「CCNAってどんな資格?試験って本当に難しいの?合格するにはどれくらい勉強すればいいの?」
ネットワークエンジニアを目指すなら、CCNA(Cisco Certified Network Associate)は必須の資格の一つです。でも「試験範囲が広く、難易度が高い」「シスコ独自のシミュレーション問題が難関」などの噂を聞くと、少し不安になりますよね。
この記事では、CCNAの基礎知識、合格するための勉強法、試験の難しさを乗り越えるコツを徹底解説します。「CCNAに挑戦しようかな?」と思っているあなたに、必要な情報をまとめました。CCNA試験を受ける方は、最後まで読んで、最短で合格を目指しましょう。
CCNAとは
CCNAは、ネットワークエンジニアを目指すなら取得しておきたい、世界的に認知された資格です。この資格を取得すれば、ネットワークの基礎知識が証明でき、エンジニアとしてのキャリアアップにつながります。
具体的には、以下のような知識が身につきます。
- ネットワークの基本概念(IPアドレス、ルーティング、スイッチングなどの仕組み)
- ネットワークセキュリティの基礎
- 無線LANやクラウド技術に関する知識
- シスコ製品(ルーターやスイッチ)の設定や運用スキル
シスコシステムズ(Cisco Systems)は、多くの企業で製品が導入されている、世界トップクラスのネットワーク機器メーカーです。そのため、CCNAの知識は実務でも十分に活かせます。
CCNAの難易度
CCNAはネットワーク資格の中では入門レベルに位置づけられますが、決して簡単に受かるものではありません。
CCNAは、シスコシステムズが提供するネットワーク技術者向けの資格で、ネットワークの基礎スキルを証明できます。専門的な知識が求められるだけでなく、2020年の試験改定により出題範囲が拡大され、セキュリティや自動化などの最新技術も試験に含まれるようになりました。
そのため、計画的に学習を進めなければ、合格は難しいでしょう。
CCNAが難しいと言われている理由
「CCNAの試験は本当に難しいの?」と思うかもしれませんが、実際には「しっかり勉強しないと合格が厳しい」という声が多く聞かれます。
その理由として、特に以下の4つが大きなハードルです。
- 試験範囲が広い
- 試験時間が短い
- シスコ製品のシミュレーション問題が難問
- 問題文が複雑
では、それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
試験範囲が広い
CCNA試験は「基礎レベル」とされますが、出題範囲が非常に広いのが特徴です。これが、多くの受験者が「難しい」と感じる最大の理由です。
CCNA試験では、ネットワークの基礎知識に加え、セキュリティや自動化、クラウド技術まで幅広く出題されます。特に、2020年の試験改定後は、以下のような分野がすべて1つの試験に統合されました。
試験範囲 | 出題割合 |
---|---|
ネットワークの基礎 | 20% |
ネットワークアクセス | 20% |
IPコネクティビティ | 25% |
IPサービス | 10% |
セキュリティの基礎 | 15% |
自動化とプログラマビリティ | 10% |
引用:CCNA試験のトピック
試験範囲が広いため、どれか1つの分野に特化して学ぶだけでは合格できません。苦手分野を作らず、全体をバランスよく学習することが重要です。
また、ネットワーク技術は日々進化しているため、新しい技術も試験に追加されていきます。CCNA試験では最新の技術が反映されるため、常に新しい知識を学ぶ必要があります。
試験時間が短い
試験時間は120分で、100問程度の問題を解く必要がある点がCCNA試験の大きな特徴です。つまり、1問あたりにかけられる時間は平均1分強です。
試験は、以下のような特徴があります。
- 問題数:約100問
- 試験時間:120分
- 見直し不可(解答したら戻れない)
つまり、1問ごとに悩んでいると、最後まで解き終えられない可能性があるのです。また、CCNA試験では、一度解答した問題に戻れない仕様になっています。そのため、問題を飛ばして後から見直すことができません。この仕様が、多くの受験者にとってプレッシャーとなっている要因のひとつです。
