企業ブランドの作り方とは?エンジニアに選ばれる企業となる5つのポイント【採用力強化】

優秀なITエンジニアの採用競争は激化する一方です。給与や福利厚生だけでは、優秀な人材を定着させるのは困難です。エンジニアに選ばれるためには、「企業ブランド」を確立しなければなりません。

本記事ではエンジニアに選ばれるための企業ブランドの作り方を、成功事例を交えながら解説します。採用強化につながる具体的なステップや、採用ページ改善のヒントもまとめます。貴社の未来を担うエンジニア獲得にぜひお役立てください。

社内SE転職ナビKV 企業向け

エンジニア採用、こんな課題ありませんか?

  • 技術力だけでなく、事業理解も必要だけど、見極めが難しい
  • 社内システムを支える柔軟な対応力を持つ人材がなかなかいない
  • 企業文化にフィットするエンジニアを採用したい

「社内SE転職ナビ」 なら、丁寧なヒアリングで貴社の採用要件に合ったエンジニアをご紹介。技術×カルチャーの両面でマッチする人材採用をサポートします。

企業ブランドとは

企業ブランドとは、企業が提供する商品やサービスを通じて「顧客が抱く、企業全体に対する認知やイメージの総称」のことです。

企業ブランドが重要なのは、企業ブランドが顧客の購買意欲を左右し企業の競争力を高める強力な武器となるからです。同じような機能を持つ製品でも、「あの会社が出しているものなら安心だ」という信頼感があれば、多少価格が高くても顧客は選択します。

広告や広報活動だけでなく従業員の態度や製品の品質、顧客対応といった顧客との接点から生まれる体験やイメージによって企業ブランドは形成されます。一度確立されたブランドイメージは、企業の貴重な資産となり長期的に効果を発揮し続けるのです。

あわせて読みたい
採用ターゲットに刺さるメッセージ作成術 近年、ITエンジニアの採用競争はますます激しくなっています。求職者に魅力的な企業として選ばれるためには、求人情報の発信だけでは不十分です。採用ターゲットに刺さ...

企業ブランドを作るメリット

企業ブランドを構築すれば、長期にわたり企業にさまざまなメリットをもたらします。代表的なメリットは以下の5つです。

  • 人材確保につながる
  • 利益率に好影響を与えられる
  • 価格競争から脱却できる
  • 新しい市場を開拓しやすい
  • 法的保護が受けられる

営業面だけでなく、人材確保や法的保護まで企業ブランドの影響は多岐にわたります。ここでは、各メリットについて詳しく解説するので、企業ブランド構築を検討されている方は最後までご覧ください。

人材確保につながる

企業ブランドの構築は、優秀な人材の確保につながります。現代の求職者は給与や福利厚生はもちろん、企業の理念や文化、社会貢献性といった「ブランドイメージ」を重視する傾向にあるからです。

求職者は良質な企業ブランドを持つ企業に対して、ポジティブなイメージを抱きます。「〇〇という企業は、革新的な技術を持っている」「△△という企業は、社員を大切にしている」といったイメージは求職者の入社意欲を刺激するでしょう。

優秀な人材が自然と集まりやすくなるため、採用活動の効率化にもつながります。共感できる価値観が社内に浸透すれば、従業員エンゲージメントが高まり離職率の低下ももたらされるのです。良質な人材確保に企業ブランドは不可欠といっても過言ではありません。

利益率に好影響を与えられる

魅力的な企業ブランドは、企業の利益率向上に大きく役立ちます。ブランド価値が高い企業は、顧客からの信頼と支持を得やすく、高単価の商品やサービスでも選ばれやすい傾向にあるからです。

ブランド力がある企業の商品には、機能や性能が良いだけでなく「あの会社が出しているものだから安心だ」「持っているだけでステータスになる」といった付加価値が生まれます。多少価格が高くても競合他社の商品ではなく、その企業の商品を購入してくるのです。

また、一度ブランドのファンになった顧客は、継続的にその企業の商品やサービスを利用してくれるため、安定した収益源となります。高単価販売とリピート率向上という2つの側面から利益率に好影響を与えるのです。

価格競争から脱却できる

力な企業ブランドを構築できれば、企業は価格競争から抜け出し安定的な経営を実現できます。ブランド力が高まれば、顧客は価格だけでなく、品質やサービス、企業の理念といった総合的な価値を判断基準とするからです。

