「うまくいったことも、こうすればよかったと思うことも、踏み出してみないと分からないことでした 」
そう語る平野さんは、SIerでのSE経験を経て、イベント業界向けの営業職、そして現在はコンサルティングファームでPMO・PMとして活躍しています。結婚をきっかけに働き方を見つめ直し、社内SEを目指して転職活動をスタートしましたが、目指す求人の書類選考にはなかなか手が届きませんでした。
そんな平野さんに、担当エージェントが提案したのは、今すぐの社内SEを目指すのではなく、数年先の社内SEというゴールから逆算したキャリアプランでした。一見遠回りに見えるコンサルという選択肢が、実際にどう理想への一歩になっているのか、平野さんに伺いました。
プロフィール
平野さん
新卒でSIerに入社し、SEとして医薬品物流倉庫向けの管理システム導入に、要件定義から導入・保守まで一貫して従事。その後、社内異動でイベント業界向けの短期ネットワーク構築を担当する営業職を経験。結婚を機に、土日祝勤務が中心の働き方や、売上を重視する営業という仕事への違和感から転職を決意。
社内SEを目指すも選考に苦戦し、担当エージェントの提案でコンサルティングファームへ入社。現在は銀行向けセキュリティサービス導入のPMOやサーバー更改プロジェクトのPMとして経験を積みながら、将来的な社内SEへの転身を見据えている。

幅広い経歴の中で気づいた、「対社内」への貢献意欲
——これまでのご経歴について教えてください。
新卒でSIerに入社し、4年ほどSEとして、医薬品業界向けの倉庫管理システム導入に携わっていました。要件定義から導入・保守まで一通り経験しました。その後、社内異動でイベント業界向けに、営業として展示会などの短期でネットワークを構築する仕事を担当していました。
――営業職への異動には、どんなきっかけがあったのでしょうか。
もともと新卒の頃から、イベント業界に携わりたいという気持ちがあったんです。ただ、土日や祝日、深夜まで働くことが多い業界だったので、なかなか決心がつかずにいました。
それでも、自分の興味が向く方向に進みたいと思い、社内でその領域に携われる部署へ異動しました。
――現在はPMOやPMとしてご活躍かと思いますが、挑戦してみていかがですか。
SEの経験はあったのですが、それはアプリケーション寄りの経験で、今関わっている案件はどちらかというとインフラ寄りなんです。知識不足を感じながら、日々キャッチアップしている状態ですね。メンバーに指示して動いてもらう立場というのも、なかなか難しいなと感じています。
――これまでの業務の中で、一番「自分に合っている」と感じたのはどんな役割ですか。
PMOの仕事は、適性的に合っていると感じています。PMというよりは、抜け落ちているタスクを拾って前に進めていくところが、自分の性格にすごく合っているんです。
結婚を機に見えてきた、営業という仕事との違和感

――転職活動を始めたきっかけを教えてください。
イベント業界は土日や祝日、深夜まで働くことも多く、かなりの時間を仕事に充てなければいけない環境でした。
結婚を機に、これから先の生活を考えると、土日祝はしっかり休める、平日中心の働き方にしていきたいと思うようになったんです。
――働き方の面以外にも、感じていたことはありましたか。
合わないと感じていたのは、売上のために行動することでした。相手のためになることを提供するのはいいことだと思うのですが、営業という立場だと、どうしても売上が目的として先に来てしまう。そこが自分の考え方と合っていないと感じていました。
――「自分の能力を生かした職種につきたい」という思いもあったそうですね。
はい。もともとSEをやっていたときに感じていたのが、計画を立てて物事をコツコツ進めていくことや、複数のタスクを同時に動かしていくことの方が、自分には向いているということでした。
――そこから、社内SEというポジションを目指されたのは、どういう考えからだったのでしょうか。
営業というポジションは、どうしても対顧客だと売上重視になってしまうと思っていて。
それよりも、社内に対してより良い貢献ができる立場を目指したいと思ったんです。
――どんな軸で求人を探されていましたか。
最初は社内SE一本で探していて、担当エージェントからの提案を受けてからは、コンサルも並行して検討するようになりました。 社内SEに関しては、できるだけ人数の多い規模の会社を受けたいと思っていました。
小規模な会社だと、ワークライフバランスを保つのが難しいと感じていたので。あとは、社内向けの業務改善に携われるポジションを意識していました。
書類選考の壁を越え、コンサルという選択肢へ
――社内SEの書類選考がなかなか通らなかったとのことですが、当時どんなお気持ちでしたか。
「しょうがないな」と思っていました。
SEの経験から4、5年離れていたので、経歴的に厳しいのは仕方ないだろうな、と。
――そんな中で、コンサルという選択肢を提案されたそうですね。
一度コンサルで経験を積んだ上で、改めて社内SEを目指すというのも、キャリアとしていいのではないか、というご提案をいただきました。社内SEの求人の中には面接に進めた企業もあったのですが、規模が小さく、数人程度の会社が多かったんです。それだと働き方がハードになりそうだと感じる企業もあったので、一度コンサルを挟んだ方が目指せる幅が広がるのではないかと思い、挑戦してみることにしました。
――正直、コンサルという提案を受けたとき、どう感じましたか。
何度も抵抗したと思います(笑)。まず、厳しい世界なんだろうなというイメージがありました。厳しい人が多そうで、自分がその中でやっていけるのか自信もなくて。営業を兼ねているような印象もあったので、そこも抵抗があったポイントだったかもしれません。
遠回りに見えた選択が、確かなスキルアップに

