社内SEが大手企業に転職するメリット・デメリットを解説

社内SEが大手企業に転職するメリット・デメリットを解説

「大手企業で社内SEとして働きたい」社内SEへの転職では、このように思っている方も多いでしょう。

大手企業は年収が高い傾向にあることに加え、大規模なプロジェクトに携わることで貴重な経験や達成感を得られます。しかし、大手企業によってはプログラミングの機会が少なくキャリアアップしにくいという声もあります。

そこで本記事では、社内SEが大手企業に転職するメリットとデメリットをわかりやすく解説します。

転職は人生に大きな影響を与える重要な決断です。大手企業へ社内SEとして転職を検討している方は必見です。

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この記事の目次

大手企業のSEに転職する際の選択肢

大手企業の社内SEに転職するときの選択肢は以下の2つです。

・大手企業のSEに転職する際の選択肢
・大手SlerのSE大手企業のSE

それぞれ詳しく見ていきましょう。

大手SIerのSE

大手企業に転職するときの1つ目の選択肢は、大手SlerのSEです。大手Slerは、SIer企業の中でも、システム開発で数百〜数億円の大規模なプロジェクトを手がけます。

また、従業員数や売上など企業の規模、業界の中での知名度の高さも、大手と呼ばれる理由です。大手SIerは、大手の電機メーカー系IT企業や外資系IT企業などが挙げられます。

経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、2022年の情報サービス業の売上高は、15兆9982億円です。そのなかで、主にSIerが手がける受注ソフトウェアの売上高は9兆4639億円と、約6割を占めています。この数値から、Slerは非常に大きな市場といえるでしょう。

大手企業のSE

もう一つの選択肢は、大手企業の社内SEです。大手企業では大規模なシステムに携わることができ、プログラミングスキルのほかにも大型プロジェクトのマネジメントスキルも鍛えられます。

大手企業の社内SEは、主に以下のような役職を経験できます。

  • システムエンジニア
  • プロジェクトマネージャー
  • プログラマー・設計者
  • インフラエンジニア
  • セキュリティエンジニア
  • UI/UXデザイナー

大手企業の社内SEは、自社のシステムを長期的に運用・改善する立場です。さらに、社内のほかの部門と連携して働く機会も多いので、企業全体のIT戦略に深く関わることができます。

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大手企業のSEと中小企業のSEの違い

中小企業基本法では、大手企業は従業員数が301名以上、中小企業では50〜300名以下と定義されています。資本金は、大手企業では3億円以上、中小企業では5,000万〜3億円未満と分類されています。

大手企業の社内SEは、大規模なプロジェクトに携わることが多い傾向にあります。ここでいう規模の大きさとは、受注金額が高く、携わる人が多いプロジェクトを指します。このような大規模なプロジェクトでは、受注金額が数千万円〜数億円にも上ります。予算やリソースが豊富で最新技術やシステムを導入しやすいことから、業務内で高度な専門知識を身につける機会が多いでしょう。また、主体的にプロジェクトを進める立場であることが多く、プロジェクトマネジメントやベンダーコントロールといった上流工程のスキル習得が見込めます。

一方、中小企業のプロジェクトでは、受注金額が数百万円〜数千万円のケースが多くなっています。従業員数が少ない場合は幅広い業務を一人で担当することが多く、プログラミングの機会も多いでしょう。これらをとおして短期間でのスキルアップが目指せるのは、メリットといえるでしょう。

SEが大手に転職するメリット

SEが大手に転職するメリットは、以下の5つです。

・年収が上がる
・規模の大きいプロジェクトに携われる
・無理な残業が少ない
・福利厚生が充実している
・キャリアアップできる

それぞれ具体的に見ていきましょう。

年収が上がる

SEが大手に転職するメリットの1つ目は、年収が上がることです。

求人ボックス給料ナビによる社内SEの仕事の年収・時給・給料調査では、2024年6月時点の社内SEの平均年収は約497万円でした。

一方で、国税庁による令和4年分 民間給与実態調査では、日本人の平均年収は約458万円となっています。そのため、社内SEの平均年収は日本人の平均年収よりも、約40万円高いことになります。

そして、厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況では、以下のように企業規模別の年収が示されています。