価格競争に陥ると、企業は利益を削り体力勝負を強いられます。強力なブランドを持つ企業は、価格競争に巻き込まれることなく、適正な価格で商品やサービスを提供可能です。たとえば、スターバックスコーヒーは、「特別な空間」や「高品質なコーヒー」といったブランドイメージを構築した結果、ほかの店に比べると価格設定が高めでありがらも多くの顧客に利用されています。

企業ブランドは、価格以外の価値で顧客を惹きつけて、価格競争からの脱却を実現させるのです。

新しい市場を開拓しやすい

企業ブランドは、企業が新しい市場へ進出する際の大きなアドバンテージとなります。既存の顧客からの信頼と信用は、新市場においても有効であり、新規顧客獲得のハードルを下げてくれるからです。

新しい市場に参入する際、企業はまず自社の存在を知ってもらい、信頼を獲得しなければなりません。既に確立されたブランド力があれば、そのブランド名だけで一定の信頼を得ているため、マーケティングコストを抑制できます。

トヨタ自動車が代表例で、自動車市場で培った高い品質と信頼性というブランドイメージを背景に、住宅事業や金融事業といった分野にも進出しています。企業ブランドは、新しい市場への参入障壁を下げ、効率的な事業展開をもたらすのです。

法的保護が受けられる

企業ブランドは、単なるイメージ戦略に留まらず、知的財産権として法的に保護される対象となります。ブランドロゴやキャッチコピーなどを商標登録しておけば、模倣品や類似品から自社ブランドを守り、競争優位性を維持・向上させられます。

たとえば、コカ・コーラのボトルデザインは、商標登録によって保護されており他社が類似のデザインを使用できません。独自のブランドイメージを確立し、競争優位性を維持しています。

商標権を侵害された場合には、損害賠償請求や差止請求が可能です。確立した企業ブランドを法的に保護しておけば、他社に対する優位性を維持しながら長期的な競争力を確保できます。

選ばれる企業ブランドの作り方

選ばれる企業ブランドはどのように構築すればいいのでしょうか。以下の5つのステップで、企業ブランドの作り方を解説します。

  1. 社内の意思を明確にする
  2. 自社の現状を把握する
  3. 理想の顧客像を設定する
  4. 提供する価値を明確化する
  5. ブランドコンセプトを言葉にする

一度、企業ブランドが構築できたとしても、上記のステップを繰り返してより魅力的なものにしていきましょう。順番に解説するのでぜひ参考になさってください。

①社内の意思を明確にする

選ばれる企業ブランドを構築する最初の一歩は、社内の意思の明確化と社員全体での共有です。企業ブランドは、企業の活動全体を通して顧客や世間に伝わるイメージであり、社員一人ひとりの行動がブランドイメージを形成するからです。

企業価値や理念が社員に浸透していない状態では、顧客に対して一貫したメッセージを発信できません。まずは内部調査やヒアリングを行い、組織の現状を把握して目指すべき方向性を明確にしましょう。

企業全体で共有できる明確なビジョンが策定されれば、研修やワークショップなどを実施して、社員一人ひとりに浸透させる必要があります。選ばれる企業ブランドを構築するためには、社内の意思統一は欠かせない重要なステップなのです。

②自社の現状を把握する

社内の意思が明確になれば、客観的な視点から自社の現状を正確に把握する必要があります。自社の強みや弱み、市場における立ち位置を理解したうえで差別化戦略を立てれば、顧客や世間に響くブランドメッセージを構築できるからです。

自社の現状を把握するには、3C分析やSWOT分析といったフレームワークの活用がおすすめです。3C分を行えば、顧客ニーズの変化や競合他社の動向が把握でき、自社の強みを活かせる市場機会が見つかるでしょう。SWOT分析では、自社の内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を分析し事業戦略立案に活用します。

自社の現状を客観的に分析し、強みを明確にできれば効果的なブランド戦略につながります。

③理想の顧客像を設定する

自社が最も価値を提供できる理想の顧客像の設定も重要です。理想の顧客像を明確化できれば、ブランドメッセージやマーケティング戦略を最適化し、効果的な顧客へのアプローチができるからです。

理想の顧客像を設定する際には「ペルソナ」を設定しましょう。ペルソナとは、年齢、性別、職業、年収、ライフスタイル、価値観といった詳細な情報を持つ架空の顧客像です。ペルソナを設定すれば顧客のニーズや課題、購買行動などを具体的にイメージできます。