――実際に働いてみて、当初のイメージと変わった部分はありますか。
想像していたより厳しくなく、会社の社風として人の良さも感じています。
それに助けられている部分も大きいです。困ったときに助けを求めれば、身近な人が助けてくれる環境で、とてもありがたく思っています。
――コンサルとして活躍されている今、実際に社内SEになるためのスキルアップや経験が積めていると感じますか。
はい、感じています。いろいろなプロジェクトを渡り歩く中で、尊敬できる方に出会えたのが大きいです。仕事の進め方や考え方を学べる機会が多くて、いい経験になっていると感じています。
――どんな方が印象に残っていますか。
責任は自分が取るから、と安心して任せてくれるリーダーシップのある方たちです。下の立場が動きやすいようにパイプを作ってくれたり、権限を意識して動いてくださる姿に、すごく尊敬しています。
入社の決め手と、転職後の変化

――入社の決め手を教えてください。
一番は人柄の良さです。面接や関わる方々が、緊張せずに話せるような柔らかい雰囲気で、そういう人事の方がいるなら、周りにも同じような雰囲気の人が集まっているだろうと感じました。あとは、会社や役員が積極的に外部へ情報発信している点にも魅力を感じました。外に発信するということは、それだけ責任を持って取り組む姿勢の表れだと思うので。
――年収や働き方の希望と、実際の変化について教えてください。
年収は前職以上を希望していて、現状維持以上をいただけています。コンサルなので、昇給のペースが早いとも感じています。働き方については、土日祝の仕事が多かったので、平日勤務を希望していました。実際に土日祝は休めるようになったので、その点は改善しました。
社内SE転職ナビとの出会いと、担当エージェントのサポート
――アイムファクトリーとの出会いを教えてください。
社内SEを目指していたので、「社内SE」で検索したところ、社内SE転職ナビが出てきたのが最初のきっかけです。
――担当エージェントの印象やサポートについて教えてください。
職務経歴書を細かく添削していただけたのが印象的でした。他のエージェントさんだと「大丈夫そうです」というふんわりした返事が多かったのですが、こういう部分はこうした方がいいと事細かにアドバイスをいただけて、丁寧だと感じました。希望と実際の経歴を照らし合わせながら、現実的なキャリアの相談にも親身に乗っていただきました。
――担当エージェントへのメッセージをお願いします。
なかなか難しい経歴の中で社内SEを目指したいという希望を出させていただき、書類選考でも苦戦しましたが、最終的に何を目指すかを意識してご提案いただけたことが、本当にありがたかったです。すべてが希望通りというわけではありませんが、理想を叶えるための一歩には確実になっていると感じています。今回のサポート、本当にありがとうございました。
裁量ある働き方を見据えて、次のキャリアへ
――今後目指していきたいキャリアや働き方を教えてください。
裁量のある働き方を選択しながら、自分の能力を生かして貢献できる、社内SEというポジションを目指していきたいと思っています。
――「裁量のある働き方」とは、具体的にどんなイメージですか。
働く時間の自由があることです。任せられる範囲の中で、自分できちんと調整できれば、家庭の時間を犠牲にせずに済む働き方をしたいと思っています。
――次の転職を考えるタイミングについて、イメージはありますか。
ライフステージの変化なども見据えながら、今後数年のうちに、次のキャリアを検討したいと考えています。
これから転職を考える方へ
――これから転職を考えている方へメッセージをお願いします。
今回転職してみて、コンサルには本当にいろいろな経歴の方がいて、適性に合った仕事を選ぶことがすごく大事だと感じています。転職のタイミングで、自分が仕事に何を求めているのか、どんな環境で生き生きと働けるのかを見つめ直すことが大切だと思います。今回の転職を通じて、成功だったと感じる部分も、こうすればよかったと感じる部分もありますが、それも踏み出してみないと分からないことでした。
まずは一歩踏み出すことが大事だと感じています。
【編集後記】
今回のインタビューを通じて印象的だったのは、平野さんが「遠回りに見える選択」を、決してネガティブに捉えていなかったことです。社内SEを目指しながらも書類選考の壁にぶつかり、担当エージェントの提案でコンサルという選択肢を選んだ経緯は、同じように理想の職種になかなか届かない読者にとって、励みになるのではないでしょうか。
結婚をきっかけに働き方を見つめ直し、「社内に貢献したい」という軸を明確にしていった過程、そして今の環境で尊敬できる先輩たちから学びを得ながら、着実に理想への一歩を積み重ねている姿も印象的でした。
すべてが希望通りに進むわけではなくても、まず踏み出してみることの大切さを教えてくれるインタビューでした。



