社内SEは自社システムを内製化し、最適なシステムを構築・運用・保守していくために必要な存在です。未経験でも知識とスキルさえあれば始められ、社内のシステム全般とプロジェクトチームを支える立場として、存在感のある仕事です。
本記事は社内SEの仕事内容や役立つ資格、必要なスキルなどを解説し、社内SEの仕事について知らない方でも理解していただける内容になっています。
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社内SEに役立つ資格とは
社内SEとして働くには、次の3つの資格を取得するとよいでしょう。
- インフラ・運用系資格
- マネジメント資格
- IT戦略資格
インフラ・運用系資格
企業のインフラやシステムを構築・運用・保守するには、ネットワークの構築や効率的なシステムの設計などの技術が必要です。特に社内SEは1人で対応する業務の幅が広いため、インフラ系に詳しいエンジニアの存在は不可欠といえます。
インフラ・運用系の資格の代表例には、次の資格があります。
- ネットワークスペシャリスト試験(NW)
- データベーススペシャリスト試験(DB)
- シスコ技術者認定資格「CCNP」
- ORACLE MASTER Gold DBA
- Linux技術者認定資格
- マイクロソフト認定資格
- ITIL
こうした資格を保有することで、社内インフラの整備・運用・保守を任せてもらうチャンスがあるでしょう。
マネジメント資格
社内SEのマネジメントでは、プロジェクトの進捗管理やリソース管理などを行います。近年は社内のDXを促す中で、社内システムの構築と運用に力を入れる企業も増えており、開発のマネジメントができる人材も求められています。
マネジメント資格の代表例は、次の通りです。
- プロジェクトマネージャ試験(PM)
- PMP
- ITサービスマネージャ試験
社内システムを時代に合わせて進化させていくには、社内・社外のリソースを管理し、プロジェクトを管理できる人材が欠かせません。上記の資格を取得することで、社内SEとしてのキャリアアップにもなるでしょう。
IT戦略・システム開発資格
企業の多くがDXを推進する中で、社内のIT戦略立案、システム内製化開発に注力する企業も増えてきています。社内SEはシステム・IT全般に対応する能力が必要であり、IT戦略への理解と必要なシステムが開発できることも必要な条件です。
IT戦略・システム開発資格の代表例は、次の通りです。
- 基本・応用情報技術者試験
- ITストラテジスト試験
時代の潮流に合わせたIT戦略を立案・実行していくためにも、上記の資格を取得する価値は非常に高いです。
社内SEに役立つ資格10選
社内SEになること自体に資格は不要ですが、転職するうえで有利になる資格はあります。そこで、社内SEに役立つ資格10選を紹介します。
- ITパスポート試験
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- プロジェクトマネージャ試験
- 情報処理安全確保支援士試験
- 情報セキュリティマネジメント試験
- システムアーキテクト試験
- データベーススペシャリスト試験
- シスコ技術者認定
ITパスポート試験
ITパスポート試験は、IT知識の基礎を問う試験です。ハードウェア・ソフトウェア、システム構成、ネットワーク、セキュリティ、データベースなど、ITに関する情報を幅広く理解しているかどうかが問われます。
資格を取得してすぐに社内SEとして活躍できるわけではないものの、基本的なIT知識を持つことの証明になるため、未経験から社内SEへの転職を目指す方におすすめの資格です。また試験は毎月行われるため、もし不合格でもすぐに再受験できる点も魅力です。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITパスポート試験の上位に位置する資格で、エンジニアにとっては必須レベルの資格です。合格率は25%程度で、試験としての難易度は中級程度です。中級の難易度に相応しく、専門的な内容が多いため、しっかりとした学習をしていなければ合格は難しいでしょう。
試験問題にはプログラミングについて問う内容もあるため、IT分野の幅広い知識が求められます。試験は毎年4月と10月に行われているため、比較的チャンスの多い試験です。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位にあたる資格で、基本情報技術者試験よりも高度な専門知識が問われます。エンジニアとしてのレベルアップ、キャリアアップに繋げたい方が受験することも多く、より高度な知識を学びたい人に最適です。
