
会社紹介
社名:寺田倉庫株式会社(Warehouse TERRADA)
代表:代表取締役社長 寺田 航平
事業内容:保存保管事業、不動産事業、アート関連事業
寺田倉庫株式会社(Warehouse TERRADA)は、1950年創業の企業で、東京・天王洲を拠点に保存保管業を主力事業としています。創業当初は一般的な倉庫事業を行っていましたが、現在では「文化を、あなたと創る」という理念のもと、ワインやアート、メディアの保管など、多岐にわたる事業を展開しています。その革新的なアプローチにより、従来の倉庫業の枠を超えた付加価値を提供し続けています。
今回は、同社のシステムグループで活躍される松尾拓磨さんと山田祐三郎さんに、寺田倉庫の事業や具体的な業務内容、働く環境について伺いました。
プロフィール
システムグループサブリーダー 兼 システムチームリーダー 松尾拓磨さん
2008年に新卒で入社後、アーカイブ事業グループに所属。2012年にシステムグループへ異動し、現在はシステムグループのサブリーダー兼システムチームのリーダーを務める。13年以上にわたり、顧客向け・社内向けアプリケーションの開発・運用、インフラ構築、セキュリティ設計、さらにはメンバーの育成やチームマネジメントまで、幅広い業務を統括。現場での保守運用やシステム改善にも精力的に取り組み、会社全体のIT基盤強化に貢献している。
システムグループ システムチーム 山田祐三郎さん
2015年、新卒でSES企業に入社。エンジニアとして多様なプロジェクトに従事し、技術力を磨く。2018年にはWeb系自社開発企業へ転職し、開発スキルをさらに深化。その後、2020年10月、寺田倉庫株式会社にアイムファクトリーの人材紹介サービスを通じて転職。現在はシステムグループのシステムチームに所属し、社内向けアプリケーションの開発や保守を中心に活躍している。
文化を支える寺田倉庫のサービス

――御社の展開する事業について教えてください。
松尾 拓磨さん(以下、松尾):現在、弊社の事業は大きく分けてストレージ領域、不動産領域、アート領域に分かれています。
ストレージ領域のサービスは多岐にわたり、アート作品やワインなど、専門性の高いものを中心にお預かりしています。保管に適した温度や湿度、セキュリティなどの環境を整えており、お客様ご自身で出し入れされるタイプと、オンライン上で1点から預け入れや取り出し依頼、管理が可能なタイプの両軸でサービスを展開しています。
法人向けのサービスとしては、映像や音楽といったメディア資産の保管やデータ化(デジタイズ)にも取り組んでいます。ドキュメントソリューションも提供しており、文書保管とその管理のサポートを行っています。
不動産領域においては、本社のある天王洲で倉庫空間を利活用し地域活性化に力を入れています。
アート領域においては、文化的な発信拠点としてミュージアムや画材ラボ、アートギャラリーカフェの運営を行っています。アート施設の一つ、WHAT MUSEUMでは展示作品にWHAT MUSEUMアプリをかざすと解説が流れる仕組みがあって、これは山田が開発に携わっています。
挑戦を歓迎する環境とサポート体制

――システムチームの業務内容や魅力について教えてください。
松尾:弊社のシステムチームには、大きく2つの役割があります。1つは一般的な情報システム部門としての機能、もう1つはエンドユーザー向けのアプリケーション開発を行う機能です。私はその統括を担当しています。
山田祐三郎さん(以下、山田):私はエンジニアとして、研究開発や急ぎのプロジェクトのサポートなど、柔軟に対応しています。一つの開発に専念するのではなく、幅広い業務に携わることが多いですね。
弊社は事業部ごとに多様なサービスを展開しているため、要所要所でサポートに入る必要があります。その中で、何にでもチャレンジできる環境があることが、この部門で働くやりがいだと思います。業務範囲が広く、新しい技術やアイデアを試せる環境が整っています。
――「チャレンジできる環境」の中で、エンジニアとして心がけていることはありますか?
山田:最新技術やITトレンドのキャッチアップを欠かさず行うことです。新しいことに挑戦するためには、常に知識をアップデートしておかなくてはなりません。
――スキルアップを支援する環境や制度はありますか?
松尾:教育制度としてはまだ十分ではありませんが、研究開発用の予算を月ごとに設けています。この予算を使ってセミナーを受講したり、開発に必要な外部リソースを活用するなど、個々で学習環境を整えてもらっています。
例えば、クラウドインフラの構築に必要なコストが発生した場合、個人で負担することなく、会社が全面的にサポートしています。
――山田さんが社内で活用されているツールやアプリを開発されたと伺いました。具体的にはどのようなものを作られたのでしょうか?

