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スキルは上がっているのに、年収は変わらない。評価の違和感から社内SEへ転職して気づいたこと
ITエンジニアとして経験を積む中で、「スキルは確実に上がっているのに、年収がなかなか伸びない」と感じたことはないでしょうか。
日々の業務をこなし、新しい技術を習得し、複数の案件をこなしてきた。それでも給与明細に反映される数字は、2〜3年前からほとんど変わっていない。評価基準も曖昧で、「なぜ自分の頑張りが認められないのか」と納得できないまま働き続けているエンジニアは少なくありません。
今回インタビューしたのは、SES企業でWebバックエンドエンジニアとして8年のキャリアを積んだ加藤恒一さん(31歳)。評価と年収へのミスマッチをきっかけに社内SEへの転職を決断し、年収100〜150万円アップを実現することができました。
「年収アップ」という結果だけでなく、その背景にある「評価される環境の違い」に焦点を当てながら、転職のリアルを語ってもらいました。

【転職者情報】
氏名:加藤 恒一
年齢:31歳
居住地:東京都
現職:社内SE(開発エンジニア)/従業員250名・自社サービス企業
前職:SES企業(Webバックエンドエンジニア)
エンジニア歴:8年
前職技術スタック:PHP(Laravel)/JavaScript/MySQL/AWS(簡易的)
現職技術スタック:TypeScript/React/Node.js/AWS(ECS・RDS・Lambda)
転職での変化:年収100〜150万円アップ、評価制度の透明性が大幅に改善

エンジニアとしてのキャリアのスタート
Q. エンジニアを目指したきっかけを教えてください。
大学時代にアルバイトで知り合ったエンジニアの先輩に影響を受けました。「コードを書けば、自分が作りたいものを形にできる」という話が刺さって、独学でPHPを学び始めたんです。卒業後はそのままIT企業に就職するよりも、幅広い案件を経験できるSES企業のほうが早く成長できると思って選びました。
最初の会社はSES企業で、配属先はWebアプリの保守・運用チーム。ひたすらバグ修正とSQL調整から始まりましたが、それが今の技術的な土台になっています。
前職:SESでの経験と評価のリアル
Q. 前職ではどのような業務を担当していましたか?
主にWebアプリのバックエンド開発です。PHP(Laravel)を中心に、ECサイトの受注管理システムや業務システムの機能追加・改修を担当していました。後半は要件定義や基本設計にも参加するようになり、単純な実装だけでなく上流工程の経験も少しずつ積めました。AWSも簡易的な構成ながら触れるようになって、技術的な幅は着実に広がっていたと思います。
Q. スキルとして成長を感じた点はどこでしたか?
複数の案件を短いスパンで経験できることは、SESの大きなメリットだと感じていました。業種も業態も違うシステムを経験することで、コードの設計思想や要件の整理の仕方が磨かれていった実感がありました。5〜6年経った頃には、チームの中でも中堅どころとして頼られる存在になれていたと思います。
Q. 一方で、評価や年収についてはどう感じていましたか?
正直、ずっと違和感がありました。昇給はあるにはあるんですが、毎年2〜3万円程度の微増。8年でトータルすると年収は入社時から約50万円上がりましたが、スキルの伸びに全然見合っていない。評価面談でも「よく頑張ってくれています」とは言われるんですが、具体的にどのスキルや行動がどう評価されているかは一切説明がない。何をすれば年収が上がるのかも、誰も答えられない状況でした。
「頑張っても報われない」じゃなくて、「何をすれば報われるのか分からない」という感覚が一番しんどかったです。評価基準が曖昧すぎて、モチベーションを保つのが難しくなっていきました。
Q. 特に違和感を感じた出来事はありましたか?
転機になったのは、前職の同期が転職したと聞いたときです。聞いたら年収が100万円以上上がっていたんです。同じような技術スタックで、経験年数もほぼ同じ。それなのにこんなに差がつくのか、と正直かなりショックを受けました。問題はスキルじゃなくて、自分がいる環境の評価構造なんじゃないかと気づいた瞬間でした。