試験の合格率は基本情報技術者試験と同程度で、開催時期も毎年4月と10月の2回です。合格率に比べて難易度が高い試験ですから、しっかりとした対策を行ったうえで挑戦してください。
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークの設計・構築・運用・保守などの知識・スキルを問う試験です。社内SEにとっては非常に相性の良い資格で、国家資格でもあるため就職や転職で役に立ちます。IT系資格の中でも屈指の難易度を誇っており、合格率は10%台前半という上位の難しさとなっています。
また試験にはスキルのチェックだけでなく、論述問題もあるため、論理的な文章を書けるだけの知識と文章力も必要です。試験は毎年10月に行われているため、社内SEとしてレベルアップしたい方は試験に向けて準備を進めましょう。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、名前の通り、プロジェクトメンバーのマネジメントを行い、進捗管理などを行う資格です。保有することで管理職への足掛かりにもなるため、社内SEでキャリアアップしたいなら取得を目指しましょう。
試験の難易度は高めで、合格率は15%程度となっています。毎年4月に開催されているため、他の高難易度試験とは時期がずれている点も魅力です。管理職としてプロジェクトの陣頭指揮を取りたい方は、プロジェクトマネージャ試験を受験しましょう。
情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験は、サイバーセキュリティの専門知識・技能と安全な情報システムの企画・設計・開発・運用の維持を行う資格です。基本・応用情報技術者試験やプロジェクトマネージャ試験と同様、IPAが主催する試験で、合格率は10%程度の高難度の試験です。
資格を保有すれば就職・転職で有利に働くだけでなく、スキルアップ・キャリアアップにも有利になるでしょう。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティ対策に関する基本的な知識や、トラブル発生時の対応などについてを問う試験です。
情報管理などのマネジメント向けの試験ですが、他の試験と比べると合格率は50%前後と難易度が低く、基礎的な内容であることから、エンジニアを目指す人にもおすすめです。令和5年度4月よりCBT方式となり、好きなタイミングで受験できるため、チャレンジもしやすい資格です。
システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験は、システム開発・設計、開発における上流工程でのマネジメント能力を図る試験です。上級エンジニアとして求められる能力を証明するものであり、社内SEとして管理職を目指す方は取得しておきたい資格です。
合格率は約15%程度で、試験は年1回4月しか行われないため、しっかりとした対策を立てましょう。
データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、データベース管理者の知識や技術を証明する資格です。企業の膨大なデータを管理している人や、ビジネスにおけるデータ分析向けのデータを管理している方は取得すると有利です。
情報処理技術者試験の中でも最高ランクのレベル4の試験であることから、難しい試験といえるでしょう。ビッグデータが活用される時代においては、データベーススペシャリスト試験は必須の資格です。
シスコ技術者認定
シスコ技術者認定は、シスコシステムズ製品を社内で使用する場合に役立つ資格です。認定レベルには5つあり、エントリー、アソシエイト、プロフェッショナル、エキスパート、アーキテクトの順でレベルが上がります。
資格の大まかなレベル分けとして、エントリーが未経験者向け、アソシエイトがエンジニア経験1~3年、プロフェッショナルが3~5年、エキスパートは5~7年以上という基準があります。試験の認定分野も9つに分かれているため、社内SEとして求められる分野を優先的に取得するとよいでしょう。
社内SEの仕事内容とは
社内SEは、システムの設計・開発などを行うシステムエンジニアとは違い、社内のITやシステムに関する幅広い内容に対応するエンジニア職です。会社で使用するシステムによって業務内容に違いはありますが、主に以下の仕事を行う社内SEが多いです。
- 社内のIT戦略の企画・システム開発
- 社内システムの構築・運用・保守
- 社内インフラの設計・構築・運用
- ヘルプデスク業務