詳細なペルソナを設定すれば、ブランドメッセージやマーケティング戦略の精度向上につながるため、ターゲットに響く効果的なアプローチが可能となるのです。

④提供する価値を明確化する

自社の現状把握と理想の顧客像を設定を終えたら、顧客に対して自社が提供できる価値を明確化しましょう。商品やサービスを購入する際に、顧客は価格だけでなく、商品やサービスが自分にとってどのような価値をもたらしてくれるのかを重視するからです。

提供する価値を明確にするには、分析した自社の強みや特徴が顧客のニーズや課題をどのように解決できるのかを示す必要があります。競合他社との差別化ポイントが明確になり、自社の商品やサービスを選ぶ理由を顧客に伝えられるのです。

提供する価値を明確化すれば、顧客は自社の商品やサービスを選ぶ理由を明確に理解し、ブランドへの愛着を深めてくれます。

⑤ブランドコンセプトを言葉にする

提供する価値が明確になれば、いよいよブランドコンセプトを言葉にしましょう。設定した顧客像と提供価値をもとに、企業の核となるメッセージを凝縮したブランドコンセプトを作成します。

ブランドコンセプトは、簡潔で覚えやすく共感を呼ぶ言葉で表現するのがおすすめです。「忙しい現代人に心と体の癒しを届ける食品ブランド」といった誰を対象に、どのような価値を提供するかがわかるブランドコンセプトを設定することをおすすめします。

【ブランドコンセプトの例】
「忙しい現代人に心と体の癒しを届ける食品ブランド」
対象:忙しい現代人
何を:心と体の癒しを届ける
どのように:食品の形で

社員に対しても、企業として何をどのように進めていくべきかがわかりやすくなります。ブランドコンセプトを言葉にすれば、企業の活動全体に一貫性を持たせ、選ばれる企業ブランドの構築につながります。

企業ブランドの成功事例3選

ここからは企業ブランド構築の参考となる成功事例を3つ紹介します。いずれも企業ブランドを構築して、世界的に有名になった企業ばかりです。

  • Google
  • Apple
  • ユニクロ

各企業の企業ブランドについて詳しく解説するので、自社の企業ブランド構築の参考になさってください。

Google

Googleは、世界中の情報を整理し、誰もがアクセスできるようにする使命を掲げています。シンプルで直感的なサービス提供を実現し、イノベーションの先駆者としてのブランドイメージを確立しました。検索エンジンやGmail、Google Mapといったサービスは、使いやすさを追求しつつ、新しい技術を取り入れてユーザーの生活をより便利で豊かなものにしています。

Googleのブランド戦略は、便利なツールを提供するだけではありません。検索結果の透明性やプライバシー保護への取り組みによって、ユーザーからの信頼を獲得し、ブランドロイヤリティを高めています。

シンプルで直感的なサービスと、ユーザーからの信頼獲得によって構築されたブランドイメージが、Googleの成功を支えているのです。

Apple

Appleは、革新的なテクノロジーと洗練されたデザインを融合させ、世界中の消費者を魅了し続けています。Appleの製品は、単なるデジタルデバイスではなく、ユーザーのライフスタイルを豊かにするツールとして独自のブランド体験を提供しているからです。

Appleのブランド戦略は、製品のデザインだけでなく、マーケティングや販売戦略においても徹底されています。シンプルで美しいデザインは製品そのものの魅力を高め、消費者の所有欲を刺激するでしょう。Apple Storeは製品を体験できる場として、消費者に新しいライフスタイルを提案しています。

革新性と洗練されたデザイン、そして独自のブランド体験が、Appleに成功をもたらしているのです。

ユニクロ

ユニクロは、シンプルさと機能性、そして手頃な価格を追求し世界中で支持されるグローバルブランドへと成長しました。ユニクロの製品は高品質でありながら低価格であり、あらゆる人々の日常を快適にするための服を提供しているからです。

ユニクロはブランド戦略に従い、トレンドに左右されない定番商品を軸に、素材へのこだわりと徹底的なコスト削減によって低コスト高品質を実現しています。グローバル展開を積極的に行い、世界中の人々に「LifeWear」というコンセプトを広めています。ヒートテックやウルトラライトダウンがその代表例です。

シンプルさと機能性、そして手頃な価格というブランドコンセプトに従い、ユニクロは成長を遂げてきたのです。

企業ブランド作りを成功させるポイント

有名企業の成功事例に触れ、自社の企業ブランド構築に取り組もうとお考えの方もいるでしょう。前述の5つのステップも参考に進めていただくうえで、さらに成功確率を高めるためのポイントを3つお伝えします。