模擬試験を繰り返し、1問1分以内で解答する練習を行うなど、時間配分を意識した演習を事前に行いましょう。
シスコ製品のシミュレーション問題が難問
CCNA試験では、シスコ製品の設定や操作に関する「シミュレーション問題」が出題されます。この問題は特に難しく、実機経験のない受験者にとっては大きな壁となるでしょう。
シミュレーション問題では、たとえば以下のような作業が求められます。
- ルーターやスイッチの設定(CLI(コマンドラインインターフェース)を使用)
- ネットワークのトラブルシューティング(診断と修正)
- ACL(アクセス制御リスト)の設定
ネットワークの理論だけでは解けない問題が多いため、実際のシスコ機器を操作する経験が求められます。「Cisco Packet Tracer」「GNS3」などの公式ツールで練習を行い、対策しましょう。
特に、Packet Tracerは無料で利用できるため、積極的に活用することをおすすめします。
問題文が複雑
CCNA試験はアメリカのシスコ社が主催しており、試験問題の原文は英語です。そのため、日本語訳された問題文は「意味がわかりにくい」「直訳調で解釈が難しい」ことがよくあります。問題文の意味が分かりにくいことがあるため、焦らず冷静に読解する力が求められます。
英語が得意な方であれば、英語版の試験を受けるという選択肢もあります。英語版の方が、原文のニュアンスが理解しやすいことも多いです。
また、普段から「CCNAの問題集」を解いて、日本語の違和感に慣れておくことも重要です。
CCNAを取得するメリット
CCNAは、ネットワークエンジニアに必須の資格です。取得することで、エンジニアとしての基礎力を証明できるだけでなく、実務に直結する知識やスキルも習得できます。
CCNAを取得することで得られるメリットを紹介します。
- ネットワークの知識が身につく
- ネットワーク知識を証明できる
- 実務機器の操作を覚えられる
- 最新知識を得られる
- 情報通信業界への転職が有利になる
それぞれのメリットを詳しく解説します。
ネットワークの知識が身につく
CCNAを学習することで、ネットワーク技術の基礎から応用まで幅広い知識を習得することが可能です。幅広い分野を学ぶことで、エンジニアとして必要な知識を体系的に習得できます。
ネットワークは、インターネットや社内システムなど、通信インフラを支える重要な技術です。しかし、ネットワークの仕組みは一見難しく感じることも多く、独学ではどこから学べばいいのか迷ってしまう人もいるでしょう。
CCNAの学習範囲には、以下のような重要なネットワーク知識が含まれています。
- ネットワークの基本概念(IPアドレス、サブネット、ルーティングなど)
- ネットワーク機器の仕組み(スイッチ、ルーター、ファイアウォールなど)
- セキュリティ対策(不正アクセス防止、ファイアウォールの設定)
- クラウドや仮想化技術(SDN、仮想ネットワークなど)
特に、CCNAの試験範囲は、実際の業務で求められる知識と直結しています。「ネットワークの基礎を学びながら、業務にも活かせる」というのが、CCNAの大きなメリットです。
ネットワーク知識を証明できる
「ネットワークの知識があります」と口頭で伝えても、具体的なスキルレベルは相手に伝わりにくいですよね。CCNAの資格を持っていると、ネットワークの知識を客観的に証明できます。
たとえば、転職活動で履歴書に「CCNA取得」と記載すれば、採用担当者に「ネットワークの基礎知識がある」と伝わります。実際、ネットワークエンジニアの求人では「CCNA保持者を優遇」と明記されていることも少なくありません。
さらに、CCNAの取得は、社内での評価向上や昇進の可能性を高める要因にもなります。企業によっては資格手当が支給されることもあり、キャリアアップだけでなく給与アップの可能性もあります。
実務機器の操作を覚えられる
CCNAの試験には、シスコ製ネットワーク機器の操作を問う問題が出題されます。つまり、資格の学習を通じて、実際の業務で必要な機器操作を習得できます。
ネットワークエンジニアの現場では、以下のようなシスコ製品が使用されることが一般的です。
- Ciscoルーター
- Cisco Catalystスイッチ
- ASAファイアウォール
