
不安や焦りはあって当然。だが、それは「戻りたい」という意志の裏返しでもある。
社内SEというポジションは、技術のキャッチアップを続けながら安定した環境でエンジニアとして再起動できる選択肢として、ブランクのある方にとって特に有効な道筋になりえる。
一歩踏み出すことで見える景色は、きっと今とは違う。まずは誰かに話してみることから始めてほしい。

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※本記事は実際の転職者へのインタビューをもとに構成したものです。プライバシー保護のため、氏名・年齢・企業情報等は一部変更しています。

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