退職理由の例文と伝え方|現職への説明と面接用の回答10パターン【そのまま使える】

退職理由の例文と伝え方|現職への説明と面接用の回答10パターン【そのまま使える】

退職理由をどう伝えるかは、円満退職にも転職成功にも関わる大切なポイントです。
この記事では、上司や現職への伝え方と、転職活動の面接で使える回答例をそれぞれ10パターン紹介します。
そのまま使える例文付きなので、伝え方に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

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転職者の退職理由って?

まずはこれまで転職した方々がどのような理由で退職したのか、具体的にみていきます。よく聞かれる退職理由は、以下の3つです。

  • 労働環境・条件がよくない
  • 給与水準に満足できない
  • 希望する働き方ができない

労働環境・条件がよくない

働く環境や条件に対する不満は、エンジニアが転職を考える理由の一つです。具体的には、長時間残業が常態化している、システムトラブル対応で深夜・休日の呼び出しが頻発するといった声が挙げられます。

テレワークが可能なはずの業務内容にもかかわらず、出社が強制される、あるいは静かな作業環境が確保できないといった点にストレスを感じる人も少なくありません。エンジニアの場合、スケジュールに余裕がないままリリースや障害対応が重なることで、心身のバランスを崩すケースもあります。

環境を変えない限り改善の見込みがないと感じたとき、転職という選択肢を真剣に考える人が増えているのが実情です。

給与水準に満足できない

給与への不満は、転職を考えるうえで非常に大きな理由の一つです。厚生労働省の「令和5年雇用動向調査」によると、自己都合退職者のうち24.3%が「賃金が低かった」ことを理由に挙げており、労働時間などと並んで上位に入っています。

特にITエンジニアの場合、自分のスキルや担当業務に対して適正な評価がされていないと感じることが少なくありません。例えば、成果を出しても評価基準が不透明だったり、給与テーブルが年功序列型で、長年働いてもほとんど昇給がなかったりといった声が多く聞かれます。

また、同業他社と比較した際に、年収の伸びや待遇面で明らかな差を感じたことが、転職を考えるきっかけになるケースもあります。特に市場価値の高いスキルを持つエンジニアほど、自分の市場価値と現職の待遇にギャップを感じやすい傾向があります。

給与を理由に転職を考えることは決してネガティブなことではありません。ただし、実際の転職活動では、「より成長できる環境にチャレンジしたい」「スキルを活かしてより広い業務に挑戦したい」など、前向きな表現に言い換えることで好印象につながりやすくなります。

希望する働き方ができない

入社後に希望する働き方ができない場合、柔軟な働き方を求めて転職を決断するケースもあります。

とくにリモート勤務やフレックスタイム制度などが整っていない、あるいは入社後に制度が変更になった場合、自身の生活スタイルと合わず不満を感じるケースがあるようです。

実際に、キャリアの選択において「働き方の自由度」を重視する声が高まっています。

引用:新しい時代の働き方に関する研究会 報告書 参考資料98ページ|厚生労働省(令和5年11月13日)

上図は厚生労働省が令和5年11月に実施したリモートワークにまつわるアンケート結果です。同アンケートにおいて「リモートワークをしたい(どちらかといえばしたい)」と回答した人は、約4割となりました。

引用:新しい時代の働き方に関する研究会 報告書 参考資料99ページ|厚生労働省(令和5年11月13日)

年代別に見ると、若くなるにつれてリモートワークを希望する割合は増えており、なかでも30代では45%を超えています。この調査からは若い世代は、働く時間や場所の自由度を求めている人が少なくない、といえるでしょう。働き方に柔軟性がない環境では、生産性の向上も望みにくくなります。こうした背景から、自分に合ったスタイルで働ける職場を求めて転職に踏み切る人が多くなっているのではないでしょうか。