社内のシステムやIT全般に対応するのが役割であり、従業員がシステムトラブルや不具合、悩みを抱えている時に対応することも社内SEの仕事です。社内SEはシステム・IT業務を幅広く担当する万能プレイヤーとして、スピーディで柔軟な対応を求められるでしょう。
社内SEが資格を取得するメリット
社内SEが資格を取得することで得られるメリットはいくつかあります。
ここでは主に3つのメリットをお伝えします。
・自身のスキルや知識を証明することができる
・体系的な知識習得に役立つ
・キャリアアップや資格手当、昇格条件に必要となる
・自身のスキルや知識を証明することができる
社内SEの求人は少ない募集枠に対して希望する方が多く、転職難易度が非常に高いです。
その際、履歴書や経歴書に資格の記載があれば、面接以外でも自身のスキルを証明することができます。
・体系的な知識習得に役立つ
資格取得は、実務的な側面よりも、自身のこれまでの経験やスキルを体系的に学べるという側面が非常に大きい要素を占めます。日々の業務経験の中でも、現場や企業によって抜け落ちている知識やスキルなどがあるため、資格取得を通じて体系的な知識を得ることは、業務内容が幅広い社内SEにとっては非常に有効な手段となります。
・キャリアアップや資格手当、昇格条件に必要となる
企業の中には、自己研鑽を奨励するために資格取得を推奨している場合もあります。また、特定の資格を取得すれば資格手当が得られ年収アップとなったり、時に昇格の条件として特定の資格取得が必要な企業もあるため、資格取得は今後のキャリアアップに必要となるケースもあります。
社内SEに必要なスキル
社内SEに必要となるスキルについて、5つご紹介します。
プログラミングスキル
社内SEとして働く以上、プログラミングスキルは必須です。実際にプログラミング業務があるかは企業によって異なりますが、基本的なプログラミングスキルを身に付けておけば、自分が直接関わっていないシステムであっても仕組みを理解できます。プログラミングスキルがなければ、トラブル発生時の原因究明や対応もできないため、必ず身に付けておきましょう。
システム運用・保守の知識
社内SEの仕事はシステムの運用・保守も行うため、運用・保守の知識も必要です。特に社内SEはシステム使用者からの相談やトラブル対応も業務範囲であることから、専門的な知識がなければ対応もできません。トラブル発生時に迅速な対応を行うためにも、システム運用・保守の知識は必須といえるでしょう。
システム設計・開発の知識
社内SEの仕事はシステムの運用・保守だけでなく、設計・構築・開発も含まれます。そのためシステムの設計・開発に必要な一通りの知識がなければ、社内SEとしては働けないでしょう。基本情報技術者試験や応用情報技術者試験を受験し、合格できる程度の知識があれば、基礎力は十分です。
マネジメントスキル
社内SEは社内向けシステムの開発、ベンダーコントロールやマネジメントも重要な業務です。効率的に業務を進めるには、社内SEと外部SEで分担する業務やリソース管理、進捗管理など、効果的なマネジメントをしなければなりません。エンジニアとして多くのプロジェクトを経験し、マネジメントスキルを磨けば、社内SEとしてキャリアアップに繋がります。
コミュニケーション能力
社内SEの仕事は、チームで行うことも多いです。例えばシステム開発では社内SEと外部SEが協力し、1つのシステム開発をゴールに向けて進んでいきます。当然チームで動く以上、お互いの意思疎通が重要となるため、社内SEにはコミュニケーション能力が必要です。またクライアントからの要望をヒアリングするためにも、コミュニケーション能力は欠かせません。
社内SEの需要は高い?
社内SEを目指す方にとっては朗報です。これから先も社内SEの需要は高まることが予想され、今から知識とスキルを磨いておくことをおすすめします。
社内SEの需要が高くなる理由は、次の2つです。
- DX推進による内製化が進む
- 社内SEがいれば社内システム全般に対応できる
近年はIT化やDXが進み、社内で独自のシステムを開発・運用する企業が増えています。 外部に委託してシステムを開発するよりもコストが安く、しかも社内SEが常に社内にいることで、システム全般のことをいつでも相談・対応できます。こうした理由から、社内SEの需要は今後も高いと考えてよいでしょう。
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本記事では、社内SEの仕事や役立つ資格、必要なスキルについて解説しました。社内SEへの転職は経験が必要と思われがちですが、決してそのようなことはありません。
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