ネイティブアプリとは、多くの人が日常的に使っている、スマホやタブレットへインストールするタイプのアプリです。
ネイティブアプリがアプリ開発の主流である一方で、Webアプリやハイブリッドアプリなど他の選択肢もあり、どのタイプを選ぶべきか迷うケースも多いでしょう。
この記事では、ネイティブアプリの特徴に加えて、Webアプリやハイブリッドアプリ、さらにPWAとの違いやそれぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。
これからアプリ開発を行う方や、どのスキルを身につけるべきか悩んでいるエンジニアの方は、ぜひ今後の参考にしてみてください。
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ネイティブアプリとは
ネイティブアプリとは、iOSやAndroidなどの特定のプラットフォーム専用に開発されたアプリです。アプリストアからダウンロードしたアプリを、端末へインストールすることで利用でき、スマホやタブレットなどのデバイス上で動作します。
ネイティブアプリの開発では、各プラットフォームの言語を使用します。例えば、iOSならSwiftやObjective-C、AndroidならJavaやKotlinなどがよく使われる言語です。これにより、デバイスの機能を最大限に活用したアプリを開発できる点が、ネイティブアプリの大きな特徴です。
ネイティブアプリはもうオワコン?
ネイティブアプリの登場から10年以上が経過し、新しい技術も登場しているため、ネイティブアプリはオワコンなの?と言われるようになりました。
ただ、そのなかで話題となっているのが「WebView」や「PWA」といった技術です。
WebViewはネイティブアプリでWebコンテンツを表示する際に使用される機能です。多くの企業が採用しており、ネイティブアプリの中にWebアプリを表示させることから「ハイブリッドアプリ」と呼ばれています。
また、Webアプリをネイティブアプリと同じような使い勝手が表現できる技術としてPWA(Progressive Web Apps)も話題になっています。
ただ、それぞれメリットデメリットがあり、その技術を避ける傾向もあるなど一長一短ありますが、このように、ネイティブアプリを取り巻く技術環境はまだまだ動いているため、ネイティブアプリは今後も利用されていくのではないかと考えられます。
ネイティブアプリとWebアプリとの違い
ネイティブアプリとよく比較されるのがWebアプリです。ここではネイティブアプリとWebアプリの違いを、メリットとデメリットを交えて解説します。
Webアプリとは
Webアプリとは、インターネット環境を介して利用するアプリです。例えば、GmailやGoogleドキュメントなどのGoogleサービスや、Slackのようなコミュニケーションツールなどが挙げられます。
スマホやタブレットにインストールするネイティブアプリに対して、Webアプリはダウンロードが不要で、Webブラウザ上で全ての機能が動作する点が大きな違いです。そのためWebアプリは、端末の種類やOSに依存せず、どのデバイスからでも同じサービスを利用できるという特徴があります。
Webアプリのメリット
Webアプリの主なメリットは、以下の2つです。
- ダウンロードが不要
- アプリストアが不要
WebアプリはWebブラウザから直接アクセスできます。これにより、アプリのダウンロードやインストールを必要とせず、ユーザーはすぐにアプリの利用を開始できます。また端末の容量を気にせず、さまざまなデバイスからアクセスが可能です。
アプリストアが不要なため、ストアの制約や手数料を気にする必要がない点もWebアプリのメリットです。これにより直接アプリをアップデートでき、ユーザーがいつでも最新の機能やサービスを利用できます。
Webアプリのデメリット
Webアプリは多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。ここでは、以下の3つの主要なデメリットについて説明します。
- 動作環境に性能が左右される
- セキュリティリスクが高め
- ネイティブアプリほどの機能を実装できない
