【転職インタビュー】インフラエンジニアとしての専門性を活かし、「運用から脱却して設計に関われる環境」を求めて社内SEへ転職<社内SE>

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この記事の目次

運用・保守を続ける中で感じた限界。インフラエンジニアが社内SEへ転職して変わった役割とは

インフラエンジニアとしてキャリアをスタートし、運用・保守業務に従事する人は多い。しかし、経験を積む中で「このまま運用でいいのか」と、ふと立ち止まる瞬間が訪れることもある。

今回話を聞いた山口恒一さん(30歳・千葉県)も、かつてはそんな一人だった。SIerでのインフラ運用・保守を経て、現在は従業員200名規模のSaaS企業で社内SEとしてクラウドインフラの設計・構築を担う。

「設計に関わりたい」——そのひとつの思いが、キャリアの転換点になった。運用経験の価値を活かしながら、どのように次のステップへ進んだのか。インフラエンジニアのキャリアアップを考えている人に向けて、リアルな経験を語ってもらった。

 PROFILE / 転職者情報

氏名:山口 恒一(仮名)
年齢:30歳
居住地:千葉県
現職:社内SE(インフラ担当)
前職:SIer(インフラ運用・保守)
エンジニア歴:8年
転職先企業:従業員200名・SaaS系自社サービス企業(内製化推進中)
前職の技術スタック:Linux(RHEL)/Windows Server/VMware/Zabbix/AWS(EC2・S3 一部)
現職の技術スタック:AWS(EC2・RDS・VPC・IAM)/Terraform/Docker/CI/CD(GitHub Actions)

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エンジニアとしてのキャリアのスタート

Q. エンジニアになったきっかけを教えてください

大学では情報系の学部に在籍していたんですが、最初からアプリ開発より「ネットワークやサーバーのような目に見えにくい部分を支える仕事」に興味がありました。縁の下の力持ち的な役割というか、インフラがあってこそサービスが動くという感覚に惹かれたんですよね。

就職活動では複数のSIerを見て、最終的にインフラ案件を多く扱う会社に入社しました。入社後は研修を経て、すぐに現場への配属。Linuxサーバーの運用や監視ツールの管理から始まったのを覚えています。

前職・SIerでの運用保守のリアル

Q. 前職ではどのような業務を担当していましたか?

メインはサーバーの運用・監視・障害対応でした。Zabbixを使った監視設定、障害発生時のアラート対応、定期的なパッチ適用、バックアップ確認といった定常業務が中心です。

複数のお客様環境を並行で担当していたので、常にどこかで何かしら動いている状態。週次・月次のメンテナンス作業もあって、スケジュール管理はそれなりに大変でしたね。後半の2年ほどはシフト制の夜間対応にも入っていました。

Q. 業務を通じて身についたスキルは何ですか?

インフラの基礎力はかなり鍛えられたと思います。LinuxサーバーのCLI操作、ネットワークの基本的な構成理解、障害発生時に冷静に切り分けてエスカレーションする判断力。

「何かが起きたとき、まず何を確認するか」という手順が身体に染みついた感じです。チームで動くことが多かったので、情報共有のやり方や、引き継ぎドキュメントの作り方なども自然と学びました。

Q. 一方で、違和感や課題は感じていましたか?

正直に言うと、3〜4年目くらいから「スキルが止まっている感覚」がぼんやりと出てきました。毎日似たような業務で、新しいことを学ぶ機会が少ない。障害対応に慣れれば慣れるほど、逆に「これ以上何が伸びるんだろう」って思うようになってきたんです。

もうひとつ大きかったのが、設計フェーズに関われないことです。設計書は別のチームやプロジェクトマネージャーが作っていて、自分たちはその通りに動かすだけ。「なぜこの構成にしたのか」が見えないまま運用するのが、だんだんモヤモヤするようになりました。

転機:「設計に関わりたい」と思ったきっかけ

Q. キャリアを見直したきっかけは何だったのでしょう?

6年目に、一部AWSを使う案件にアサインされたことが大きな転機でした。EC2を使ったサーバー構築やS3のバケット作成など、クラウドに触れる機会があって。それまでのオンプレとは全然違う世界観で、「これは面白い」と素直に思いました。

同じタイミングで、社内の別チームにAWSの設計ができる人が入ってきたんです。VPCやIAMの設計をスラスラやっていて、自分との差が明確に見えた。「自分はまだ運用しか知らない」って、その時初めてリアルに気づきました。

Q. 当時、どのような選択肢を考えていましたか?

まず思ったのは「社内でAWS設計をやらせてもらえないか」ということ。でも、実際に上長に相談したところ、「今の案件が優先」「人手が足りない」という流れで、具体的な話にはならなかった。

その後しばらく様子を見ましたが、状況は変わらない。そこで「環境を変えないと、自分は変わらない」という結論に至りました。転職を意識したのはその頃です。

社内SEという選択

Q. なぜ次のキャリアとして「社内SE」を選んだのですか?

転職先として考えたのは、Web系のSIer、クラウドインテグレーター、そして社内SEでした。でも「同じ受託の環境では、設計に関われる保証がない」という気持ちがあって。

社内SEという選択肢が具体的になったのは、エージェントとの面談がきっかけです。「社内SEだと、会社のインフラを一気通貫で担当できる。運用だけじゃなく、設計・構築・改善まで継続的に関われる」と教えてもらって、自分が求めていたものに近いと感じました。

