企業の成長において、優秀なITエンジニアの存在は欠かせません。しかし、IT人材の不足が深刻化する中で、限られた面接時間で応募者のスキルや人となりを見極めるのは容易ではありません。
本記事では、ITエンジニアの採用面接で確認すべき評価ポイントと、具体的な質問例をご紹介します。自社にフィットする価値ある人材を見つけるためのヒントを、ぜひ採用活動にお役立てください。

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ITエンジニアの採用面接で確認すべきポイントと質問例
ITエンジニア採用においては、事前に「どんな人材を求めているのか」を明確にすることが重要です。以下の5つのポイントを軸に、面接で確認すべき視点を整理しておきましょう。
- ITスキル(ハードスキル)
- 問題解決能力
- コミュニケーションスキル
- 協調性
- カルチャーフィット
各ポイントについて詳しく解説するので、自社の採用面接で優秀な人材を見抜く際の参考にしてください。
ITスキル(ハードスキル)
ITエンジニアを採用する際、まず確認すべきは実務に必要なITスキル(ハードスキル)です。技術的な知識はもちろん、実際のプロジェクトでどのようにスキルを活用し成果を上げてきたかという点も確認しましょう。
面接では、応募者が習熟しているプログラミング言語、フレームワーク、ツールについて、具体的なプロジェクト経験を深掘りします。単なる知識の有無だけでなく、応用力や問題解決能力も評価できるからです。
現代のITエンジニアは、与えられたタスクをこなすだけでなく、自ら課題を発見し最適な技術を用いて解決できる能力が求められます。過去のプロジェクトでの成功・失敗談を通じて、応募者の技術的なバックグラウンドと実務能力を総合的に判断しましょう。具体的には、以下のような質問が効果的です。
【質問例】
Q.これまでで最も技術的に困難だったプロジェクトは何ですか?
→ どのような課題に直面し、どう乗り越えたかを具体的に掘り下げる
Q.〇〇(特定の技術)を使ったプロジェクト経験について教えてください
→ 技術選定の理由や他技術との比較も確認できる
Q.プロジェクトの中で設計・実装のどの部分に特にこだわりましたか?
→ 技術に対する姿勢や改善意識、設計力を評価する
Q.一番自信のある技術は何ですか?それを活かした経験を教えてください
得意領域や自己評価の根拠が見える
Q.普段どのように技術トレンドをキャッチアップしていますか?
→ 学習意欲や技術への関心度を確認できる
Q.直近で習得した新しい技術はありますか?どのように業務に活かしましたか?
→ 変化に対する柔軟性や自己成長力がわかる
Q.チーム内で技術的な壁にぶつかったとき、どう対処しましたか?
→ コミュニケーション力と技術的問題解決力の両方を測れる
問題解決能力
問題解決能力もITエンジニアには不可欠です。ITの現場では、予期せぬ問題や制約が常に発生するため、論理的思考力と柔軟な発想で解決に導ける人材が求められます。
面接では、応募者がどのような問題に直面し、それをどのように乗り越えたのか、課題の発見から解決までのプロセスを具体的に質問することで、思考力や対応力、改善力を評価します。「ただ解決した」ではなく、「なぜそれを選んだのか」「どうやって最適解を導き出したのか」を深掘りすることで、再現性のある問題解決力を見抜くことができます。
【質問例】
Q.過去に発生したシステム障害やトラブルについて、どのように対応しましたか?
→ 原因の特定、チームとの連携、再発防止策までを確認
Q.技術的な制約がある中で、どのように要件を実現しましたか?
→ 発想の柔軟性や代替案の検討力が見える
Q.プロジェクト中に直面した課題の中で、特に工夫が必要だった場面は?
→ 自ら改善に動ける人材かを判断できる
Q.失敗やミスを経験したことはありますか?その際にどう対応しましたか?
→ リカバリー力や責任感、学びの姿勢を確認
Q.普段、問題に直面したときはどのようにアプローチしていますか?
→ 日常的な課題解決の思考プロセスを掘り下げる
コミュニケーションスキル
ITエンジニアというと、黙々とPCに向かう姿を想像するかもしれませんが、現代のチーム開発においてコミュニケーションスキルは重要です。円滑なコミュニケーションは全体の生産性を高めるため、プロジェクトの成功に不可欠だからです。
面接では、技術的な内容を非エンジニアにもわかりやすく伝える力や、相手の立場に立って対応できるかといった視点でコミュニケーションスキルを確認しましょう。実際のやり取りのエピソードから、状況に応じた説明の工夫や、他者とのやりとりのスタンスが見えてきます。
また、コードレビューなどで意見が対立した場合の対応についても質問すれば、建設的な議論ができるか相手の意見を尊重しながら自分の意見を伝えられるかといったコミュニケーション力を評価できます。
【質問例】
Q.技術に詳しくない人に説明を求められたとき、どのように伝えていますか?
→ 専門用語を避けたり、たとえ話を使うなど、相手に合わせた説明ができるかを確認。非エンジニアと関わる職場での柔軟性や伝える力が見える。
Q.チームメンバーや他部署とすれ違いがあったとき、どうやって解決しましたか?
→ トラブル時に感情的にならず、冷静に事実ベースでコミュニケーションがとれるかを評価。調整力や問題解決のスタンスも見える。
Q.コードレビューで自分の提案が否定されたとき、どう対応しましたか?
→ 技術的な意見の違いに対して、建設的に対応できるかどうかを確認。受け止め方や議論の進め方に人柄が出る。
Q.メンバーがミスをしたとき、どんな伝え方を意識していますか?