山田:ダンボール1箱から預けられる宅配型トランクルームの「minikura」というサービスでは、倉庫で段ボールを開封し1点ずつ写真を撮ることで、ユーザーがアイテムの管理ができるという機能があります。スタッフが品物を撮影して画像にまとめる作業を効率化するために、専用ツールを開発しました。
また、社内で導入されていたIP電話ツールを活用し、コールセンター業務を効率化するWebアプリケーションも開発しました。
――アプリについて、社内からの反応はどうでしたか?
山田:電話の通話履歴を文字起こしする機能を作ったときには、「電話が終わった後に通話内容が要約されていてびっくりした」という感想をいただきました。「すごいですね」と感動されていたのは嬉しかったですね。
――こうした開発をスムーズに進められる背景には、社内の環境がしっかり整っていることも影響しているのでしょうか。
山田:そうですね。弊社では、例えばOpen AIのAPIサービスもすぐに使えますし、そのほかのGoogleやAmazon、Microsoftのクラウドサービスも使いたいと思えばすぐに使えます。
もし「やりたい」となったときに環境が整っていなくても、相談すればすぐに整えてもらえますね。そのため作業するうえでの「壁」が少ないと感じます。
「やってみたい」と思ったときに、最初の一歩を踏み出しやすい環境があります。また、「そんなこと必要ない」「やっても意味がない」といった否定をされることがなく、チャレンジを後押ししてくれる文化が根付いています。自分のやる気があれば、本当にどんなことでもチャレンジしていける環境だと思います。
――御社が社員の方々の「やってみたい」をここまで全面的にサポートされる理由を教えてください。
松尾:弊社は少ない社員数で多岐にわたる事業を展開しているため、システムグループにおいては協力会社の方々にもご協力いただいています。その際、協力会社さんとの良いご縁を探し、一つひとつの選択が正しかったかどうかを検証する作業が欠かせません。
こうした検証の中で、弊社が対応しなければならない場面が出てきた場合に備え、すぐに対応できる体制を整えておくことが重要だと考えています。そのために教育コストや学習コストを積極的に投資する方針を取っています。
ーーエンジニアのスキルアップやチャレンジが、そのまま事業の成長に直結するわけですね。
松尾:そうですね。まだ仕組みとしては発展途上ですが、教育やフォローの体制については、徐々に良いものが整いつつあると思います。
「やりたいことをカタチにしやすい」システムグループで働く魅力

