近年、AIの発達とデジタル化が進み、企業は昔よりはるかに多くのデータを保有しています。それらを活用して、ビジネス課題を解決するデータサイエンティストは、今後ますます需要が高まる職業です。
今回は、データサイエンティストの仕事内容から年収まで徹底的に解説します。
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データサイエンティストの仕事内容
データサイエンティストの仕事は、膨大なデータから有用なデータを抽出し、分析することです。さらに、クライアントにその結果を共有し、ビジネス戦略を検討することもよくあります。しかし、企業によって、担当する業務の幅はさまざまです。
具体的な業務を見てみましょう。データサイエンティストのおもな業務であるデータ分析には、データの収集・前処理・統計分析・予測モデリング・機械学習などが含まれます。
また、結果をビジネス戦略にどう組み込むかを企画したり、クライアントのコンサルをこなすこともあります。スキルと経験により、担当する業務内容は変わります。
データサイエンティストの平均年収
データサイエンティストの平均年収を、日本と海外で比較しました。
日本のデータサイエンティストの平均年収
大手求人サイトの調査によると、日本のデータサイエンティストの平均年収は約647万円でした。日本の給与所得者の平均年収は458万円ですので、日本の平均年収よりは高いと言えます。
企業またはポジションによって、年収に幅があります。もちろん、平均以上の報酬をもらっている人もいますので、スキルなどを磨けばさらなる年収アップが見込めるでしょう。
海外のデータサイエンティストの平均年収
大手求人サイトの調査によると、海外のデータサイエンティストの平均年収は12万ドルでした。2024年4月時点では12万ドル=約1,857万円ですので、日本と比較すると非常に高額の報酬と言えます。
これほどまで金額の差が開いたのは、現地の物価などの影響と、市場規模の違いが関係しています。
年収1000万のデータサイエンティストはどんな人?
年収1000万円を超えるデータサイエンティストは、データサイエンティストとして経験を積み、より高度な専門スキルと実績に基づいた経験を持つ人物がほとんどです。
複雑なデータセットを扱えたり、高度な機械学習アルゴリズムを用いたりと、単純にスキルが高い点があげられます。そのような人材は、大規模なプロジェクトを任されるなど、責任も大きい仕事を任されることが多いでしょう。
データサイエンティストとして成功するには、技術的なスキルに留まらず、マネジメントスキル・リーダーとしてのスキルが求められます。
データサイエンティストの年収が高い理由と将来性
データサイエンティストの年収が高い理由に、需要が高い点があげられます。現代では現場から多くのデータを取得できます。そのため企業は、それらのデータをもとにビジネスの課題を解決したいと考えています。
しかし、実際のところデータサイエンティストは、ほかのエンジニアの仕事と比較すると歴史が浅くエンジニアの数も相対的に少ないです。
そのような状況で、高いスキルを持っている人材はどの企業も確保したいため、結果的に報酬が高くなっていると言えるでしょう。また、機械学習の技術が進化し続けます。そのため、それらのツールを活用してデータを読み解けるデータサイエンティストは、将来的にも安定した高収入を見込めます。
データサイエンティストの年収が変動する理由
データサイエンティストの年収が変動するおもな理由は、そのスキルセット・経験年数・勤務する業界と企業の規模、そして地域によります。
とくに高度なスキルを保有し、最新の機械学習技術へ精通しているような人物であれば、より高い報酬を得ることができるでしょう。また、大規模なプロジェクトの管理経験・業界知識がかなり深いデータサイエンティストは、重宝され年収も高い傾向にあります。
また、ヘルスケアなどデータ分析の影響が大きい業界では、より高い年収が期待できるでしょう。地域によっても給与基準が異なるため、同じ仕事でも勤務地によって年収が大きく変わることがあります。
スキル・実務経験の違い
スキルと実務経験の違いはご存知の方も多いと思いますが、スキルはデータ解析の技術などを指します。実務経験は実際に企業に入社して、特定の企業のデータを分析した経験などを指します。
スキルと実務経験はどちらも非常に重要なもので、データサイエンティストとして高い年収を得たいのであれば、スキルだけなく経験年数も必要です。
また、スキルに関してもその企業が求める技術のレベルが高いかが重要です。転職を検討する場合には、自分の持つスキルと転職先のスキルにズレがないことを確認しましょう。
業界や企業規模の違い
データサイエンティストの年収は、スキル・経験年数の差に加え、業界の規模なども影響する可能性があります。
たとえば、金融・製薬・テクノロジーといったデータ駆動型の意思決定が極めて重要な業界では、データサイエンティストがデータを分析することが一般的です。
金融・製薬という業界は、規模も大きいため、膨大なデータを正確に処理できるスキルの高い人材を求めています。上記の理由もあり、年収も高めに設定されています。
一方で、スタートアップまたは中小企業では、データサイエンスの領域に避ける予算の兼ね合いもあり相対的に低い年収かもしれません。しかし、スタートアップの企業、中小企業の仕事の条件が悪いとは一概には言えません。
