社内SEの効果的な勉強方法と学習計画の立て方を解説

社内SEの効果的な勉強方法と学習計画の立て方を解説

キャリアアップしたいと考える社内SEのなかには「社内SEとして、学習計画を立てなければと思っているが、なかなか取り組めない」といった悩みを抱えている人も多いでしょう。

社内SEは、自社システムに特化した業務を行います。例えば一人で情報システムを担う場合は、IT企画や予算管理、システムの運用保守やヘルプデスク業務など、多くの業務に携わるので日々のスキルアップが重要です。

そこで本記事では、社内SEの効果的な勉強方法と、その学習計画の立て方について解説します。社内SEに求められるスキルから詳しくご紹介するので、キャリアアップを目指している方は必見です。

この記事の目次

社内SEのキャリアアップに求められる5つのスキル

社内SEのキャリアアップでは、幅広いIT知識に加えて技術力以外のスキルも求められます。企業によっては、技術力よりもコミュニケーション能力などほかのスキルが重視されることもあります。

ここでは、社内SEとして求められる主なスキルを5つご紹介します。

  • プログラミング言語の習熟
  • フレームワークやライブラリの理解
  • データベース管理と最適化
  • セキュリティ意識
  • 問題解決能力とコミュニケーション

企業やポジションによって求められるスキルが異なりますが、これらのスキルを網羅しておくことで、部署内でのキャリアアップや転職時に大いに役立つでしょう。

プログラミング言語の習熟

引用:最も使っているプログラミング言語 | 日経クロステック

プログラミング言語の習熟は、社内SEのキャリアアップに欠かせません。

日経クロステックによるプログラミング言語利用実態調査2023では、1位がPythonでした。AI開発やデータ分析によく使われるプログラミング言語なので、企業ではPythonを利用している人が最も多いようです。2位はシステム開発の定番言語であるJava、3位はJavaScriptでした。

社内SEは、少なくとも1つ以上のプログラミング言語に深い理解をもつことが求められます。社内で採用されているプログラミング言語の文法や特性を理解し、効率的で読みやすいコードを書けることが重要です。すると、プロジェクトの開発速度が向上し、バグの少ないシステムを構築できます。

フレームワークやライブラリの理解

フレームワークやライブラリを理解することも、社内SEのキャリアアップに重要です。

フレームワークは、アプリケーション開発に必要な機能を提供するツールです。フレームワークを活用することで、システム開発時間の短縮やミスの減少、コードの統一化が可能です。

ライブラリは多くの社内サービスの複雑な処理をまとめるなど、社内SEがシステム開発に集中できる環境をつくるのに役立ちます。また、システムの開発工数を削減できるので、業務効率化の効果もあります。

社内SEは、使用するプログラミング言語に関するフレームワークやライブラリについて理解し、携わるプロジェクトに適したツールを選ぶことが重要です。適切なフレームワークとライブラリを選定し実装することで、ソフトウェアの品質向上にもつながります。

データベース管理と最適化

社内SEのキャリアアップには、データベース管理と最適化のスキルも求められます。

たとえばデータベース管理システムは、データベースの整理や検索、更新や共有を効率化できるソフトウェアであり、データベース管理に欠かせないツールです。データベース管理システムはユーザーの代わりにデータベースを操作するので、手動でデータベース管理するよりも大幅に手間と時間を削減できます。

代表的なツールにはMySQLやPostgreSQLなどがあり、データベース操作を効率化するものやビッグデータの処理に向いているものがあります。それぞれのツールを比較し、自社の課題に合わせて最適なデータベース管理システムを導入しましょう。

自社に合わせたツールを導入することで、社内SEとしての評価も上がり、自身のキャリアアップにもつながります。

セキュリティ意識

引用:2023年度SECURITY ACTION宣言事業者における情報セキュリティ対策の実態調査 – IPA

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)による2023年度 SECURITY ACTION宣言事業者における情報セキュリティ対策の実態調査では、情報セキュリティ対策の問題点は、「情報セキュリティ対策の人員が不足している」が38.6%と最も高くなっています。次に「情報セキュリティ対策の知識をもった従業員がいない」が33.3%、「従業員の情報セキュリティに対する意識が低い」が31.9%という結果でした。

裏を返せば、企業はセキュリティの基本原則を理解し、データ保護やプライバシーの確保など、システム全体の安全性を考慮できる人材を求めているということになります。セキュリティに関する知識を体系的に習得することで、企業から求められる人材となれるでしょう。

問題解決能力とコミュニケーション

複雑な問題に対して論理的にアプローチできる問題解決能力は、プロジェクトの管理進行に不可欠です。また、社内SEはほかのメンバーとともにプロジェクトを進めることが多いため、コミュニケーションスキルはチーム全体のパフォーマンスを向上させるために重要です。