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退職理由は「誰にどう伝えるか」で言い方は変わる

退職理由は「本音をそのまま言えばいい」わけではありません。伝える相手によって、どこまで・どう言うかを調整する必要があります。

たとえば、上司に伝えるときは「引き止め」や「関係性への影響」が頭をよぎるかもしれませんし、面接で話すときは「印象を下げないか」が気になるはずです。

でも大事なのは、本音を隠すことではなく、伝え方を切り替えること。退職理由が同じでも、現職と転職先では伝える目的が違うからです。

上司に伝えるときは「タイミング」と「温度感」が大事

退職を伝えるときにいちばん気をつけたいのは、伝えるタイミングと伝え方の温度感です。

たとえば繁忙期の真っ最中に「辞めます」と切り出すと、どんなに筋の通った理由でもこじれることがあります。
また、いきなり「もう辞めると決めました」ではなく、まずは「少し相談したいことがありまして」とワンクッション置いて話を始めるのもポイント。

理由は、正直に伝えすぎなくて大丈夫です。「もっとこういうキャリアに進みたくなった」「自分の考えとズレが出てきた」など、ざっくりした方向性でOK。角が立たない言い回しと、協力的な姿勢が何より大切です。

いつ?
 繁忙期を避け、引き継ぎの時間を確保できる時期に。できれば退職希望日の1〜2ヶ月前が理想。

どうやって?
 まずは「ご相談したいことがあるのですが」と時間をもらって、対面 or オンラインで直接伝える。

何を?
 退職の意思があること、その背景(簡潔でOK)、希望する退職日。詳細な理由は濁しても構わない。

面接で話すときは「キャリアの流れ」に落とし込む

面接では、退職理由は「不満の吐露」ではなく、「キャリアの選択」に変換して伝えるのが鉄則です。

たとえば「評価に不満があった」なら、「成果が見える環境でもう一段階成長したい」
「やりたい業務に関われなかった」なら、「経験を活かしつつ専門性を深められる場を求めている」など。

ネガティブな理由があっても、その先にどうなりたいかが明確であれば、ポジティブに伝えることができます。
むしろ「転職理由がちゃんとある」と、説得力になることもあります。

いつ?
 面接中盤~終盤、「前職の退職理由を教えてください」と聞かれたタイミングで。

どうやって?
 前職への不満は表現を変え、キャリアの意欲や志望動機とつなげて話す

何を?
 退職の背景(なるべく前向きに)、現職では実現できなかったこと、次の職場で挑戦したいこと

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退職理由の例文10選!【状況別】

ここからは状況別に退職理由の例文を紹介します。それぞれの退職理由で転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

  1. より専門性の高い職に就きたい
  2. キャリアアップしたい
  3. スキルアップしたい
  4. 海外で働きたい
  5. 起業したい
  6. 体調を崩したので療養したい
  7. 親の介護に専念しなければならない
  8. 家業を継ぐことになった
  9. 転居することになった
  10. 出産や育児に専念したい

より専門性の高い職に就きたい

懸命に仕事と向き合ってきたからこそ、専門性を追求したい気持ちで転職に至ることがあるでしょう。

転職理由のなかで「スキルを磨きたい」「高い専門性を追求したい」という前向きな動機は、評価されやすいとされています。。円満に退職するには、ポジティブな姿勢で伝えるとよいでしょう。

【上司・現職への伝え方】
現在の業務では幅広く経験を積ませていただきましたが、今後は特定分野の専門性を深めていきたいと考えるようになりました。より専門的な環境に身を置きたいという想いが強くなり、転職を決意しました。

【転職活動・面接で使える表現】
これまでの経験を活かしつつ、より専門性の高い分野でスキルを深めていきたいと考えています。特定領域に特化した環境で、自らの強みをさらに磨き、長期的に価値を発揮できるエンジニアを目指したいと思っています。

キャリアアップしたい

将来的な目標を明確に描く中で、キャリアアップを目指して転職を選ぶ人は少なくありません。現在の職場で成長の限界を感じ、新たな挑戦を求めるからです。

特に昇進の機会が乏しかったり、業務内容が単調だったりすると、次のステップを意識する傾向にあります。キャリアアップを理由にすれば、前向きな印象を与えることができるため、現職に伝える際も、面接で話す際も、将来的な目標やビジョンをセットで伝えるのがポイントです。