企業規模別の平均年収
企業規模平均年収
10〜99人575万円
100〜999人610万円
1000人以上790万円

企業規模が大きいほど平均年収も高くなるので、大手企業に転職することで社内SEとしての年収も上がる可能性が高いといえます。

規模の大きいプロジェクトに携われる

大手企業に転職すると、社内SEとして規模の大きいプロジェクトに携わる機会が増えます。大手企業は資金力やリソースが豊富なことが多く、社内SEとして多様なプロジェクトに参加できるチャンスがあります。プログラミングスキルはもちろん、プロジェクトマネジメント等の上流工程のスキルも習得できるでしょう。

さらに、大規模プロジェクトに携わった経験は、より大手の企業に転職する際にアピールできます。前職で規模の大きいプロジェクトを担当した経験は、将来的なキャリアアップにも役立つでしょう。

無理な残業が少ない

大手企業では、福利厚生やフレックス制度など労働環境の改善に力を入れていることが多く、無理な残業が少ない傾向にあります。労働基準法の遵守はもちろん、ワークライフバランスを重視した働き方が推奨されています。

そのため、社内SEとしても過度な残業に悩まされることなく、健全な労働環境で働くことができます。さらに、業務効率化やタスク分担の姿勢が強いので、仕事の負担が個人に集中しないようメンバーに配分されています。

SEは大手に転職することで、プライベートの時間をしっかり確保でき、長期的な健康維持にもつながるでしょう。

福利厚生が充実している

(出典:2020年 企業における福利厚生施策の実態に関する調査 – 独立行政法人 労働政策研究・研修機構

福利厚生が充実していることも、SEが大手に転職する大きなメリットです。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構の企業における福利厚生施策の実態に関する調査では、従業員数が100〜299人や300人以上と企業規模が大きくなるほど、様々な福利厚生が施策されていることがわかります。

健康保険や年金制度のほかにも、住宅手当や通勤手当、育児支援など多岐にわたる福利厚生が提供されています。社内SE転職ナビの保有する求人では、以下のような福利厚生があります。

働き方リモートワーク、フレックスタイム、裁量労働制、入社時の有給休暇付与、在宅勤務手当、キャリア形成支援、再雇用制度 等
お金選択型確定拠出年金制度、財形貯蓄制度、持株制度、退職金制度 等
暮らし・健康単身赴任制度、社宅、自社サービス利用料補助、住宅補助、定期健康診断、人間ドッグ補助、社内マッサージ室、育児サポート、予防接種代負担、屋内禁煙 等
レジャー福利厚生施設(レストラン・宿泊施設)の割引 等
スキルアップ資格取得支援制度、書籍購入費用補助、勉強会費用負担、社内研修、ビジネススクール・セミナー参加費補助 等
コミュニケーションフリードリンク、サークル・懇親会費用補助 等
福利厚生の例(社内SE求人ナビが保有する求人)


福利厚生が充実した企業で働くことで、生活の質が向上し、仕事に専念できる環境が整うでしょう。また、社員の健康やスキルアップを支援するプログラムも多く、活用することで長期的なキャリア形成にも役立ちます。

5,000件以上のIT求人を掲載する社内SE転職ナビでは、福利厚生の充実した求人も多数掲載されているので、働き方にこだわりたい方はぜひ実際の求人を見てみてください。

キャリアアップできる

大手企業に転職することで、社内SEとしてキャリアアップの機会が増えるのもメリットのひとつです。

大手企業は組織自体が大きいので、社内SEとしてのキャリアパスも多岐にわたります。たとえば、マネジメント職への昇進や、専門分野でのスペシャリストとして優遇されるようになることがあります。

福利厚生が充実していると研修や自己啓発プログラムがあり、自身のプログラミングスキルなどを磨く環境が整っています。さらに、大手企業での経験は、より大手の企業への転職時にもアピールできるため、社内SEとして長期的なキャリアを築くためにも有効です。

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SEが大手企業に転職するデメリット

大手企業へ社内SEとして転職を考える一方で、そのデメリットに対しても不安を感じていませんか?

