転職エージェントを利用しているときに、こんな気持ちになったことはありませんか?
- 別ルートで内定が決まったけれど、なんとなく言いづらい
- 面談や面接の予定が入っているけれど、方向性が変わってしまった
- サポートには感謝しているけれど、もう利用を続けないと決めた
多くの人が、転職エージェントを途中で断る場面に直面します。しかし「申し訳ない」「迷惑をかけてしまうのでは」と感じ、つい連絡を後回しにしてしまうことも少なくありません。
結論から言えば、転職エージェントは途中で断っても大丈夫です。むしろ早めに連絡をすることで、エージェントや企業にも余計な手間をかけず、良い関係を保ったまま転職活動を終えられます。
この記事では、転職エージェントに失礼なく断る方法を、状況別のポイントとメール・電話の例文つきで解説します。途中でサービスをやめても問題ない理由や、連絡を遅らせるリスクについても紹介します。

なぜ断るのが気まずく感じるのか
転職エージェントを途中で断るとき、多くの人が抱くのは「申し訳ない」という感情です。
サポートを受けている間に、求人提案や書類添削、面接日程の調整など、目に見えない労力を費やしてもらっていることを知っているからこそ、連絡しづらくなるのです。
また、日本のビジネス文化では「途中でやめる=迷惑をかける」という意識が根強くあります。そのため、たとえ正当な理由があっても、自分が悪いことをしているように感じ、断りの連絡を先延ばしにしてしまいがちです。
しかし、この「気まずさ」は行動を遅らせ、結果的に自分と相手の双方にとってマイナスを招くことになります。
転職エージェントは途中で断ってもOK
転職エージェントは求職者の希望や状況の変化を前提に活動しています。「別の企業に決まった」「家庭の事情で転職時期を延期」「現職に残る」などの理由で、サービスを途中で断ることは全く珍しくありません。
こうした理由で、エージェントを途中で断る人は少なくありません。むしろ、転職エージェント側もそういった変化を前提にサポートしています。
早めに連絡をすることで得られるメリットは大きく、例えば次のようなものがあります。
- エージェントや企業が余計な調整や手配をせずに済む
- あなたの最新の希望や状況が記録され、将来の転職時にゼロから説明する手間が省ける
- 「誠実に対応してくれる人」という印象を残せる
逆に、連絡をしないまま時間が経つと、企業側の面接調整が無駄になったり、エージェントとの信頼関係が損なわれたりして、将来的に同じサービスを利用しづらくなる可能性があります。
断るときに気をつけたい3つのポイント
転職エージェントを途中で断ること自体は問題ありませんが、伝え方やタイミングを間違えると、思わぬトラブルや誤解を招くことがあります。
特に、連絡が遅れたり、理由が曖昧だったりすると、企業やエージェントに無駄な労力をかけさせてしまうことも。ここでは、円滑にやり取りを終えるために押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
できるだけ早く伝える
「今週中に伝えればいいか」と思って後回しにすると、その間にエージェントは求人探しや企業調整を進めてしまいます。結果的に、不要な労力をかけさせることになり、関係もぎくしゃくしがちです。
気持ちが固まった時点で即連絡が基本です。電話・メールどちらでも構いません。
感謝を伝える
連絡を入れる際には、これまでのサポートへの感謝を一言添えることも重要です。エージェントは求人の提案だけでなく、条件のすり合わせや企業への推薦文作成、面接日程の調整など、表に見えない作業にも多くの時間と労力を割いています。「せっかく探してくれたのに申し訳ない」という気持ちは、遠慮せずに言葉にして伝えましょう。
それだけでやり取りの印象が和らぎますし、今後また転職活動をする際にもスムーズに関係を再開できます。「せっかく探してくれたのに申し訳ない」という気持ちは、素直に言葉にすると角が立ちません。
理由は簡潔でいい
理由については、「別の企業に決まった」「現職に残ることにした」など事実を簡潔に伝えれば十分です。細かい経緯や比較理由まで説明すると、不要な質問や説得が入ることがあり、やり取りが長引いてしまいます。
相手に必要以上の情報を与えず、シンプルに結論を伝えることが、お互いにとってスムーズな対応につながります。
連絡を遅らせたときに起こりがちなトラブル例
連絡を後回しにすると、エージェントや企業は「進行中」と認識し続けます。その間に次のような事態が起こりえます。
・面接日程が調整され、企業側の採用担当者のスケジュールを無駄にしてしまう
・エージェントが不要な求人提案や書類作成を進めてしまう
・結果として「音信不通」という悪印象が残り、今後の利用がしづらくなる
こうしたトラブルは、ほんの一言の連絡で防げます。気持ちが固まった時点で、即座に意思を伝えることが最善策です。
早めに断ることで得られる3つのメリット
早めに断ることは、相手への思いやりだけでなく、自分にとってもプラスになります。
第一に、余計なやり取りが減り、転職活動に集中できます。
第二に、エージェント側が条件や方向性を記録してくれるため、次回利用時にスムーズにサポートを再開できます。
第三に、「誠実な対応をしてくれる人」という印象が残り、将来的に有利に働くことがあります。
転職活動は短期で終わるとは限りません。数年後にまた同じエージェントを使う可能性を考えれば、良好な関係を保つことは大きな財産になります。