【上司・現職への伝え方】
今の職場では貴重な経験を積ませていただきましたが、次のステップとして、より責任ある立場でマネジメントや企画などにも関わっていきたいと考えるようになりました。キャリアの幅を広げるために、環境を変える決断をいたしました。

【転職活動・面接で使える表現】
これまでの経験を通じて現場力を高めてきましたが、今後はより大きな裁量やマネジメントを伴うポジションに挑戦し、自身のキャリアをさらに前進させたいと考えています。御社であれば、キャリアアップの方向性と一致しており、より広い役割で貢献できると感じました

スキルアップしたい

自身の能力をさらに高めたいと考える人は、スキルアップを目的に転職を選ぶ傾向があります。
スキルアップは自己成長の意欲を示すポジティブな動機ですが、単に「スキルを磨きたい」だけでは説得力に欠けることもあります。

重要なのは、現職ではなぜ実現できないのか、そして転職先ではなぜ実現できるのかを具体的に伝えること。また、「自分のスキルを活かして貢献したい」という視点を加えると、自己中心的な印象を与えにくくなります。

たとえば以下のように「〇〇に関わることで××をしていきたい」といった明確な方向性があると、説得力が高まります。

【上司・現職への伝え方】
現職では社内システムの運用保守を中心に経験を積んできましたが、より幅広い業界やプロジェクトに関わることで、技術や知識を深めていきたいと考えるようになりました。今後のキャリアを見据え、環境を変えてスキルアップを図りたいと思っています。

【転職活動・面接で使える表現】
これまで社内SEとして自社ITの課題解決に取り組んできましたが、今後はより多様な業界のDX推進に関わることで、専門性と視野を広げたいと考えています。転職を通じて技術を高めながら、培ってきた課題解決力を活かして貢献していきたいと考えています。

海外で働きたい

グローバル化が進む今、海外でのキャリアを目指すのは前向きな転職理由として受け入れられやすくなっています。
語学スキルや専門性を活かして、異なる文化や市場で自分を試したいという動機は、強い意欲の表れとも言えます。

ただし「一度海外で働いてみたかったから」といった曖昧な理由ではなく、現職での限界と、海外で挑戦したい内容を具体的に伝えることが重要です。

たとえば「英語を使った業務経験があり、今後は現地で実務に携わりたい」「グローバル展開している企業でマーケット開拓に関わりたい」といったように、希望と背景に一貫性があることが好印象につながります。

【上司・現職への伝え方】
これまでの業務を通じて、語学や異文化コミュニケーションへの関心が高まりました。今後は実際に海外の環境で働く経験を積みたいと考えるようになり、キャリアのステップとして海外での就業を目指す決断に至りました。現職では海外業務に携わる機会が限られているため、新しい環境に挑戦したいと思います。

【転職活動・面接で使える表現】
これまで英語を使った業務や多国籍チームとの連携を経験する中で、実際に現地で働き、よりダイレクトに海外ビジネスに関わりたいという想いが強くなりました。グローバルな環境で自分の専門性を活かし、異なる文化の中でも成果を出せるようなキャリアを築いていきたいと考えています。

起業したい

独立・起業を目指して退職を決意するケースは、近年では珍しくなくなってきました。
これまでの業務で得た知識やスキル、人脈を土台に、自らのビジョンを実現したいという前向きな動機は、受け取る側にも誠実に映ります。

ただし、起業を理由に退職を伝える際は、これまでの感謝をきちんと伝えること、無計画な印象を与えないことが大切です。特に、将来的に元職場と取引が発生する可能性がある場合は、関係性を円満に保つ配慮も必要です。

面接などで説明する場合には、独立を一度経験したが再び企業で力を発揮したいというパターンも含め、起業への想いや背景を誠実に伝えると印象が良くなります。

【上司・現職への伝え方】
これまでの業務を通じて、自分自身のビジョンや事業アイデアが具体的になり、起業という選択肢を現実的に考えるようになりました。大変お世話になった会社やチームには感謝していますが、自ら責任を持って挑戦する道を選びたいと考えています。

