「お客様の課題を解決することにはやりがいがありました。でも、どこか”自分ごと”になりきれない感覚があったんです。 」
そう語るSさんは、エンジニア歴16年。インフラエンジニアとしてキャリアをスタートし、システム管理、セールスエンジニア、クラウドエンジニア、SREエンジニアと、幅広い領域を経験してきました。
その中で見えてきたのが、「自社サービスを自分たちの手で育てていきたい」という思い。今回、自社サービスを展開する企業へクラウドエンジニアとして入社したSさんに、企業選びの軸や入社の決め手、短期間で進めた転職活動を支えた社内SE転職ナビのサポートについて伺いました。
プロフィール
Sさん
新卒でインフラエンジニアとしてキャリアをスタート。グループ会社への出向を経験し、出向先の親会社では業務システムの管理を担当。エンドユーザー部署と関わる中で、システムがどう使われ、どんなニーズがあるのかを意識する視点を養う。新規事業ではセールスエンジニアとして、RPAツールの提案・デモンストレーションにも従事。
その後、クラウドエンジニアとして転職し、約4年半にわたり自社サービスの開発・運用に携わる。守備範囲を広げ、SREエンジニアとしての経験も積む。2026年、自社サービスを展開する企業にクラウドエンジニアとして入社。自社プロダクトに関わりながら、将来的には会社全体のIT戦略・セキュリティ領域への関わりを目指している。

エンジニア歴16年、多様な経験の中で見えてきた「自分ごと」にしたい思い
——これまでのご経歴について教えてください。
エンジニア歴は16年になります。新卒でインフラエンジニアとしてキャリアをスタートし、その後、グループ会社への出向を経験しました。出向先の親会社では、それまで担当していたインフラだけでなく、業務システムを管理するポジションを任されることになったんです。
――インフラだけでなく業務システムの管理も担うようになって、仕事の見え方にはどんな変化がありましたか。
インフラエンジニアは、どちらかというとあまり表に出ない裏方の仕事です。でも出向先では、自分が担当しているシステムが実際にどう使われているのか、トラブルが起きたら業務にどんな影響が出るのかを、直接見る機会がありました。そこで初めて、ユーザーがどんなニーズを持っているのか、どんなことに気をつけて仕事をすべきなのかを学べたと思います。
――環境が大きく変わる中で、大変さもあったのではないでしょうか。
働くメンバーも環境も大きく変わり、決して楽な時期ではなかったです。ただ、この経験がその後のキャリアの土台になったと思っています。
――その後、セールスエンジニアとしての経験もされていますが、どのような経緯だったのでしょうか。
新規事業に配属されて、営業と一緒にお客様先を訪問し、RPAツールを使った業務の自動化を提案する仕事をしていました。お客様の課題を解決することに、やりがいは感じていました。
――お客様の課題解決に取り組む中で、感じていたことはありますか。
正直に言うと、どこかで自分ごとになりきれない感覚があったんです。それなら、自分たちが提供しているサービスを自分たちでブラッシュアップして、育てていく方が性に合っているんじゃないかと思うようになりました。
転職活動の軸は「長く働けること」「自社サービスをじっくり育てられる環境」

――今回の転職を考えたきっかけを教えてください。
自社サービスが魅力で入社した会社でしたが、受注案件が増え始め、思っていた仕事 内容とのズレが大きくなってきたことが主な要因です。
――転職活動はどのくらいの期間で進めましたか。
エージェントに登録してから内定をいただくまでの期間は、1カ月〜1カ月半ほどでした。
――企業選びで大切にしていた軸はありましたか。
どこでもいい、というわけではなく、まずは自分がやりたいと思っている自社サービスを、腰を据えて育てていけるような環境であることを重視していました。
――応募する企業はどのような基準で比較していましたか。
自社サービスを扱っていることはもちろんですが、それだけでは判断しませんでした。
面接で現場社員の方と話せるか、開発組織の雰囲気が見えるか、エンジニアが主体的に意見を出せる環境かなども重視していました。
実際に話を聞いてみると、同じ「自社サービス企業」でも文化や働き方はかなり違います。そのため求人票だけではなく、人との対話を通じて判断することを意識していました。
――具体的には、どのような組織や文化を求めていたのでしょうか。
上流から下流までの工程が縦割りで、自分の担当が終わったら次の人に渡すだけ、という文化はあまり自分に合わないと感じていました。営業も含めて、お客様からの要望や技術的な課題をみんなで話し合いながら、フラットに意見を出し合い、それぞれの立場で対等に働けるチームで働きたいと思っていました。
職務経歴書の棚卸しで苦労。面接を通じて数字の重要性を実感