Webアプリは使用するブラウザやインターネットの速度に依存し、不安定な環境下では性能が低下することがあります。インターネット経由で動作するため、潜在的なセキュリティの脅威が高く、適切な対策が必要な点もデメリットの1つです。
またネイティブアプリと比べて、端末固有の機能に対して操作が制限されるため、高度な機能を実装できない場合があります。あくまでネイティブアプリと比較した場合ですが、端末の性能をフル活用できない点はデメリットといえます。
ネイティブアプリとハイブリッドアプリとの違い
スマホで利用するアプリの種類は、大きく分けるとネイティブアプリとWebアプリの2つですが、他に両者の中間に位置するハイブリッドアプリも存在します。ここではハイブリッドアプリについて詳しく解説します。
ハイブリッドアプリとは
ハイブリッドアプリは、Webアプリとネイティブアプリの特性を組み合わせた、その名の通り「ハイブリッド」なアプリです。
ハイブリッドアプリの仕組みはネイティブアプリとは異なり、Web上のコンテンツをアプリ内に表示する形式を取ります。これにより、Web技術で開発されたページを、アプリ内でそのまま利用できるのが、ハイブリッドアプリの特徴です。
Webアプリとネイティブアプリの組み合わせによって、開発効率とポータビリティを向上させながら、ネイティブアプリに近い操作性や機能を実装できます。
ハイブリッドアプリのメリット
ハイブリッドアプリには、以下のようなメリットがあります。
- マルチプラットフォームに対応
- メンテナンスがしやすい
- アプリストアから配信可能
ハイブリッドアプリは、1つのコードでiOSやAndroidなど複数のプラットフォーム向けのアプリを作成できます。これによって開発工数を削減可能です。
メンテナンスがしやすい点も大きなメリットです。複数プラットフォーム向けのアプリでも、1つのコードを修正するだけで対応できます。また、修正するたびにストアに上げなおす必要がない点も、メンテナンスが容易な理由の1つです。
他にも、アプリストアから配信できるという特徴があります。一般的なアプリ配信の方法を利用できるため、ユーザーに向けてスムーズに配信でき、信頼性も高まります。
ハイブリッドアプリのデメリット
ハイブリッドアプリのデメリットには、以下の2つが挙げられます。
- 動作が遅くなりやすい
- 公式のフレームワークがない
ハイブリッドアプリはWeb技術をベースにしているため、ネイティブアプリに比べて動作が遅くなりやすい傾向があります。特に高いグラフィック性能を必要とするアプリでは顕著です。
また、ハイブリッドアプリ開発にはGoogleやAppleが提供するフレームワークが存在しないため、サードパーティー製のフレームワークやライブラリを利用する必要があります。そのため、選定に苦労したり、開発効率が低下したりする可能性がある点は注意が必要です。
ネイティブアプリのメリット
ネイティブアプリの主なメリットは以下の3つです。それぞれ詳しく解説します。
- 動作が早い
- デバイスの機能を使える
- 収益を得やすい
動作が早い
ネイティブアプリは動作が早いのがメリットの1つです。ネイティブアプリが高速に動作できるのには、いくつかの理由があります。
ネイティブアプリは特定のOSに対応して開発されるため、OSと直接連携することで、Webアプリやハイブリッドアプリよりも素早く処理できます。
さらにネイティブアプリの動作は、多くの処理が端末内で完結するため、通信環境の良し悪しにあまり左右されません。通信による遅延が発生しにくいため、ユーザーは動作が早いと感じやすくなります。
また動作の早さ以外にも、オフラインでアプリの一部または全ての機能を使用できるというメリットもあります。
このように、遅延や通信エラーの影響を受けることなく、ストレスフリーに利用できる点が、ネイティブアプリの強みです。
デバイスの機能を使える
ネイティブアプリは、デバイスの機能を最大限に活用できる点が大きなメリットです。プッシュ通知やGPSの位置情報、カメラ機能、加速度センサーなど、スマホの多岐にわたる特性を利用できます。
デバイスの機能の活用によって、ユーザーにとってより便利でリアルタイムなサービスを提供できるため、UXが向上します。例えば、位置情報を使って近くのレストランを検索したり、カメラ機能を活用して画像認識サービスを提供したりと、様々な応用が可能です。