なぜなら、転職時に自社株を提供してもらえたり、キャリアアップの機会を提供してもらえたりすることもあるためです。大企業では安定した高収入とキャリアの安定性を求めることができますが、それのみが企業を選ぶ要因ではないでしょう。
学歴や資格の有無の違い
データサイエンティストの年収には、学歴と保有資格も関係します。データサイエンスに関する研究を行った実績がある人、関連分野において修士号または博士号を持つ人は、高い評価を受けられるでしょう。
実務経験がない場合、学生時代にデータサイエンス関連の勉強をした人と資格保有者はとくに転職時に有利に働くでしょう。
働くエリアの違い
データサイエンティストの年収には働く地域による違いも現れます。とくに都市部では物価が高いため、報酬も高くなる傾向にあります。
一方、地方都市などでは生活費が比較的低いため、企業はそれに応じて低めの給与を設定することが一般的です。自分の居住地と、ほかのエリアの求人を比較すると、その違いがわかるでしょう。
データサイエンティストとして年収を上げる方法
データサイエンティストとして年収をあげる方法は、おもに以下のとおりです。
- スキル・経験を積む
- 資格を取得する
- 社内での昇格をねらう
- 外資系企業に転職する
- 大手企業に転職する
- 独立してフリーランスになる
- 資格を取得する
スキル・経験を積む
データサイエンティストとして年収を高めるには、まず専門スキルを磨くことです。データ分析・機械学習・統計学・プログラミング言語の幅広い知識が求められます。
基本的にはどのスキルも必要なため、選り好みせず、基本的な内容は把握しましょう。
現在では書籍やオンラインの講座も充実しているため、初心者向けのもので基礎を習得し、段階的に専門的な内容を習得しましょう。
資格を取得する
データサイエンティストとして年収を向上させるためには、資格を取得することもおすすめです。資格は専門知識があることを誰に対しても証明できるため、転職時にも技術の習熟度を示すことができます。
データサイエンティストに関する資格には、Python 3 エンジニア認定基礎試験やデータサイエンティスト検定、統計検定などがあります。それぞれの資格については後述で解説しますが、どの資格も勉強して損はない資格試験です。
最終的に資格を取得しなくても、資格取得用の書籍などで学習すれば体系的な知識が身につきます。また、データサイエンスの分野では、新しい技術や方法論が絶えず更新されています。最新の知識を更新し続けるためにも、資格の勉強は欠かせません。
社内での昇格をねらう
データサイエンティストとして年収を上げるのであれば、社内での昇格を目指すのが最も現実的かもしれません。
昇格を目指す場合、単に技術的なスキルを向上させるだけでなく、なんらかの実績を残すことが重要です。
また、他部署との良好な関係を築き、横断的にプロジェクトに関わると「この人ならなんでも知っている」というように自分のスキルを周囲に認めてもらいやすくなります。組織内での影響力を拡大させると、昇格の機会も増えるでしょう。
外資系企業に転職する
外資系企業への転職も、年収をあげるには有効な手段です。外資系企業は日本よりも大規模な企業が数多く存在します。競争力が高い企業も多く、高い報酬を設定しています。
また、外資系企業では、グローバルなプロジェクトに関わる機会が多いです。そのため、まだ日本では一般的ではない最新の技術や、手法を用いる可能性もあります。
これにより、専門スキルをさらに磨くことが可能です。とくに英語などの語学力を持っている人は、外資系の企業との親和性も高いため、転職後に活躍できる可能性も高いです。転職の難易度は決して低くありませんが、年収アップを目指すのであれば挑戦してみるのも良いでしょう。
大手企業に転職する
データサイエンティストとして年収を増やすために、大手企業への転職も有効な戦略です。大手企業は安定した経営基盤を持ち、技術投資にも積極的です。そのため、データサイエンティストに対しても高額の報酬を提供することができます。
また、大規模なデータセットと新しい技術環境を利用できるため、スキルの向上を目指したい人にとってもおすすめの選択肢と言えます。
大手企業に転職する際は、その企業のビジネスモデルと業界内での位置付けを振り返り、どのように自身のスキルが貢献できるかを明確に示しましょう。
プロジェクト管理のスキル・チームリーダーシップなど、技術的なスキルだけでなく、業界に関する知識も求められることが多いです。転職を目指す場合は、しっかりと面接対策を行いましょう。
独立してフリーランスになる
データサイエンティストとして独立しフリーランスで働くこともおすすめです。フリーランスとして成功するには、高い専門性と自己管理が求められますが、メリットも数多くあります。
フリーランスになると、プロジェクト単位で契約を交わすことも多く、さまざまな業界のプロジェクトに参加することができます。また、自分で仕事を選べるため、強みを活かした仕事を選ぶことができるのも大きなメリットです。
資格を取得する
データサイエンティストとして年収を向上させるのであれば、資格を取得することもおすすめです。これらの資格は、専門知識と技術の習熟度を証明し、職業市場でも競争力を高めることができます。