Q. 不安はありませんでしたか?

もちろんあります。設計経験が浅いのに設計を担う、という矛盾に近いことへの不安が一番大きかった。「技術レベルが足りなくて、すぐに行き詰まるんじゃないか」と。あとは業務範囲の広さ。社内SEはインフラだけでなく、社内システム全般に関わることもある。自分がどこまで対応できるか、正直読めなかったです。

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エージェントとの出会い

Q. エージェントを利用したきっかけを教えてください。

転職サイトを見ていて、インフラ系に強いエージェントのバナーが目に入ったのがきっかけです。最初は情報収集のつもりで登録しました。

Q. 初回面談の印象はいかがでしたか?

「ここは話が通じる」と思いました。「Zabbixを使った監視業務です」「AWS案件に少し入りました」という話をしたとき、「その案件ではどこまで関わりましたか?構築側でしたか?」と具体的に掘り下げてくれたんです。経験の深さと幅をきちんと理解しようとしてくれる姿勢が伝わりました。

Q. 印象に残っているサポートはありましたか?

「社内SEのインフラ担当って、実際どんな仕事をするんですか?」と聞いたとき、具体的に説明してくれたのが助かりました。「AWS環境の設計から構築まで担う企業が増えている。Terraformでインフラをコード化して、開発チームと連携しながらCI/CDを整えるような仕事です」と。自分が描いていた社内SEのイメージより、はるかに具体的な話でした。

また、「今すぐ転職しなくていい。でも、動き出すタイミングとしては今がいい」というスタンスが信頼できました。無理に転職を急かさない姿勢が、安心感につながりました。

転職活動のプロセスと決断

Q. 転職活動はどのように進みましたか?

エージェントから紹介された求人は5〜6社。その中で社内SEのポジションが3社あり、面接に進んだのは2社です。比較したのは主に「インフラを内製化しているか」「クラウドを設計フェーズから関われるか」の2点でした。

Q. 転職先を決めた理由は?

今の会社はSaaS系の自社プロダクトを持っていて、インフラを外部委託せず自社で管理・改善していく方針が明確でした。面接の中で「Terraformでインフラコードを整理していきたい」「GitHub Actionsを活用してCI/CDを強化したい」という話が出て、「自分がやりたいことがここにある」と感じた。条件面より、技術の方向性と職場の雰囲気で決めた感じです。

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社内SEとしての現在:変わった役割と景色

Q. 現在の業務内容を教えてください。

AWS環境の設計・構築がメインです。VPCの設計、RDSの構築、IAMの権限設計、セキュリティグループの管理など。Terraformでインフラをコード化して、変更履歴を管理しながら運用しています。開発チームとの連携も多くて、新しい機能リリース前にインフラ要件を確認したり、CI/CDパイプラインの整備に関わったりしています。「インフラの人」じゃなく、「開発とインフラをつなぐ人」という意識が出てきました。

Q. 転職して一番大きく変わったと感じることは?

「判断する機会が増えた」ことです。前職は決まったことをやるのが仕事でしたが、今は「このインフラ構成でいいか」「このコストは適切か」「このリスクをどう評価するか」を自分で考えて提案する場面がある。プレッシャーはありますが、それが成長している実感につながっています。

社内SEのリアルなメリット・デメリット

良かった点

  • インフラの設計・構築・改善に継続的に関われる
  • 同じ環境を深く理解できるため、改善の成果が見えやすい
  • 開発チームとの連携で視野が広がる
  • 生活リズムが整い、長期的に働きやすい

大変な点

  • 責任範囲が広く、自分で判断する場面が多い
  • 「技術選定の正解」を自分で考えなければならない
  • 社内のレガシーな環境と向き合うことも多い

今後のキャリア

Q. 今後はどんなキャリアを描いていますか?

まずはAWS認定資格(ソリューションアーキテクト)を取得して、設計の引き出しを増やしたいです。その先は、クラウドアーキテクトとしてインフラ全体の設計をリードできる存在になりたい。同時に、コスト最適化や可用性設計など、技術だけでなく事業視点で考えられるエンジニアを目指したいと思っています。

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同じように悩んでいる方へ

Q. 運用・保守から抜け出せないと感じているエンジニアへ、一言お願いします。

「運用経験は無駄じゃない」というのを、まず言いたいです。設計の仕事に移ってから、前職で叩き込まれた障害対応の感覚や、インフラ基礎の知識がどれだけ役立っているか実感しています。

ただ、環境が変わらなければ、できることも変わらない。社内で機会を待ち続けるより、動ける環境を選ぶことも大事だと今は思います。

転職は「逃げ」じゃない。自分の経験を活かせる場所を探すことは、キャリアを積み上げることだと思います。まず誰かに話してみることで、自分のキャリアが整理されることもあります。一歩踏み出す価値は、十分あると思いますよ。

編集後記

山口さんの話を通じて見えてきたのは、「インフラエンジニアのキャリアアップは、運用の否定ではない」というメッセージだ。

運用・保守で培った基礎力があるからこそ、設計フェーズで活きる視点がある。社内SEという選択肢は、キャリアの転換点ではなく、インフラエンジニアとしての延長線上にある進化のステップでもある。

「運用→設計」のルートは特別な才能がなくても現実的に歩める道だ。ただし、そのためには環境の選び方が重要になる。自分のスキルと経験を棚卸しして、次のステージを考えたいなら、まずキャリアを整理することから始めてみてほしい。

※本記事に登場する人物名・企業情報はダミーです。

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