大手企業に社内SEとして転職するデメリットは、以下の4つです。

・プログラミングの機会が少ない
・フットワークが重い
・周囲と比較されて評価されにくい
・スキルアップが難しい

転職は人生において大きな決断になるので、SEが大手企業に転職するデメリットについてもしっかり押さえておきましょう。

プログラミングの機会が少ない

大手企業の社内SEは、プログラミングの機会が少ない傾向にあります。なぜなら、大手企業の社内SEはプロジェクト管理が主な仕事内容になるからです。

プログラミングなどの製造工程は、大手企業では下請けに発注するので、プログラミングが好きな方にとって大手企業に転職するのはデメリットとなるが大きいかもしれません。

プログラミングを重視する場合は、中規模の社内SEに転職するのがおすすめです。そのためには、業務内容が詳しく書かれている転職サイトを使いましょう。

社内SE転職ナビの求人情報では、職務内容や業務の具体例が企業ごとに詳しく記載されています。こうした転職サイトからプログラミングに携われそうな企業を絞り込むことで、大手企業に転職するデメリットを解消できるでしょう。

フットワークが重い

大手企業ではフットワークが重いことも、デメリットとして挙げられます。

大手企業では扱うプロジェクトの規模が大きいので、社内SEの裁量も大きくなります。そのため、導入する技術やシステムの承認も慎重になり、仕事のスピード感が鈍る、つまりフットワークが重くなります。従業員数も増えるほど、会社の制度が特別対応できることは少なく、全従業員が企業ルールを遵守する必要があります。セキュリティーが厳しい大手企業では、スマホも自由に使えない場合もあるのです。

しかし、近年では大手企業でもフットワーク改善に力を入れているところが多くなっています。例えば、ワークフローシステムの導入や簡素化する、開発部署を社内ベンチャー的なポジションに置き、裁量を与えてスピード感のある開発を可能とする等、フットワーク改善に向けて取り組みを行っている企業は増えています。

大手企業で柔軟な働き方をしたい方は、社内SEへの理解が深い転職エージェントに聞くことがおすすめです。自分1人で転職活動をするよりも、プロのキャリアアドバイザーに自分に合った企業を絞ってもらうことで、スムーズに大手企業へ転職できるでしょう。

周囲と比較されて評価されにくい

大手企業では、社内SEとしての個々の業績が周囲と比較され、評価されにくい傾向があります。

規模が大きい組織ではチームとして業務に携わることが多いので、成果がほかの社員や部門の成果と統合され、自分の貢献が目立たなくなることがあります。

特に、定期的なメンテナンスなど日常化している業務の場合、個々の努力や改善提案が評価されにくく、モチベーションの低下につながることがあります。そのため、大手企業では自分の成果をアピールするためのコミュニケーション能力が求められる場面も多くなるでしょう。

スキルアップが難しい

大手企業に社内SEとして転職すると、スキルアップが難しい場合があります。既存のシステム運用や管理を中心とした業務ポジションとなった場合、新しい技術やスキルを学ぶ機会はどうしても少なくなってしまうでしょう。

専門分野が細分化され、それぞれに専門的な社内SEが割り振られている場合、幅広い知識を身につけることが難しくなります。そのため、市場で求められる最新技術に対応できなくなり、SEとしてのキャリアパスが限られてくるデメリットがあるでしょう。

しかし企業の競争が進む今、これらはあくまでも一般的なイメージであるといえます。実際には、多くの大企業で従業員のスキルアップに取り組み、セミナーや学習支援等をとおして知識や経験の習得を推進しています。「スキルアップが難しいのでは」と不安な場合には、気になる企業の就業環境や条件、求められるスキル、スキルアップ支援の内容等を確認してみてください。

SIer企業・大手企業の社内SEに向いている人

SIer企業や大手企業の社内SEに向いている人の特徴は、以下の6つです。

・論理的な思考ができる人
・管理能力が高い人
・コミュニケーションの能力が高い人
・チームで働きたい人
・規模の大きなプロジェクトに携わりたい人
・柔軟性があり臨機応変な対応ができる人

それぞれ具体的に見ていきましょう。

論理的な思考ができる人

Sler企業や大手企業の社内SEには、論理的な思考が求められます。

大規模なシステムを扱う際には、問題解決能力が重要です。SIer企業や大手企業では、複雑なシステムを導入・運用するための設計や、トラブルシューティングを論理的に進めることが必要です。

具体的には、問題が発生した場合にその原因を特定し、解決策を導き出す能力が求められます。論理的な思考ができると、効率的で安定したシステム運用を維持することができ、会社全体の生産性向上にも貢献できるでしょう。