【転職活動・面接で使える表現】
将来的に起業を視野に入れて準備を進めてきましたが、その過程で、自分一人で完結するビジネスではなく、チームで社会に大きな価値を生み出すことにより関心を持つようになりました。今後は企業の中で責任ある立場を経験し、視野とスキルをさらに広げていきたいと考え、転職という選択に至っています。

転職活動・面接でこの回答を使う場合、「なぜ企業に戻ろうと思ったのか」「起業はどうなったのか」などの深掘りは高確率でされます。具体的にどんな準備をしていたのか、企業で何を得たいのかを明確に答えられるよう準備しておきましょう。

体調を崩したので療養したい

健康上の理由で退職を選ぶことは、決して珍しいことではありません。実際に体調を崩し、業務の継続が難しくなった場合は、無理をするよりも療養を優先し、誠実に退職の意思を伝えることが大切です。

特に長期的な治療や定期的な通院が必要なケースでは、体調の回復を最優先に考えていることを丁寧に説明すれば、理解を得やすくなります。一方で、健康状態に関する情報は非常にプライベートな内容でもあるため、詳細を省略しても問題ありません。あくまで「業務に影響を及ぼすかどうか」にフォーカスした説明を意識しましょう。

【上司・現職への伝え方】
体調不良が続いており、これ以上勤務を続けることが難しいと判断しました。現状では業務に支障をきたしてしまう可能性が高く、今後は一度しっかり療養に専念し、体調を整えることを優先したいと考えています。

【転職活動・面接で使える表現】
前職では体調を崩したことをきっかけに一度退職し、療養に専念していました。現在は医師からも就業可能との判断を受けており、体調も安定しているため、これまでの経験を活かして再スタートを切りたいと考えています。

面接では「採用しても大丈夫か?」という視点で見られるため、不安を払拭するために根拠ある説明を用意しておきましょう。

親の介護に専念しなければならない

家族の介護、とくに親の介護を理由とした退職は、社会的な理解も得られやすい事情です。要介護状態が長期に及ぶ見込みの場合、日常的なサポートが求められ、仕事との両立が困難になることも少なくありません。

現職への説明では、あくまで家族の事情で業務への継続的な影響が出ることへの配慮として伝えるのがスムーズです。また、面接など転職活動では「今後も介護との両立は大丈夫か?」といった不安を持たれる可能性があるため、復職の見通しが立ったことや、体制が整ったことをあわせて伝えることが重要です。

【上司・現職への伝え方】
実家での親の介護が急務となり、通勤や業務に継続的な支障が出る見込みとなりました。これまでのように責任を持って仕事を続けることが難しいと判断し、今後は介護に専念する道を選ばせていただきました。

【転職活動・面接で使える表現】
一時的に親の介護が必要となり、退職して家族のサポートに専念しておりました。現在は在宅介護の体制が整い、業務への支障もない状態となったため、これまでの経験を活かして仕事に復帰したいと考えています。

転職活動では、「今は落ち着いており働ける」根拠とセットで伝えるのがポイントです。

家業を継ぐことになった

家業の承継を理由とした退職は、個人的な事情でありながらも比較的理解されやすいケースです。特に、後継者不在で家族からの要望があった場合や、地域に根ざした業種であれば、「仕方のない事情」として納得されやすくなります。

退職理由として伝える際は、「家族の事情でやむを得ず」だけでなく、自分の中で納得して決断したこと、または責任を引き受ける必要がある状況であることを明確に伝えることが大切です。

一方で、面接でこの理由を話す際は、「じゃあ、なぜ今また会社勤めを?」といった疑問が出ることもあるため、転職の背景に一貫性をもって話せるかどうかで、面接官の受け取り方が変わってきます。

【上司・現職への伝え方】
実家の家業に後継者がいない状況が続いており、家族と話し合った結果、私が事業の運営に関わる必要があると判断しました自分としても責任を持って継ぐ覚悟ができたため、退職を決意いたしました。