【ケース別】転職エージェントへの断り方例文集
状況によって、断るときの言い回しや伝え方は少しずつ変わります。面談前なのか、求人紹介後なのか、すでに面接が決まっているのかによって、必要な情報量や表現の柔らかさも違ってきます。
ここでは、メールと電話の両方で使える例文を、ケースごとに紹介します。どれも短く簡潔で、相手の負担を減らしつつ、感謝の気持ちを伝えられる内容になっています。
面談をキャンセルしたい場合
株式会社〇〇エージェント
キャリアアドバイザー 〇〇様
お世話になっております。〇月〇日に面談予定の〇〇です。
この度、他ルートで転職先が決まりましたため、
面談をキャンセルさせていただきたくご連絡いたしました。
お時間をいただいたにもかかわらず申し訳ございません。
またご縁がありました際は、よろしくお願い申し上げます。
面談前なら理由は一言でOKです。日程調整の手間をかけさせないよう、早めに連絡しましょう。
紹介された求人を辞退したい場合
エージェントによっては、システム上で「応募しない」「辞退」などのボタンを押せば対応が完了し、わざわざ個別連絡をしなくてもよい場合があります。特に大手エージェントのオンライン管理画面では、求人提案の承認・却下がシステム上で完結することが多いです。
一方で、担当アドバイザーが個別に選定・提案してくれた求人の場合や、すでに書類選考に進む前提で調整が始まっている場合は、簡単でもよいので理由と感謝を添えて連絡しましょう。その方が、次の提案が希望に近づきやすくなります。
お世話になっております。〇〇です。
ご紹介いただいた株式会社〇〇の求人についてですが、
業務内容は魅力的でしたが、よりマネジメント経験を積める環境を探したいと考えております。
もし同じ業界でマネジメント経験が積める求人がありましたら、ぜひご提案いただけますと幸いです。
せっかくご提案いただきながら申し訳ございません。
引き続きよろしくお願いいたします。
面接をキャンセルしたい場合
お世話になっております。〇月〇日に株式会社〇〇の面接予定の〇〇です。
面接前に別ルートで内定をいただき、入社を決意いたしましたため、
面接をキャンセルさせていただきたくご連絡いたしました。
この度は貴重な機会をいただきながら申し訳ございません。
ご担当者様にもお詫びをお伝えいただけますと幸いです。
すでに面接の日程調整が進んでいる場合には、特に直前の連絡とならないよう注意しましょう。急ぎの場合は電話連絡をおすすめします。
内定を辞退したい場合
お世話になっております。〇〇です。
株式会社〇〇様から内定をいただき、大変ありがたく思っておりますが、
現職に残る決断をいたしました。
ご尽力いただいたにもかかわらず、このような結果となり申し訳ございません。
また機会がありましたらぜひよろしくお願いいたします。
内定辞退は、転職活動の中でも特に重みのある判断です。企業やエージェントは採用に向けて多くの時間と労力をかけてきているため、伝え方にはより慎重さが求められます。
結論ははっきりと伝えつつも、「魅力を感じていた」「検討した結果」といった前向きな言葉を添えることで、感情的な衝突を避けやすくなります。たとえば、「最後まで悩みましたが、現職を続けることに決めました」といった一文を入れるだけでも、受け取る印象はやわらぎます。
なお、辞退理由が「年収が希望に届かない」「勤務条件が合わない」といった交渉可能な内容であれば、すぐに辞退を伝える前に、まずは担当エージェントに相談してみましょう。条件改善の交渉がうまくいけば、そのまま入社に進めるケースもあります。
断り方は電話?メール?
断りの連絡は、電話でもメールでも構いません。ただし、それぞれにメリットと注意点があります。
電話はその場で相手の反応がわかるため、誤解が生じにくく、短時間でやり取りが終わります。反面、言いづらい内容を口頭で伝える心理的ハードルがあるでしょう。メールは自分の言葉を整理してから送れるため、感情的にならず冷静に伝えられます。ただし、相手がすぐに読まない可能性があるため、急ぎのケースでは不向きです。
状況や自分の話しやすさに合わせて手段を選びましょう。
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単に求人を提案するだけでなく、面接日程の調整や企業とのやり取りも代行。条件面で迷いがある場合には、入社後の働きやすさを見据えた交渉も行います。転職の方向性が変わった場合や、活動を一時中断したい場合も、相談ベースで柔軟に対応。無理のないペースで、納得できる転職を目指せます。迷ったときこそ、経験豊富なアドバイザーにご相談ください。
まとめ
転職エージェントを途中で断ることや、紹介された求人・面接を辞退することは珍しいことではありません。大切なのは、その伝え方やタイミングです。早めに理由を添えて連絡することで、余計な行き違いや手間を防げますし、自分自身もスッキリと次の行動に移れます。
無理に長い説明をする必要はありませんが、「今回は辞退します」「別の方向で検討しています」など、簡潔でも意思をはっきり示すことがポイントです。音信不通や曖昧な返答は避け、誠実な対応を心がけましょう。
転職活動は、出会いと別れの繰り返しです。断る場面もまた、その後のキャリアに影響するひとつの節目。納得のいく選択をしつつ、関わってくれた人との関係も大切にして進めていきましょう。