転機:「自分の市場価値を知りたい」と思った瞬間
Q. 転職を考え始めたきっかけは何でしたか?
同期の転職をきっかけに転職サイトで年収相場を調べてみたら、自分のスキルレベルに対してもっと高い年収レンジが出てきたんです。「自分は相場より安く働かされているんじゃないか」という感覚が生まれて、一気に転職が現実的な選択肢になりました。同時に、今の会社での将来を考えたときに、10年後も同じ評価構造の中にいる自分が想像できなかった。それが決断のトリガーになりました。
Q. 当時、どんな選択肢で迷っていましたか?
最初は「現職でもう少し粘るか、別のSES企業に移るか」という二択で考えていました。でも転職情報を調べていくうちに、「事業会社の社内SE」という選択肢が視野に入ってきた。SESでは客先のシステムを作り続けるだけですが、社内SEなら自社のサービスや業務に責任を持って関わり続けられる。評価制度も整っている企業が多いことも分かってきて、だんだんと社内SEが本命になっていきました。
社内SEという選択
Q. なぜ社内SEを選んだのですか?
理由は大きく二つです。ひとつは、自社サービスの開発に継続的に関われること。もうひとつは、評価制度が整っていること。求人票をじっくり読むと、社内SEを募集している企業の中には「評価制度・キャリアパスが明確」と明記しているところが結構あって。SESにいるときは考えたこともなかったポイントでしたが、そこが一番大事だと気づいたんです。
Q. 転職にあたって不安はありましたか?
ありました。技術レベルのギャップと、年収がさらに下がるかもしれないという不安です。SES時代はいろんな案件を転々としていたので、特定のサービスや技術スタックに特化する経験が少なかった。「TypeScriptやReactはある程度できるけど、自社開発のレベルに追いつけるか」という心配がありました。でもエージェントとの面談で、自分のスキルセットが想定以上に評価されると分かって、少し安心しました。
エージェントとの出会い
Q. エージェントを利用したきっかけは?
転職サイトで自分で求人を探していたのですが、どの企業の年収レンジが自分に当てはまるのかよく分からなくて。「一度プロに客観的に評価してもらおう」と思ったのがきっかけです。情報収集のつもりで使い始めました。
Q. 初回面談の印象はいかがでしたか?
すごく具体的で驚きました。担当者が私の経験・スキルをヒアリングして、「あなたのスキルセットなら市場でこういうポジション・このくらいの年収レンジが狙えます」と、データに基づいて教えてくれたんです。自分の中に漠然とあった「もっともらえるはず」という感覚が、数字として裏付けられた感じがして、転職へのモチベーションが一気に上がりました。
Q. 印象に残っているサポートはありますか?
無理に転職を勧めない姿勢が印象的でした。「この企業は評価制度が整っているけど技術的なチャレンジは少ないかもしれない」「こちらの企業は年収レンジが高いが裁量も大きくプレッシャーも強い」といった具体的なトレードオフを教えてくれて。私が何を一番大事にしているのかを整理する手伝いをしてくれた感じでした。
「年収を上げること」が目的ではなく、「納得できる評価の環境に移ること」が目的だと整理できたのは、エージェントとの面談があったからだと思います。