  • 明確さ
  • 差別化
  • 感情的なつながり

3つのポイントを理解したうえで、社内外に良い影響を与える企業ブランドの構築に取り組みましょう。

明確さ

企業ブランド作りを成功させるには、ブランドが目指す方向や提供する価値を明確に示すのがポイントです。曖昧なブランドイメージは顧客に伝わりにくく、共感を生み出しづらいため、一貫性のあるメッセージで、ブランドの独自性を際立たせましょう。

明確さはターゲット顧客を特定し、ニーズや課題を深く理解することから生まれます。顧客が抱える問題を解決するために、自社がどのような価値を提供できるのかを具体的に示せば、顧客はブランドに共感し信頼を寄せるようになるのです。

環境に優しい製品を提供する企業であれば「リサイクル可能な素材の使用」「環境保護団体への寄付」といった具体的な行動を示せば、顧客に強く印象づけられます。長期的なブランドロイヤリティを育む上でも不可欠です。

差別化

競争の激しい市場で企業ブランド作りを成功させるには、競合他社と異なる独自のブランドイメージを構築し、差別化を図る必要があります。類似した商品やサービスがあふれる現代では、顧客は他社にはない独自の価値を提供するブランドを選ぶ傾向にあるからです。

差別化を図るためには、自社の強みや特徴を明確に分析し顧客に響くメッセージとして伝えなければなりません。たとえば、品質の高さをブランドイメージで打ち出すのであれば、品質の高さを客観的に証明するために第三者機関による認証を取得したり、顧客からのレビューを積極的に公開したりするのも有効です。

差別化されたブランドイメージは、顧客の心をつかみ、競争優位性を高める上で非常に重要な要素となるのです。

感情的なつながり

顧客と感情的なつながりを構築できれば、ブランドロイヤリティを高め、長期的な信頼関係につながります。顧客は単に機能や価格だけで商品やサービスを選ぶのではなく、ブランドが提供する体験や価値観に共感し、感情的なつながりを感じて愛着を深めるからです。

感情的なつながりを築くには、顧客のニーズや感情を理解し、共感や感動を生む体験を提供する必要があります。地域貢献を掲げる企業がブランドイメージを打ち出す場合、地域イベントへの参加や地元のNPOへの寄付、地域産の素材の使用といった活動を通じて、地域社会とのつながりを深めるといいでしょう。

ブランドの価値観への共感から生まれる感情的なつながりは、顧客のブランドロイヤリティを高め、長期的な成功につながるのです。

IT人材の採用なら社内SE転職ナビ!

社内SE転職ナビKV 企業向け

エンジニア採用、こんな課題ありませんか?

  • 技術力だけでなく、事業理解も必要だけど、見極めが難しい
  • 社内システムを支える柔軟な対応力を持つ人材がなかなかいない
  • 企業文化にフィットするエンジニアを採用したい

「社内SE転職ナビ」 なら、丁寧なヒアリングで貴社の採用要件に合ったエンジニアをご紹介。技術×カルチャーの両面でマッチする人材採用をサポートします。

優秀なIT人材の獲得にお困りであれば、ぜひ社内SE転職ナビをご活用ください。貴社の企業ブランドを効果的に訴求し、即戦力となる社内SEに特化した人材をご紹介します。

技術力だけでなく、コミュニケーション能力や課題解決能力に優れた人材を厳選しており、貴社の企業文化や事業戦略に合った候補者をご紹介可能です。企業ブランドを深く理解したコンサルタントが、貴社の魅力を最大限に引き出し求職者へ的確に伝えます。ミスマッチが防止されるため、採用活動が効率化されます。

採用成功事例も多数ございます。IT人材の採用でお悩みであれば、まずはお気軽にご相談ください。社内SE転職ナビが、貴社のIT部門強化を強力にサポートいたします。

まとめ

本記事では、ITエンジニアに選ばれるための企業ブランドの重要性と、具体的な構築方法を解説しました。企業ブランドは、単なるイメージ戦略ではなく、優秀な人材の獲得や利益率の向上、価格競争からの脱却などに影響を及ぼし企業の成長には不可欠です。

選ばれる企業ブランドを構築するための5つのステップや、Google、Apple、ユニクロなどの成功事例もまとめています。これらの内容を参考に、明確さ、差別化、感情的なつながりを意識したブランド戦略を立てましょう。

社内SE転職ナビをご活用いただければ。貴社の魅力を最大限に引き出し、最適な人材をご紹介します。企業ブランド構築と効果的な採用活動を通じて、未来を担う優秀なITエンジニアを獲得し、企業の成長を加速させましょう。

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

  • URLをコピーしました!