ネイティブアプリは、デバイス固有の機能を効果的に使いこなすことで、他のアプリの一歩先を行くサービスを創出できます。このため、スマホの特性を最大限活用したい場合には、ネイティブアプリの開発が多く選ばれています。
収益を得やすい
ネイティブアプリの開発は、収益化の観点でもメリットがあります。その理由は、アプリ内課金が簡単に行えることです。ユーザーがすでに信頼しているアプリストア経由での課金のため、迷いなく購買できるようになります。
またネイティブアプリは、スマホやタブレットのホーム画面にアプリアイコンを設置できるため、ユーザーの目に留まりやすく、継続的な利用が期待できます。これにより、長期間にわたる収益につながることも、ネイティブアプリが収益を得やすい理由の1つです。
ネイティブアプリのデメリット
ネイティブアプリにはデメリットもいくつか存在します。ここでは主なデメリットである以下の2つを解説します。
- 開発コストがかかる
- アプリストアの審査が必要
開発コストがかかる
ネイティブアプリの開発は、一般的にコストが高い傾向があります。主な理由は、異なるOSごとに開発が必要な点です。例えば、Android用とiOS用のアプリを同時にリリースする場合、それぞれのプラットフォームに合わせた開発が必要になります。
加えて、アプリストアでの販売には、ストアの利用手数料も必要です。これらの費用があわさることで、全体の開発コストが増加します。
このように、ネイティブアプリの開発は初期投資が大きくなるため、計画的な予算配分と効果的な戦略が重要です。
アプリストアの審査が必要
ネイティブアプリを公開する際には、アプリストアの審査が必要です。審査には厳格なガイドラインがあり、ルールに従って開発しなければならないため、自由度に制限がかかる点がデメリットとなります。
さらに、審査に落ちる可能性もあるため、開発計画の遅延や追加の調整が必要になるケースがある点も考慮が必要です。
PWA(プログレッシヴウェブアプリ)とは
PWA(プログレッシヴウェブアプリ)は、Webサイトをスマホ上でアプリのように動かせる技術です。ネイティブアプリのようにスマホのホーム画面に追加して起動でき、よりアプリらしい動作をします。
また端末の機能の一部を使えるのもPWAの特徴です。例えばプッシュ通知を使えば、ユーザーエンゲージメントを高めることができます。
Webアプリとネイティブアプリの良いところを組み合わせたPWAは、次世代のWeb開発の手法として、多くの企業や開発者から注目されています。
PWA(プログレッシヴウェブアプリ)のメリット
PWAは、Web技術を駆使して様々なメリットを提供します。
まずはマルチプラットフォーム対応が挙げられます。PWAは異なるOSやデバイスに対して、一貫した機能を実装可能です。これにより、開発者は一度の開発で多岐にわたるプラットフォームをカバーできます。
次に、インストールが不要である点も大きな魅力です。アプリストアを経由せず、Webサイトとしてアクセスするだけで利用できるため、多くのユーザーに簡単に使ってもらえます。
読み込みが早いのもPWAの特徴です。キャッシュ技術を活用することで、高速にコンテンツをロードし、快適な操作を実現します。
他にも、オフライン接続が可能な点もポイントです。通信が不安定な場所でも、一度ロードしたコンテンツはオフラインで利用できるため、使い勝手が大きく向上します。
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まとめ
この記事では、ネイティブアプリの特徴や他のアプリとの違いを解説しました。
ネイティブアプリとWebアプリ、ハイブリッドアプリ、PWAは、それぞれが異なる特性を持っています。ネイティブアプリはデバイスの機能を最大限に活用し、高いパフォーマンスを提供しますが、開発コストが高い点に考慮が必要です。
一方のWebアプリは開発が容易で、多岐にわたるデバイスで利用できますが、パフォーマンスが制限される場合があります。ハイブリッドアプリは両者の中間で、PWAはネイティブアプリのようなUXをWebブラウザで提供します。
アプリ開発を計画する際は、プロジェクトの予算やターゲットなどに応じて適切なタイプを選ぶことが重要です。