【転職活動・面接で使える表現】
一時的に実家の家業を引き継ぐために退職しましたが、一定の整理がついたタイミングで、やはり自身の専門性を活かして企業で働き続けたいという想いが強くなりました。家業については他の家族と役割分担できる体制を整えたため、今後は業務に専念できる状況です。

転職活動では、家業との関係性、今後の働き方への影響がないこと、転職への納得感をしっかり伝える準備が必要です。

転居することになった

家庭の事情や配偶者の転勤、親の介護などをきっかけに転居が必要になることは、退職理由としてごく自然で、受け入れられやすいケースです。会社側としても、生活拠点の変更に伴う退職は本人の責任ではないと認識されるため、丁寧に事情を説明すれば円満に進められることがほとんどです。

ただし転職活動では、「またすぐ引っ越すのでは?」と懸念を持たれることもあるため、今後の生活拠点が安定していることをセットで伝えるのがポイントです。

【上司・現職への伝え方】
家庭の事情により遠方へ転居することとなり、通勤や勤務の継続が難しくなりました。これまでお世話になったことへの感謝を胸に、新しい生活環境に向けて区切りをつけたいと考え、退職を決意いたしました。

【転職活動・面接で使える表現】
家族の事情で転居することになり、前職を退職しました。現在は新たな生活拠点での環境も整っており、今後は腰を据えて長く働ける職場を探したいと考えています。これまでの経験を活かしながら、地域に根ざして貢献していきたいと思っています。

転職活動では、生活基盤がすでに安定していること、定住を前提として転職先を選んでいることをきちんと説明できると安心感を持ってもらえます。

出産や育児に専念したい

出産や育児を理由とした退職は、個人のライフイベントとして自然に受け入れられやすい理由です。とくに第一子の出産後は、慣れない育児との両立に不安を抱える方も多く、「育児に集中するために一度仕事を離れたい」という判断は誠実な選択として受け取られる傾向にあります。

現職への説明では、家庭と仕事の両立が難しい状況であることを正直に伝えつつ、これまでの感謝を込めた表現を心がけると、より円満な退職につながります。

一方、転職活動では「育児と両立できるか?」「時短勤務を希望しているのか?」といった点に関心を持たれることが多いため、就業条件や働ける体制が整っていることを明確に伝えるのがポイントです。

【上司・現職への伝え方】
出産を控えており、今後しばらくは育児に専念したいと考えるようになりました。業務への影響が出る前にしっかり引き継ぎを行いたく、早めにご相談させていただきました。これまで本当にお世話になり、感謝しております。

【転職活動・面接で使える表現】
第一子出産後、しばらくは育児に専念していましたが、現在は保育環境も整い、就業に支障のない体制ができています。ブランクの期間も学習や情報収集を続けており、これまでの経験を活かしながら再び仕事に取り組みたいと考えています。

転職活動では、事前に保育や家族の協力体制など、勤務への支障がないことを説明できると安心感を持ってもらえます。

【IT転職で使える】退職理由の例文5選!

ここからはIT業界に特化した退職理由とその例文を5つ、抜粋して紹介します。エンジニアやIT職で転職を考えている方は、実際に使える表現としてぜひ参考にしてください。

  1. より最新技術に携わりたい
  2. もっと大規模なプロジェクトに挑戦したい
  3. 開発からマネジメントにキャリアチェンジしたい
  4. 特定の技術分野に特化したい
  5. ワークライフバランスを見直したい

最新技術に挑戦したい

エンジニアとして成長を目指すうえで、最新技術に触れられる環境は大きな魅力です。「スキルアップのために最先端の開発に挑戦したい」という理由で転職を選ぶ人は多く、採用側からも前向きに受け取られやすい傾向があります。

IT業界は技術革新のスピードが早く、企業によって扱う技術の幅や深さにも違いがあります。特に大手企業では保守・運用やルーチン作業が中心となり、最新のフレームワークやクラウド技術に触れる機会が少ないこともあります。