転職活動のプロセス
Q. 転職活動はどのように進みましたか?
エージェント経由で社内SE・自社開発系の企業を中心に10社ほど紹介してもらい、書類選考で5社通過、最終的に3社から内定をもらいました。期間は活動開始から約3ヶ月です。面接では、SES時代の経験をどう抽象化して伝えるかに苦労しましたが、「複数の案件・業種を経験してきた柔軟性」という形でプラスに変換できるようエージェントからアドバイスをもらいました。
Q. 転職先を決めた理由は?
最終的には、評価制度の透明性と技術スタックの面白さで決めました。面接で「評価基準を教えてください」と聞いたとき、評価シートを見せながら丁寧に説明してくれた企業が今の会社です。「この会社なら、自分の頑張りがきちんと見える形で評価される」と確信できました。
社内SEとして働いてみて
Q. 現在の業務内容を教えてください。
自社のSaaSプロダクトのバックエンド開発が中心です。Node.js+TypeScriptでAPI開発を担当しながら、インフラ面ではAWSのECS・RDS・Lambdaを使ったアーキテクチャの設計・改善にも関わっています。SES時代よりも技術的な裁量が大きく、設計フェーズから自分の意見を出せる環境は新鮮でした。
Q. 働き方や評価はどのように変わりましたか?
一番変わったのは、評価のフィードバックが明確になったことです。半期ごとの評価面談では、目標に対して具体的に何ができていて、何が不足しているかが数値や行動ベースで説明されます。「よく頑張ってくれています」で終わっていた前職とは全然違う。来期に向けて何をすべきかが明確になるので、モチベーションのコントロールがしやすくなりました。
Q. 転職して感じた変化は?
年収は前職比で約130万円アップしました。でも、正直それよりも「評価された実感が持てること」のほうが大きな変化だと感じています。同じ量の仕事をしても、成果が見える化されて、次のステップが描けるというのは、働く上での安心感がまったく違います。転職してよかった、と毎日感じています。
年収アップは結果に過ぎなくて、本当に変わったのは「自分のキャリアに対する主体感」です。評価される仕組みがあると、仕事への取り組み方が変わるんだと実感しました。
社内SEのリアル:メリットと大変な点
Q. 社内SEのメリットは?
自社のサービスや業務に継続的に関われるので、技術的な深さが積み上がっていく感覚があります。SES時代は案件が変わるたびにリセット感があったのですが、今は積み重ねが見えるので充実感が違います。また評価制度が整っている企業が多いので、スキルアップと年収アップが連動しやすいのもメリットです。
Q. 一方で大変な点は?
成果責任が明確な分、プレッシャーも増えました。「なんとなく動いていればOK」という状況ではなく、リリースした機能の品質やパフォーマンスに対してしっかり責任が問われます。また、自社のコードベースへの理解が必要なので、最初の数ヶ月は慣れるのに苦労しました。技術選定の自由度も、会社によっては制限される場合があります。

今後のキャリア
Q. 今後どのようなキャリアを考えていますか?
まずは今の技術スタック、特にAWSのアーキテクチャ設計のスキルをもっと深めていきたいです。将来的にはテックリードやエンジニアリングマネージャーのポジションにも興味があります。評価制度が整った環境にいることで、キャリアパスを自分で考えられるようになったのが、一番大きな変化かもしれないですね。
読者へのメッセージ
Q. 同じように悩んでいる方へ一言お願いします。
「スキルはあるのに評価されない」と感じているなら、まず一度自分の市場価値を確認してほしいです。転職エージェントに相談すれば、今の自分がどういう評価を受ける存在なのかを客観的に教えてもらえます。私はそれをきっかけに、問題はスキルではなく「環境」にあったと気づきました。
社内SEは「安い」「スキルが伸びない」というイメージを持たれることがありますが、企業によって全然違います。評価制度や技術スタックがしっかりした企業を選べば、年収も上がるし技術も深まる。「納得できる選択」をするために、まず情報を集めることから始めてほしいです。
編集後記
年収は「結果」であり、評価の構造で決まる
今回の加藤さんのストーリーが示しているのは、「年収が低い=スキルが足りない」ではないということ。SES・中小SIer・受託開発という環境では、いくらスキルを磨いても年収が上がりにくい構造が存在します。評価基準が曖昧なまま、個人の頑張りが適切に反映されない仕組みは、当事者の責任ではありません。
重要なのは、「自分の市場価値を知ること」と「評価される環境を選ぶこと」の二つ。転職は手段であり、目的は「納得して働ける環境を手に入れること」にあります。加藤さんが転職後に語った「キャリアへの主体感」こそが、真の意味でのキャリアアップの本質ではないでしょうか。
社内SEへの転職を検討しているのなら、まずは求人票の「評価制度」「技術スタック」「開発体制」の三点を必ず確認してみてください。年収アップは、適切な環境選びの結果として自然についてくるはずです。
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※掲載している写真はイメージです。インタビュー内容とは直接関係ありません。