- Cisco Wireless(無線LAN機器)
CCNAの試験対策として、シミュレーターを活用しながら演習を繰り返すことで、実際の業務でも設定作業に自信が持てるようになります。
CCNAの大きな魅力は、資格取得がそのまま実務スキル向上につながる点です。
最新知識を得られる
CCNAは定期的に試験範囲が更新されるため、資格を取得することで最新のネットワーク技術やセキュリティ知識を習得できます。
たとえば、2020年の試験改定では、以下の最新技術が試験範囲に追加されました。
- セキュリティ対策(サイバー攻撃対策、ゼロトラスト)
- クラウドネットワーク(AWS、GoogleCloud、Azureとの接続や設定)
- 自動化(プログラマビリティ、Pythonを活用したネットワーク自動管理)
ネットワーク技術は日々進化しており、業界で求められる知識も常に変化しています。そのため、CCNAを取得し、最新の知識を常にアップデートしておくことが重要です。
情報通信業界への転職が有利になる
「ネットワークエンジニアになりたいけど、実務経験がないから転職できるか不安」という人にとって、CCNAの取得は転職成功への大きな一歩となります。
IT業界では、資格がスキルの証明となるため、未経験でもCCNAを取得していれば高く評価されることが多いです。学生時代に取得することで、他の候補者と差別化を図ることができます。特に、以下のような企業ではCCNA取得者を積極的に採用する傾向があります。
- 通信キャリア(NTT、KDDI、ソフトバンクなど)
- SIer(システムインテグレーター)
- データセンター運営企業
- クラウドサービスプロバイダー
さらに、CCNAは国際的に認知されているため、外資系企業や海外のIT企業への転職にも有利です。
CCNAを持っているだけで、転職がしやすくなるという点が、CCNAの大きなメリットの一つです。
CCNAの合格に必要な勉強時間
CCNAはネットワークエンジニアの登竜門ともいわれる資格ですが、合格に必要な勉強時間はどのくらいなのでしょうか。
結論として、ITエンジニア経験の有無によって必要な学習時間は大きく異なります。
- ITエンジニア経験がある場合
- ネットワークエンジニア経験がある場合
それでは、それぞれのケースについて詳しく解説します。
ITエンジニア経験がある場合
ITエンジニア経験があると普段からサーバー管理やプログラミングをしており、ネットワークにも多少触れているため、そこまで勉強しなくても大丈夫だと思いがちです。
CCNAでは単なるネットワークの知識だけでなく、Cisco製品の設定やトラブルシューティングに関する知識も問われます。そのため、ITエンジニア経験がある場合でも、基礎から体系的に学び直すことが求められます。
必要な学習時間の目安は、200時間です。この200時間の内訳は、以下のように分配すると効率的です。
- ネットワークの基礎学習(40時間)
- 試験範囲のカバー(80時間)
- 問題演習と復習(60時間)
- 模擬試験の実施(20時間)
特に、実務では扱う機会が少ない「無線技術」「セキュリティ」「自動化とプログラマビリティ」の分野は、重点的に学習する必要があります。
また、シスコ製品の設定を実際に操作するシミュレーション問題も出題されるため「Cisco Packet Tracer」などのツールを活用し、実践的に学習することが重要です。
ネットワークエンジニア経験がある場合
普段からルーターやスイッチの設定に携わっているネットワークエンジニアであれば、CCNAの試験範囲の多くをすでにカバーしている可能性があります。しかし、CCNAには、実務経験だけでは対応が難しい問題も含まれています。
たとえば、以下のような問題は、実際の業務で経験がないと見落としがちです。
- IPv6の詳細設定
- 自動化やプログラマビリティ関連の問題
- シスコ独自の技術や設定
ネットワークエンジニア経験がある場合の必要な学習時間の目安は、100時間です。100時間の学習時間は、以下のように分配すると効率的です。
- 試験範囲の復習(40時間)
- 苦手分野の強化(30時間)
- 問題演習と模擬試験(30時間)
実務経験があるため、基本的な知識はすでに備わっています。そのため、試験の形式に慣れ、苦手分野を克服することに重点を置きましょう。特に、時間制限があることを考え、問題を素早く解く練習が必要です。