そういった悩みを言語化すると、以下のような退職理由が自然と導き出せます。

【最新技術に挑戦したい場合の退職理由例①】
現職では主にレガシーな技術環境での開発が中心でしたが、将来を見据えて、より最新の技術に触れながらスキルを磨きたいと考えるようになりました。変化の早い業界で成長を続けるため、より技術志向の高い環境に身を置きたいと思い、転職を決意しました。

【最新技術に挑戦したい場合の退職理由例②】
これまでJavaやオンプレ環境での開発を経験してきましたが、今後はGoやTypeScript、クラウドネイティブ環境での開発経験を積み、より幅広い技術に対応できるエンジニアを目指したいと考えています。
常に学び続けられる環境で、技術的な挑戦を通じて自分の可能性を広げたいと感じ、転職を検討しました。

こんな人におすすめ

  • レガシーな技術に閉じた開発環境に物足りなさを感じている人
  • モダンな言語やフレームワーク(Go, TypeScript, Reactなど)に関心がある人
  • クラウド環境(AWS、GCP、Azure)やDevOpsに挑戦したい人
  • 技術トレンドに敏感で、常に学び続けられる環境を求めている人

大規模なプロジェクトに挑戦したい

ITエンジニアとして経験を積む中で、「もっとスケールの大きい案件に携わりたい」「複雑な要件や大人数のチームでの開発を経験したい」と感じることは自然なことです。
特に小規模な案件が多い環境では、担当範囲が限られていたり、全体像が見えにくかったりすることで、自分の成長が頭打ちになっているように感じることもあります。

「設計や要件定義もやってみたい」「より多くの人と関わる現場で経験を積みたい」といった気持ちは、転職を検討する大きな理由になり得ます。

そういった思いを言語化すると、以下のような退職理由が使えます。

【退職理由の例①】
これまで小規模な案件で開発経験を積んできましたが、今後はより多くの関係者と連携しながら、全体を見渡す視点を養いたいと考えるようになりました。設計や要件定義といった上流工程にも挑戦し、エンジニアとしての幅を広げたいという思いから、転職を決意しました。

【退職理由の例②】
現職では1〜2人チームでの開発が中心でしたが、より大規模なプロジェクトに参加し、チーム開発やアーキテクチャ設計などにも関わりたいと考えています。自分の技術力を次のステージに引き上げるため、よりチャレンジングな環境を求めて転職を検討しています。

こんな人におすすめ

  • 受託開発やSESで小規模案件ばかりに関わっている人
  • 要件定義・設計・チーム開発の経験を増やしたい人
  • PM/PL志向のある人、いずれマネジメントにも関心がある人
  • 規模の大きいシステム開発や自社サービスに携わりたい人

開発からマネジメントにキャリアチェンジしたい

ITエンジニアとして経験を重ねる中で、開発の現場だけでなく、チームをまとめたり、プロジェクト全体を俯瞰する立場に挑戦したいと考える人は少なくありません。技術への理解をベースに、進行管理や人材育成、顧客折衝などを通じて組織全体に貢献したいという想いは、キャリアアップの一環として非常に前向きな退職理由と受け止められやすいです。

しかし、現職が完全にプレイヤー特化だったり、上が詰まっていてマネジメントのポジションに空きがない場合、挑戦したくても経験を積むチャンスが得られないという声もよく聞かれます。そういったキャリア上の行き詰まりをポジティブに言語化すると、以下のような退職理由が考えられます。

【退職理由の例①】
これまで開発メンバーとして経験を積んできましたが、今後はプロジェクト全体を見渡す立場で、進行管理やチーム育成などにも携わっていきたいと考えています。現職ではマネジメントのポジションが限られているため、環境を変えてステップアップしたいと思い、転職を決意しました。


【退職理由の例②】
プレイヤーとしての技術的な経験を活かしながら、チームをまとめ、プロジェクト全体の成功に貢献できるような役割に挑戦したいという気持ちが強くなりました。これからはマネジメントスキルも磨いていきたいと考え、キャリアの幅を広げられる職場を探すようになりました。