ーー御社のシステムグループで働く魅力を教えてください。
松尾:2019年頃より社内のDXが進み、IT専門部署としての役割がより強化されました。経営層のサポートも手厚いため、業務を進めやすいと感じています。
そのため、自分がやりたいことを見つけられれば、形にしやすい環境だと思います。社員が立てた企画が通りやすい文化があり、これは他社にはない強みだと思うので、モノづくりが好きな方や、何かを成し遂げたい方には魅力的な環境です。
ただし、企画が通りやすい分、事業との関連性を考える視点が求められることもあります。「その企画がどの事業に貢献するのか」といったビジネス的な視点を持つことが重要です。
ーー「自分がやりたい」という気持ちに加えて、ビジネス的な視点を持つことが活躍につながるのですね。
松尾:その通りです。弊社は非常に幅広い事業を展開しているため、一つの事業だけに貢献する企画ではなく、異なる事業間で共通化を図るような取り組みであれば、全体としての価値を高めることができます。そうした広い視点で考えられる企画も、楽しんで取り組むことができるかと思います。
――システムグループとして、今後どのような方向性を目指していくのでしょうか?
松尾:本格的にシステムグループが始動してからおよそ5年半が経過しました。現在、初心に立ち返り、チームの目標やあるべき姿を見直すフェーズに入っています。
初心に立ち帰ったとき、改めて弊社にとってのシステムグループの存在意義は、寺田倉庫のITのプロフェッショナルとして、事業の課題解決に努めることだと考えました。それぞれの事業が持っている能力や機能をしっかり把握し「レガシーを守りながらも新しい価値を創出する」こと、事業のパートナーとして伴走できる部署になることを目標にやっていこう、というのが方向性の柱です。
充実の福利厚生~昼食補助制度の充実も
ーー御社の福利厚生について教えてください。
山田:働いている実感として、弊社は福利厚生が非常に手厚いと感じます。ここまで手厚い会社はそうそうないのではないでしょうか。すべて列挙するとなると時間がかかりそうです(笑)
なかでも面白い福利厚生として昼食補助制度があります。出勤時の昼食代の一部について会社の補助を受けられ、割安で昼食を取ることができます。
松尾:2024年からはスキルアップのための書籍購入補助や研修受講費用補助が出るようになりました。他にも制度はたくさんあって、把握しきれていません(笑)
――福利厚生の手厚さは、働きやすさにどのように影響していますか?
松尾:制度としてかなり整備されていると思います。特にシステムグループでは、働き方に裁量の幅が広く与えられています。プロジェクトが順調に進んでいれば、働き方を自分で調整できるのは大きなメリットです。ただし、その分、自分でスケジュールを管理し、責任を持って業務を進めることが求められます。自由度が高いからこそ、計画的に動く力が重要になりますね。
論理的思考力と読解力を備えた人財求む

ーーシステムグループの方々の働き方について教えてください。
松尾:システムグループに所属している社員のうち、開発に携わるメンバーはほぼフルリモートで働いています。一方で、情報システムを担当するメンバーは、社内サポートをしやすくするために常時2人以上が出社する体制を組んでいます。全体的なコミュニケーションの場としては、週に1回のミーティングを設けています。
ーーどのような方と一緒に働きたい、と考えていますか?
松尾:弊社では、エンジニアに対して特に重視しているのは論理的思考力と読解力です。ITに関する専門知識やスキルがなくても、情報を正確に読み解き、それを論理的に結び付けて活用する力があれば、十分に活躍していただけると考えています。
また、システムグループの業務は、他部門と同様に、上流工程に進むほど抽象的な思考やコミュニケーションスキルが求められる場面が増えていきます。そのため、しっかりとしたロジックを構築できる能力があれば、多くの業務を円滑に遂行することが可能です。
だからこそ、情報を的確に分析し、論理的に再構成できる思考力を持った方と一緒に仕事をしたいと考えています。
松尾さん、山田さん、お話ありがとうございました。寺田倉庫株式会社は、保管事業にとどまらず、倉庫空間を活用し、アート関連施設の運営や地域活性化にも取り組んでいます。
「やってみたい」を実現できる環境や、常にチャレンジできる職場を求めている方は、ぜひご応募ください 。
本記事の内容は取材時点の情報に基づいており、現在の状況とは異なる場合があります。


ライター:前嶋 翠(まえじま みどり)
COBOLが終わろうとする時代にプログラマのキャリアをスタートし、主にJavaエンジニアとして経験を積みました。フリーランスエンジニアとして活動していたとき、リーマンショックが起こったことをきっかけに家庭に入りました。出産を経て在宅でできる仕事として、ライターに。ITエンジニア経験のあるライターとして、IT業界のあれこれを皆さまにわかりやすくお伝えしていきます。