「Ping-t」などの問題集を繰り返し解くことが効果的です。
CCNAにおすすめの勉強方法
CCNAの資格を取得するには、効率的な学習方法を選ぶことが重要です。試験範囲が広く、実践的な要素も含まれるため、単なる暗記では対応できません。そこで、CCNA合格に向けた効果的な学習法を4つ紹介します。
- 参考書や問題集を活用する
- シスコ公式サイトを利用する
- 学習サイトを活用する
- ITスクールに通う
それぞれの学習方法について詳しく解説します。
参考書や問題集を使う
参考書や問題集はCCNAの学習の基本です。特に初学者は、体系的に知識を習得するために、公式の参考書を活用すると良いでしょう。
おすすめの参考書は、以下のとおりです。
シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301 | ・2020年改定後の試験範囲に対応 ・解説が詳細で、試験対策に役立つ |
1週間でCCNAの基礎が学べる本 第3版 | 初心者向けで、短期間で基礎を固められる |
マスタリングTCP/IP―入門編―(第6版) | ネットワークの基礎知識を体系的に学べる |
重要なのは、最新版の参考書を選ぶことです。2020年の試験改定により、古い参考書では試験範囲をカバーできない可能性があります。
シスコの公式サイトを活用する
シスコの公式サイトには、試験対策に役立つコンテンツが充実しています。
活用できるコンテンツは、以下のとおりです。
- 認定試験チュートリアル:試験の形式や操作方法を事前に確認可能
- CCNA練習問題:本番を想定した問題演習が可能
- CiscoPacketTracer:ネットワーク機器の設定を仮想環境でシミュレーションできる
シスコ公式のツールを活用することで、本番の試験形式に慣れることができます。特に、シミュレーション問題は、実機の操作に不慣れな人にとって大きなハードルとなるため、PacketTracerでの練習が欠かせません。
学習サイトを利用する
「書籍だけだとイメージが湧かない…」という人は、学習サイトを活用しましょう。おすすめの学習サイトは、以下のとおりです。
Ping-t | ・CCNAの問題演習を無料で提供 ・模擬試験で実力チェックも可能 |
CCNAイージス | ・ネットワークの基礎から詳しく解説 ・無料の練習問題も豊富 |
オンライン学習の強みは「スキマ時間を活用して学習できる」ことです。仕事が忙しくても、通勤時間などを活用すれば効率的に学習を進められます。
ITスクールに通う
「独学では不安」「短期間で確実に合格したい」という人には、ITスクールを活用するのも一つの選択肢です。
ITスクールのメリットは、以下の通りです。
- 講師が直接指導するため、疑問点をすぐに解決できる
- 学習スケジュールが決まっているため、計画的に勉強を進められる
- 実機を使った演習ができるため、実務に直結するスキルを習得できる
特に、完全未経験者は、ITスクールで基礎を固めることで効率的に学習できます。
ネットワークの基礎力を証明するCCNAは、インフラエンジニアや社内SEとしての転職でも武器になります。社内SE転職ナビでは、CCNAレベルの知識や実務経験を活かせる「自社勤務」案件を多数掲載。
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まとめ
今回は、CCNAの試験内容や難易度、効果的な勉強方法について解説しました。
CCNAは「試験範囲が広い」「試験時間が短い」「シスコ製品のシミュレーション問題が難問」「問題文が複雑」などの理由から、難易度が高いと言われています。しかし、ポイントを押さえた学習を継続すれば、十分に合格を目指せる資格です。
また、CCNAを取得することで「ネットワークの知識が身につく」「ネットワーク知識を証明できる」「実務機器の操作を覚えられる」「最新知識を得られる」など、多くのメリットがあります。特に、情報通信業界への転職を考えている人にとって、大きな武器となるでしょう。
CCNAに挑戦すれば、あなたのキャリアの選択肢が広がります。本記事を参考に、ぜひ最初の一歩を踏み出してみましょう。