――転職活動の中で苦労したことはありますか。
一番苦労したのは、職務経歴書の整理でした。前回転職したときに一度作っていたのですが、想定していないタイミングで急遽まとめることになって、慌ただしくなってしまいました。
――選考が進む中で、他にも難しさを感じた場面はありましたか。
選考が進んでいくと、管理職の方からは「どれくらいアクセスがあるシステムなのか」「ユーザー数はどれくらいか」といった、具体的な数字を意識した質問が増えてきました。日々の業務の中では、そこまで数字を意識していなかったので、改めて自分が携わってきたシステムの規模感を整理し直しました。
――複数のシステムを担当されていたとのことですが、その整理はどのように進めたのでしょうか。
複数のシステムを担当していたので、数字の記憶が混同しないよう、面接を重ねながら少しずつ整理していきました。
現場社員との対話で得た「働くイメージ」が入社の決め手に
――入社の決め手は何でしたか。
一番は、働くイメージが具体的に持てたことです。転職先では、実際に現場で働く方とのオファー面談や、人事の方との対話の機会を何度も設けていただきました。最終面接のあとには、会社の雰囲気を知ってもらいたいということで、社内紹介の時間も用意していただいて。
――他社の選考も並行して進める中で、比較して見えてきたことはありますか。
もう1社、オファー面談を受けさせていただいたのですが、同じような質問を投げかけて、反応や回答の内容を見比べながら判断しました。今回の転職先は何度も現場の方から直接お話を伺う機会があったので、入社後のイメージが具体的に持てて、安心感につながりました。
――年収や働き方の面では、どのような希望を持っていましたか。
年収を大きく上げることよりも、現状を維持しながら自社サービスに携われる環境を優先していました。働き方については、前職がほぼフルリモートだったので、それを継続できたらという思いはありました。
社内SE転職ナビとの二人三脚で、短期間でも納得感のある転職活動に
――数あるサービスの中で、社内SE転職ナビを選んだ理由を教えてください。
転職活動を始める前から、自社サービスに携われるポジション、いわゆる社内SEを探そうというイメージがあって、その言葉で検索したときに、上位に出てきたのが最初のきっかけでした。
――前回の転職活動では別のサービスを利用されていたそうですが、社内SE転職ナビを選んだのはなぜですか。
前回は右も左もわからず大手を利用したのですが、それぞれの良さと同時に、自分に合わないと感じる部分も見えてきました。今回は社内SEや自社サービスに特化したエージェントの方が、自分が求めている求人と出会えるのではないかと思い、登録させていただきました。
――実際にサービスを利用してみて、いかがでしたか。
最初のカウンセリングで丁寧にヒアリングしていただいたことで、自分の中で漠然としていた希望がどんどん言語化されていく感覚がありました。それが良いスタートにつながったと思います。
――担当アドバイザーとのやり取りで、特に印象に残っていることはありますか。
私自身、「自社サービスに携わりたい」という思いはありましたが、それ以外の希望条件は整理できていませんでした。
カウンセリングでは、「なぜそう考えるのか」「どんな働き方をしたいのか」と一つひとつ確認していただいたことで、自分でも気付いていなかった価値観を整理できました。
その結果、求人選びにも迷いが少なくなり、自分に合った企業へ集中して応募できたと思います。
――その後の選考過程では、どのようなサポートが助けになりましたか。
選考企業ごとに聞かれやすい質問や重視されているポイントを共有していただいて、面接の準備がしやすかったです。複数社で悩んでいるときや、次の面接に向けた相談にも、都度丁寧に対応していただきました。
今後はプロダクト担当にとどまらず、会社全体のIT戦略にも

――今後、どのようなキャリアを描いていますか。
これまではクラウドエンジニアやSREエンジニア、インフラエンジニアとして、自分の担当プロダクトに関わることが多かったのですが、特にセキュリティの面では、自分の担当範囲だけでは守りきれない部分も出てきています。今後は会社全体のIT戦略やセキュリティに関わるようなポジションを目指していきたいです。
これから転職を考える方へ
――これから転職を考えているエンジニアの方へメッセージをお願いします。
転職するしないにかかわらず、日頃から自分の実績を棚卸ししておくことをおすすめしたいです。数字も含めて、人に説明できるくらい具体的に整理しておけば、急に転職活動をしなければならない状況になっても、スムーズに動けると思います。あらかじめ準備して活動する場合も、面接対策に苦労せず乗り越えられるはずです。あとは、「なんとなく転職したい」という状態でも、一度キャリアを整理してみることはおすすめしたいですね。
実際に転職するかどうかは別として、自分がどんな環境で力を発揮できるのかを知るだけでも、今後のキャリアを考えるきっかけになると思います。
【編集後記】
今回のインタビューを通して印象的だったのは、Sさんが「自社サービスを育てたい」という軸を最後までぶらさなかったことです。
エンジニアとして16年間、インフラ、システム管理、セールスエンジニア、クラウド、SREと幅広い経験を積む中で、自分が本当にやりたい仕事を少しずつ明確にしていった姿勢が印象的でした。
また、「自社サービス企業ならどこでもいい」のではなく、企業文化や開発組織との相性、現場社員との対話を重視して転職先を選んでいた点も、多くのエンジニアにとって参考になるポイントではないでしょうか。
社内SEや自社サービス企業への転職を考えている方は、求人票だけではなく、実際に働く人の話を聞きながら、自分が長く活躍できる環境かどうかを見極めることが、納得できる転職につながるはずです。