たとえば、Python 3 エンジニア認定基礎試験・データサイエンティスト検定・統計検定などがあります。これらの資格は技術的なスキルだけでなく、プロジェクト管理またはデータ解析の専門知識を証明するのに役立つでしょう。
データサイエンティストになる前に資格取得に向けて勉強することも良いですが、スキルアップとしての資格取得も検討してみてはいかがでしょうか。
データサイエンティストの年収を上げるために必要なスキル
データサイエンティストの年収をあげるために、必要なスキルを3つ紹介します。
- データ分析・統計などの知識
- プログラミングスキル
- ビジネススキル
データ分析・統計などの知識
データサイエンティストにとって、データ分析と統計の知識は極めて重要です。これらのスキルを身につけることで、生のデータから有益な情報を引き出し、ビジネスの意思決定に活用できます。
データ分析にはデータの収集と整理、解析などが含まれ、これにはさまざまな統計的手法やモデルが使用されます。たとえば、回帰分析・クラスタリング・主成分分析など専門的な知識が必須です。
転職を目指すのであれば、それらの手法をまずは学ぶことが必要でしょう。
プログラミングスキル
データサイエンティストのキャリアにおいてプログラミングスキルは必須です。なぜなら、データを収集して解析する工程は、Pythonなどのプログラミング言語が利用されるためです。
とくにPythonとRはデータサイエンス分野で広く使われています。Pythonなどはデータ分析に必要なライブラリが揃っており、データ操作を効率的に行えます。
Pythonはその汎用性と読みやすい構文で、データ分析・機械学習・ディープラーニングなどで利用されます。一方、Rは統計分析に特化しており、複雑な統計モデルを構築する際に利用されることが多いです。
ビジネススキル
データサイエンティストとして高い年収を目指すには、技術的なスキルだけでなく、ビジネススキルの習得も非常に重要です。ビジネススキルには問題を迅速に解決するスキル・戦略的思考・プロジェクト管理・コミュニケーションスキルなどがあります。
ビジネススキルが必要な理由は、データサイエンティストは単にデータを分析するだけでなく、その結果にもとづき企画まで提案する場合が多いためです。
提案先のクライアントが技術的な内容はわからないことも頻繁にあります。専門的な内容も
わかりやすく伝えるスキルも求められるでしょう。
データサイエンティストが取得すべき資格
データサイエンティストとして資格取得を検討しているのであれば以下の資格を検討してみましょう。
- Python 3 エンジニア認定基礎試験
- データサイエンティスト検定 リテラシーレベル
- OSS-DB技術者認定試験
- 統計検定
Python 3 エンジニア認定基礎試験
Pythonはデータサイエンスで広く使用されるプログラミング言語です。この試験は、Pythonプログラミングの文法をはじめとして基本的な知識を理解していることを証明します。技術者として一定のスキルがあることを証明できるため、転職などでも役に立つでしょう。
データサイエンティスト検定 リテラシーレベル
この検定は、データサイエンスの基本的な知識と技能を有しているかを評価する資格です。
この資格を取得すると、データサイエンティストとしての基礎力を保有しているとアピールできます。
この資格は4つのスキルレベルに分割されているため、初学者の場合、難易度の低い試験から順に受けることをおすすめします。
OSS-DB技術者認定試験
OSS-DB技術者認定試験はPostgreSQLというデータベースの技術力が問われる資格試験です。
データベースはデータサイエンスの基盤となる技術の1つです。この試験では、PostgreSQLはオープンソースのデータベースのため、個人で無料で使用できます。低コストでデータベースに関する知識を習得したい場合は、この資格の学習をしてみると良いでしょう。
統計検定
統計検定は日本統計学会公式認定の資格試験です。この資格は1級から4級に細分化されています。受験資格もとくに設けられていませんので、データサイエンスの業務に携わったことがない人でも受験可能です。
データサイエンスでは統計学が中心的な役割を果たします。統計検定は、データ分析に欠かせない知識を体系的に習得できます。データサイエンティストとしての専門性を高めたい人は、統計検定の資格取得もおすすめです。
参考:統計検定
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まとめ
データサイエンティストは平均年収も高く、魅力的な仕事です。さまざまなスキルが求められる仕事ではありますが、努力した分だけ年収アップを見込める職業でもあります。
自分の技術スキルを磨き、企業分析を念入りに行うことで自分にあった企業に転職できるでしょう。未経験で、どの企業に転職すべきかわからない場合は、転職エージェントなどを利用するのもおすすめです。
この記事を書いた人:前嶋 翠(まえじま みどり)
・プロフィール
COBOLが終わろうとする時代にプログラマのキャリアをスタートし、主にJavaエンジニアとして経験を積みました。フリーランスエンジニアとして活動していたとき、リーマンショックが起こったことをきっかけに家庭に入りました。出産を経て在宅でできる仕事として、ライターに。ITエンジニア経験のあるライターとして、IT業界のあれこれを皆さまにわかりやすくお伝えしていきます。