こんな人におすすめ

  • 技術経験を活かしてPL/PMへステップアップしたい人
  • 現職でマネジメントの機会が回ってこないと感じている人
  • スクラムマスターやチームリーダーに関心がある中堅エンジニア
  • プレイヤーのままでいいのか、キャリアの次のステージに迷っている人

特定の技術分野に特化したい

IT業界で働く中で、「もっと深い専門性を身につけたい」と感じるのは自然な流れです。特にSIerやSESといった幅広い業務に対応する現場では、案件ごとに使用する技術が変わったり、ゼネラリストとして動くことが求められる場面も多く、一つの技術領域を深掘りするチャンスが限られるという声も聞かれます。

「この分野に絞ってスキルを磨きたい」「スペシャリストとしてのキャリアを築きたい」といった想いが芽生えたとき、それを叶えるために転職を選ぶのは前向きな判断といえるでしょう。こうした意欲を言語化すると、以下のような退職理由として伝えることができます。

【退職理由の例①】
これまで幅広い技術に携わってきましたが、特に関心のあるクラウド領域に特化し、専門性を高めていきたいと考えるようになりました。長期的にプロフェッショナルとしての価値を磨いていくため、より特定技術に集中できる環境を求めて転職を決意しました。


【退職理由の例②】
複数の案件を経験する中で、特にデータ基盤や分析系の業務にやりがいを感じており、今後はその領域に特化したキャリアを築きたいと考えるようになりました。現職では案件の選択が難しいため、より自分の志向に合った分野で長く経験を積める職場を探しています。

こんな人におすすめ

  • 資格取得や個人学習を通じてすでに特定分野の準備を進めている人
  • SIerやSESで幅広く経験してきたが、技術を絞って深めたい人
  • クラウド、セキュリティ、AI、データ分析など明確な関心分野がある人
  • 「ジェネラリスト」より「スペシャリスト」のキャリアを志向している人

ワークライフバランスを見直したい

IT業界では、納期に追われる開発スケジュールや深夜・休日対応が常態化している職場も多く、生活とのバランスを見直したいと感じるエンジニアは少なくありません。また、テレワークやフレックス制度が広がる一方で、職場によっては依然として出社が必須だったり、働き方に柔軟性がないケースもあります。

「もう少し余裕を持った働き方がしたい」「生活リズムを整えて、長く働ける環境に身を置きたい」といった想いから転職を考えるのは、個人の価値観を大切にした自然な選択肢です。転職活動時にうまく伝わるようポジティブにまとめると、以下のような退職理由が使えます。

【退職理由の例①】
これまで納期に追われるプロジェクトで経験を積んできましたが、今後はより安定した働き方の中で、長期的にパフォーマンスを発揮できる環境に身を置きたいと考えるようになりました。
ライフスタイルとのバランスを見直したいという想いから、転職を検討しています。

【退職理由の例②】
出社や時間帯に制限のある働き方が続いており、今後はリモート勤務やフレックス制度など柔軟な働き方が可能な環境で、自分の力をより活かしたいと考えています。
生産性と生活のバランスを両立できる環境で、腰を据えて働ける職場を探しています。

こんな人におすすめ

  • 長時間労働や休日出勤が当たり前の現場に疲れている人
  • 家庭・育児・介護などと両立した働き方を求めている人
  • リモート・フレックスなど柔軟な働き方を重視している人
  • 健康面・精神面を見直しながら、長期的なキャリア形成を目指したい人

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まとめ

ITエンジニアが転職を考える理由はさまざまですが、大切なのは「現職では実現できなかったこと」と「転職先で実現したいこと」をセットで伝えることです。今回紹介したように、最新技術への挑戦やマネジメント志向、働き方の見直しなど、前向きな意欲として伝えることで退職理由はポジティブな印象に変わります。

自分のキャリアに合った言葉を選ぶことで、面接でも自然に話すことができるはずです。不満や違和感をそのまま伝えるのではなく、「どうありたいか」をベースに退職理由を整理してみてください。

退職理由の例文と伝え方|現職への説明と面接用の回答10パターン【そのまま使える】

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