社内SEにおすすめの勉強方法

ここでは、社内SEにおすすめの勉強方法をご紹介します。

自社システムを内製化している企業であれば、社内SEとして最新技術に触れる機会は多いです。しかし、Slerに業務委託している企業や運用保守を中心にしている企業では、自分から積極的に勉強しなければ社内SEとしてのキャリアアップは難しいでしょう。

ここでは、社内SEにおすすめの勉強方法を3つご紹介します。

  • オンラインコースの活用
  • 資格を取得する
  • 勉強会に参加する

社内SEとしてキャリアアップを目指している方は、ぜひ参考にしてください。

オンラインコースの活用

社内SEにおすすめの勉強方法1つ目は、オンラインコースの活用です。オンラインコースは自分のペースで勉強でき、仕事の合間にも取り組めるので効率的にスキルアップできます。

まず、社内SEとしてのキャリア目標や興味のある分野に合わせたオンラインコースを選ぶことが重要です。たとえば、社内SEに求められるセキュリティスキルやプログラミング言語など、キャリアアップに直結するスキルを中心に選択しましょう。

信頼できるオンラインコースを選ぶためには、実際の利用者の口コミ評価やレビューを参考にしましょう。また、効果的に勉強するためにはスケジュールを立てることも大切です。現在の仕事に合わせた無理のない目標を設定し、定期的に進捗確認することで勉強のモチベーションを維持しやすくなります。

そして、勉強した内容はなるべくアウトプットしましょう。オンラインコースで学んだ知識や技術を活用して、実際にコードサンプルなどを作成してみると理解が深まります。さらに作成したものに対するフィードバックを受けられると、自身のスキルを客観的に評価でき、よりスキルアップを目指せるでしょう。

資格を取得する

資格を取得することも、社内SEにおすすめの勉強方法です。資格は自身のスキルや業務知識を証明でき、キャリアアップにも大きく貢献します。

具体的に、社内SEにおすすめの資格を3つご紹介します。

  • AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト
  • マイクロソフト認定 AZ-104
  • CompTIA Security+

AWS(アマゾンWebサービス)認定ソリューションアーキテクト – アソシエイトは、AWSのクラウドコンピューティングサービス関連の設計・展開スキルを証明できます。クラウド環境の構築に必要なクラウドインフラストラクチャの設計管理に関心がある社内SEに適しています。

マイクロソフト認定 AZ-104(Azure Administrator Associate)は、Microsoft Azureの管理者としてのスキルを証明できます。クラウドサービスの管理や展開、セキュリティの実施に関する能力が評価されます。プロジェクトでAzureを使う社内SEに適しています。

CompTIA Security+は、IT業界団体CompTIAが認定する情報セキュリティの国際資格です。ネットワークセキュリティやリスク管理、暗号化技術などサイバーセキュリティを網羅した勉強ができます。情報セキュリティ分野の理解を深めたい社内SEに適しています。

これらの資格は、単なる技術力の証明にとどまらず、社内SEとしてのキャリアを広げ、業務の質を向上させるための強力な武器となるでしょう。また、資格の取得という目標ができれば、達成に向けてモチベーションも出てくるのではないでしょうか。

勉強会に参加する

社内SEの勉強方法で最後におすすめなのは、勉強会に参加することです。

社内SEとしてキャリアアップを目指す際、技術スキルの向上や最新の業界トレンドを把握することは重要です。最近では、最新技術を学べる無料の勉強会が多く開催されており、そこで得られる情報は非常に価値があります。

勉強会では、業界の最新技術を学べるだけでなく、ほかの専門家や同僚との情報共有が大切にされているので、さらに新しいアイデアや解決策を得ることもできます。

また、ほかの参加者や講師の情熱やエネルギーに触れることで自身のモチベーションも高まるでしょう。勉強を続けるモチベーションには、こうした刺激も重要な要素です。

このように勉強会を活用することで、社内SEに効果的な勉強計画を立てることにも役立ちます。社内SEとしてスキルアップするために、積極的に学び続ける姿勢がキャリアアップにつながるでしょう。

社内SEの効果的な勉強計画の立て方 

社内SEの効果的な勉強計画は、キャリアアップを目指す方には不可欠です。社内SEとして多くの業務に対応するためには闇雲に勉強するのではなく、明確な目標設定と効率的な時間管理が重要です。

社内SEには日々の業務に追われている方もいるので、効率的に進められる勉強計画を立て、限られた時間で成果を最大化できる勉強方法を取り入れる必要があります。

ここでは、社内SEの効果的な勉強計画の立て方について解説します。具体的な流れは、以下の3ステップです。

  • 明確な目標を設定する
  • タイムマネジメントを意識する
  • 成果を最大化する学習法を知る

これらのポイントを押さえることで、社内SEとして着実にスキルアップできるでしょう。

明確な目標を設定する

社内SEの効果的な勉強計画では、まず明確な目標を設定します。目標設定は漠然とした内容ではなく、具体的で達成可能な目標をもつことが重要です。

たとえば、「ITスキルを向上させる」という一般的な目標ではなく、「AWS認定ソリューションアーキテクトを取得する」という具体的な目標を設定することで、目標達成に向けた具体的な勉強計画を立てることができます。