→ 指導する立場でのコミュニケーション力や、相手のモチベーションを下げない伝え方ができるかどうかを見る。
Q.チームで働くうえで、あなたが特に意識しているコミュニケーションの工夫は何ですか?
→ 自分の行動を客観的に捉え、継続的に改善しようとしているか、またチーム貢献の意識があるかを評価。
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協調性
現代のチーム開発を円滑に進めるには協調性は不可欠です。個人のスキルが高くても、チームワークを乱すような人材は、全体のパフォーマンスを低下させてしまうからです。
採用面接にて過去のチーム開発経験について詳しく質問し、どのような役割を果たしたのか、どのようにチームに貢献したのかを具体的に尋ねます。「チームを成功に導くためにどんな工夫をしていましたか?」といった問いは、協調性や他者との信頼関係の築き方を把握するうえで有効です。
複雑化・大規模化している現代のIT開発では、ひとりですべてをこなすことは不可能です。面接でのやり取りを通じて、他のエンジニアと互いに助け合いながら、目標を達成できる能力を見抜きましょう。
【質問例】
Q.チーム開発で自分が果たした役割を教えてください
→ チーム内でどのような立ち位置だったか、リーダーシップやサポート力の有無を確認。
Q.困っているメンバーがいたとき、どう関わっていましたか?
→ 他のメンバーへの気配りやフォローの姿勢があるかどうかを見るための質問。
Q.チームで意見が分かれたとき、どのようにまとめましたか?
→ 意見調整の経験や、対立を建設的に解決できるかを判断するため。
Q.自分とスタイルが異なるメンバーと一緒に働いた経験はありますか?どう乗り越えましたか?
→ 多様な価値観に対応できる柔軟性があるか、具体的な対応力を確認。
Q.チームとして成果を出すために、あなたが意識していたことは何ですか?
→ チーム全体を見渡した視点で行動できるかどうかを判断する。
カルチャーフィット
ITエンジニアの採用において、スキルや経験と同じくらい重要なのが「カルチャーフィット」、つまり企業の文化や価値観に合うかどうかです。スキルや経験が豊富でも、企業の文化に合わない人材は早期に離職してしまう可能性があるからです。
応募者がどのような職場環境で働きやすいと感じるのか、過去の職場でどのような時にやりがいを感じたのかを質問します。やりがいを感じた瞬間や、高いパフォーマンスを発揮できた環境などを尋ね、応募者の価値観やキャリアプランが、自社の文化と合致するかどうかを判断しましょう。
企業文化にフィットすれば、仕事に対するモチベーションを高く維持し、長期的に活躍してくれます。企業文化を理解し共感できる人材を採用して、組織全体の活性化を実現しましょう。
【質問例】
Q.どんな職場環境だと力を発揮しやすいですか?
→ 応募者の理想とする働き方と、自社の文化・体制が合うかどうかを確認。
Q.あなたがやりがいを感じた仕事はどんなものでしたか?
→ モチベーションの源泉や、やる気を引き出す要素を把握するための質問。
Q.どんなチームや上司と働きやすいと感じますか?
→ 対人関係のスタイルが自社の文化と合致するかを確認。
Q.これまでに「合わない」と感じた職場はどんな環境でしたか?
→ 応募者にとってのミスマッチの要因を事前に把握し、定着リスクを減らす。
Q.将来的にどんな働き方をしたいと考えていますか?
→ キャリア観や価値観が長期的に自社とマッチするかを判断する。
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ITエンジニアの採用面接では自社の魅力も伝える
I採用面接では応募者のスキルや経験を見極めるだけでなく、自社の魅力も積極的に伝えましょう。優秀なITエンジニアはほかにも選択肢を持っているため、自社を選んでもらうために魅力的な職場である点をアピールしなければなりません。
自社の開発環境やチーム文化、キャリアパス、働きやすさなどについて、具体的な事例を交えながら説明します。研修制度や企業文化、福利厚生などの情報も入社後のイメージを具体的に持ってもらうために重要です。
ITエンジニアは単に技術的なスキルを活用できるだけでなく、成長できる環境や働きがいのある環境、自身のキャリアプランを実現できる環境を求めています。自社の魅力を効果的に伝えれば、長期的に活躍できる人材を獲得できるでしょう。
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まとめ
本記事では、ITエンジニアの採用面接で優秀な人材を見抜くためのポイントを解説しました。面接では技術スキルを評価するだけでなく、問題解決能力やコミュニケーションスキル、協調性、そしてカルチャーフィットといった多角的な視点が求められます。具体的な質問例を参考にして、応募者の潜在能力や人間性を把握しましょう。
また面接では、自社の魅力や企業文化を積極的に伝え、双方向のコミュニケーションを図りましょう。自社の魅力が伝われば、入社後のミスマッチを防ぎ、長期的な活躍を期待できます。
本記事の内容を参考に、貴社の採用活動を成功に導きましょう。さらに効率的に採用を行いたい場合は、転職支援経験豊富な社内SE転職ナビをご活用ください。
ライター:にのまえはじめ
大手精密部品メーカーで社内SE・PGを経験。その後、国内のSIerに転職し生産管理システムの開発・導入・保守・運用を担当。現在は自らIT企業を立ち上げ、顧客企業のDX化やIT化による業務改善の支援を行っている。並行して企業サイトやWebメディアでライターとしても活動中。趣味は筋トレ・プロレス観戦。
Website:https://writer.yui-road.com/