管理能力が高い人

プロジェクトやチームなどを管理する能力も、Sler企業や大手企業の社内SEには必要です。

SIer企業や大手企業では、複数のプロジェクトを同時進行することがあります。大手企業では複数の部署や外部の方との連携が求められるため、高い管理能力が欠かせません。具体的には、スケジュール管理やリソース配分、進捗管理などが挙げられます。管理能力が高ければ、トラブルにも即時対応することでプロジェクトの成功率が高まり、全体の業務効率も向上するでしょう。

コミュニケーションの能力が高い人

Sler企業や大手企業の社内SEには、高いコミュニケーション能力も求められます。

SIer企業や大手企業では、クライアントやチームメンバーとの意思疎通が重要です。社内SEは、技術的な内容を非技術者にわかりやすく伝えることが求められるので、説明力や交渉力が高いと重宝されます。

また、問題が発生した際には迅速に情報を共有し、関係者とコミュニケーションをとりながら解決策を見つけることも大切です。メンバーとの良好なコミュニケーションが、プロジェクトの成功と職場の円滑な運営につながります。

チームで働きたい人

Sler企業や大手企業の社内SEは、チームで働くことが多いので協調性が重要です。

SIer企業や大手企業において、大規模なプロジェクトではチームの一員として働くことになります。社内SEの各メンバースキルや知識を最大限に活かし、より良い結果を生むためにはチームワークを重視することが大切です。

社内SEのチーム内で役割分担やシステム情報の共有をスムーズに行い、メンバー共同で目標の達成を目指す姿勢が欠かせません。このようにチームで働きたい人は、Sler企業や大手企業の社内SEに向いていると言えるでしょう。

規模の大きなプロジェクトに携わりたい人

規模の大きなプロジェクトに携りたい人も、Sler企業や大手企業の社内SEに向いています。

SIer企業や大手企業では、複数の大規模プロジェクトを経験できます。そのため、プロジェクトのマネジメントスキルや規模が大きいシステム管理を経験できます。

大規模なプロジェクトでは、システムの最新技術や高度な知識が求められるので、社内SEとして成長できる機会が豊富です。

また、規模の大きなプロジェクトは長期間にわたることが多いので、プロジェクト終了時には達成感ややりがいを感じられる点も魅力です。大規模プロジェクトに挑戦したい人にとって、Sler企業や大手企業の社内SEは理想的な職種と言えるでしょう。

柔軟性があり臨機応変な対応ができる人

Sler企業や大手企業の社内SEには、柔軟性と臨機応変な対応力も求められます。

SIer企業や大手企業では、予期せぬトラブルや業務の変化に迅速に対応する必要があります。たとえば、システム障害が発生した際には迅速に原因を特定し、社内SEのメンバーと対策を講じることが求められます。

また、業務内容が多岐にわたるため、様々な要望に柔軟に対応できる能力も大切です。臨機応変に対応できると、業務の円滑な遂行はもちろん、顧客満足度の向上にもつながります。

大手企業のSEに転職する際はプロに相談するのがおすすめ

大手企業の社内SEとして転職を考えるときは、業界に特化した転職エージェントに相談するのがおすすめです。

プロに相談するメリットは、まず「社内SEとしての経験やスキルがどのように評価されるか」という具体的なアドバイスが得られることです。大手企業では社内SEとして求められる技術や業務プロセスが高度なため、プロに相談することで、現職での経験がどのように転職先でアピールできるか理解できるでしょう。

転職エージェントは、履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策等のサポートがで可能です。大手企業では書類選考や面接のハードルが高く設定されていることが多いので、プロのサポートを活用してしっかりと対策しましょう。

また転職活動は情報収集~応募、面接といったプロセスに時間と労力がかかります。自分ひとりで進めるよりもプロに相談して、代わりにやってもらえるところはどんどん任せましょう。特に在職中で、仕事をしながら転職活動を成功させたい人は効率と負担の軽減が重要となるため、ぜひエージェントを活用してみてください。

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まとめ

本記事では、社内SEが大手企業に転職するメリットとデメリットについて詳しく解説しました。

大手企業への転職のメリットは、年収アップや大規模プロジェクトの経験、無理な残業が少ないことや福利厚生の充実などが挙げられます。一方、デメリットとしては、プログラミングの機会が少ないこと、個別評価やスキルアップの難しさが挙げられます。

しかし、社内SE転職ナビのような、SEの転職に特化したプロに無料で相談することで、このようなデメリットを解消し、自分に最適な企業を見つけることができるでしょう。きるでしょう。

社内SEが大手企業に転職するメリット・デメリットを解説

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