目標を設定する際は、SMART原則を活用することがおすすめです。SMART原則とは、以下の5つの要素を取り入れた原則です。

  • 目標が具体的(Specific)
  • 測定可能(Measurable)
  • 達成可能(Achievable)
  • 関連性がある(Relevant)
  • 時間内に達成可能(Time-bound)

SMART原則を取り入れることで、現実的で達成しやすい目標を設定できます。

また、長期的な目標と短期的な目標を組み合わせることも効果的です。たとえば、「1年後に特定の技術スキルをマスターする」という長期目標を設定し、それを達成するために「3ヶ月ごとに進捗を確認する」という短期目標を設定することで、段階的に進捗を確認しながら勉強計画を進めることができます。

タイムマネジメントを意識する

タイムマネジメントを意識することも、社内SEに効果的な勉強方法です。毎日忙しい中でキャリアアップを目指すためには、効率的な時間管理と集中力の維持が非常に重要です。

まず、自分の特性に合わせた勉強スケジュールを作成してみましょう。普段の生活リズムや最も集中できる時間帯に勉強時間を設定します。たとえば、朝型の人は早朝に勉強時間を設け、夜型の人は夜に集中して勉強できるように計画します。自分の体質や特性に合わせたスケジュールを組むことで、勉強効率を最大化できます。

また、タイムブロッキング手法を活用することもおすすめです。タイムブロッキング手法とは、勉強時間をあらかじめ決められたブロックに分け、その時間はほかの活動に使わず勉強に集中する方法です。

たとえば、早朝の2時間を資格の勉強に充てて帰宅後にオンラインコースの勉強を進めるなど、具体的な活動を振り分けることで時間を有効に使うことができます。

このようなタイムマネジメントを意識することで、社内SEとして効果的にスキルアップでき、キャリアアップにもつながるでしょう。

成果を最大化する学習法を知る

社内SEの効果的な勉強計画では、成果を最大化する学習法を知ることも大切です。成果を最大化するためには、能動的に勉強するアクティブラーニングの実践とフィードバックの活用が非常に有効です。

アクティブラーニングとは、情報を受け取るのみの受動的な勉強ではなく、自ら積極的に問題解決に取り組む学習法です。たとえば、実際のプロジェクトに参加してみたり、自らシミュレーションを行うことで実践的なスキルを身につけることができます。

そしてフィードバックの取得とその活用が、学習効果をより高めます。自己評価に加えて他者からのフィードバックを定期的に受けることで、自分が勉強したことを客観的に確認しつつ学習を進めることができます。

たとえば、コーチングやメンターからのアドバイスを取り入れることで、自分の勉強方法の問題を明確にし、それを克服するための具体的なアクションプランを学ぶことができます。

このように成果を最大化する学習法を知ることで、社内SEのキャリアアップに効果的な勉強計画を立てられるでしょう。

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社内SEの効果的な勉強ができれば、キャリアアップが次の目標になるでしょう。実際に社内SEとして働いていると、業務の幅広さや求められるスキルに驚くことも多いかもしれません。社内SEは自社システムに携わることが多いので、最新技術や業界トレンドは自分から勉強していくことが大切です。

社内SE転職ナビでは、社内SEに関する知識が豊富なキャリアコンサルタントが、あなたにぴったりの求人を提案してくれます。社内SEとしてキャリアアップを目指している方は「どんな企業が自分に合っているか」「自分にとって成長できる環境はどんな場所か」といった相談をすることも可能です。

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まとめ

本記事では、社内SEの効果的な勉強方法と学習計画の立て方を解説しました。

社内SEには幅広いIT知識やスキルが必要です。業務範囲が広いと自己学習が重要になるので、企業から求められているスキルを中心に勉強しましょう。具体的には、プログラミング言語の習熟やフレームワークの理解、データベース管理やセキュリティ意識などが挙げられます。

オンラインコースの活用や資格の取得、勉強会などを活用して学習を進めていきましょう。社内SEとしてスキルアップできるかどうかは、自身の学習意欲を絶やさないことが重要です。一人で学習を進めるのが難しい場合には、スキルアップ後に転職したい企業をチェックしておく、キャリアコンサルタントに相談する等の方法でモチベーションを高めていきましょう。

ライター:吉武 秀章(よしたけ ひであき)

大学院で機械工学の修士号を取得。在学中に日本材料科学会で受賞。大手機械系グループ会社に入社し、エンジニアとして機械製品の研究開発および不良原因のシステムデータ解析を担当。現在はフリーランスのWebマーケターとして、SEO/SEM施策の立案および実施、AI記事生成システム構築支援に従事し、元エンジニアとしてIT業界の情報をわかりやすくお伝えしています。

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