IT化やDXを進める企業を中心に、ハイクラスITエンジニアの需要が高まっています。ライバルも多い中、自社にマッチする優秀な人材の採用は困難です。
そこで本記事では、ハイクラスITエンジニアを採用するためのノウハウを詳しく解説します。

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ハイクラスITエンジニアの採用が難しい理由
まずは、ハイクラスITエンジニアの採用が難しい理由を理解しましょう。主に以下の3つの理由が考えられます。
- 求められる報酬水準が高い
- 流出のリスクが高い
- 転職市場に現れにくい
各理由について詳しく見ていきましょう。
求められる報酬水準が高い
ハイクラスITエンジニアの採用が難しい理由に、高い報酬水準があります。ハイクラスな人材は高度な専門性と豊富な実績を持つため、ほかのエンジニアよりも高い給与を求められます。
2024年3月に厚生労働省が発表した「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書によると、一般的なエンジニアと比べてハイクラスのエンジニアの賃金水準は100万〜150万円ほどの乖離がありました。
優秀な人材を獲得するためには、市場の報酬相場を理解し適切な給与を提示する必要があります。成長の機会や充実した福利厚生など、金銭以外の魅力も提示する必要があります。ハイクラスITエンジニアの期待に応える総合的な待遇を用意しましょう。
流出のリスクが高い
流出リスクの高さも、ハイクラスITエンジニアの採用が困難な理由のひとつです。高い専門性と経験を持つ人材は、他社からの引き抜きやキャリアアップの機会が豊富に存在するからです。
企業の魅力が不足していると、短期間で人材が流出してしまいます。ハイクラス人材はキャリアの選択肢が多岐にわたるため、企業の魅力が不十分だと感じられればほかの機会を求めて離職してしまいます。
明確なキャリアパスの提示や、職場環境の整備を行い、流出リスクの低減を図りましょう。挑戦的なプロジェクトへの参画機会や継続的な学習・成長の支援、ワークライフバランスの確保などが具体策です。長期的な定着を促すために、エンジニアのエンゲージメントを高めましょう。
転職市場に現れにくい
ハイクラスITエンジニアは一般的な転職市場に現れにくいため採用が困難です。多くの優秀なエンジニアは、リファラル採用(社員紹介)やスカウトを通じて転職するため、公開された求人市場には姿を現しません。潜在的に動くハイクラス人材が多いため、通常の求人広告や転職サイトだけではアプローチできません。
転職意欲が低い潜在層にアプローチする方法を用いて、ハイクラスITエンジニアにアプローチしましょう。社内の人的ネットワークを活用したリファラル採用の強化や、専門的なエージェントとの連携が有効です。業界イベントへの参加や技術ブログの運営といった企業の技術力や魅力を外部に発信する取り組みも、潜在的な候補者との接点を増やすのに役立ちます。
ハイクラスITエンジニアが転職で重視しているポイント
ハイクラスITエンジニアが転職で重視しているポイントは主に以下の4つです。
- 最新技術への挑戦
- キャリアアップの可能性
- 働きやすい環境
- 報酬や福利厚生
成長意欲の高いエンジニアは、最新技術への挑戦機会を重視します。技術の最前線で働ける環境を提示しましょう。キャリアアップの可能性も重要な要素であるため、昇進やスキル向上の機会を明確に示さなければなりません。
フレックスタイム制やリモートワークなどの柔軟な勤務体系も重要です。ワークライフバランスを重視する傾向にあるハイクラスエンジニアも働きやすいと感じるでしょう。
市場競争力のある報酬や充実した福利厚生も、求職者の関心を引く重要な要素です。以上のポイントを踏まえて採用戦略を整えましょう。
ハイクラスITエンジニアを採用するための13のノウハウ
ハイクラスITエンジニアを効果的に採用するためのノウハウを解説します。
- 社内外で情報を共有する
- ペルソナを明確に設定する
- 現場のエンジニアと連携する
- 面接官のスキルを向上させる
- 企業の情報を開示する
- エンジニアの視点に立つ
- 採用条件の緩和とターゲットを拡大する
- ポテンシャル採用を導入する
- 複数の採用方法を検討する
- 対面で面接する
- 選考期間を短くする
- 内定後から入社まで徹底的にフォローする
- 早期離職の対策を行う

社内外で情報を共有する
ハイクラスITエンジニアを採用するには、社内外での情報共有が不可欠です。採用担当者と現場のエンジニアが密接に連携し、ターゲット層に響く情報を集めましょう。技術トレンドや業界動向、求職者のニーズといった情報を多角的に収集・共有すれば魅力的な採用戦略につながります。
企業のビジョンや文化を社内で共有し、一貫性のある採用メッセージの構築も必要です。面接官全員が同じ方向性で候補者とコミュニケーションを取れるようになるため、企業の魅力をブレずに伝えられます。
採用活動の進捗状況や成果を定期的に社内で共有すれば、全社的な協力体制にもつながるでしょう。リファラル採用の促進にもつながり、質の高い候補者の獲得確率を高めます。
ペルソナを明確に設定する
ハイクラスITエンジニア採用において、ペルソナの明確化は重要です。理想的な候補者像を具体化して採用活動の焦点を絞り、効率的なアプローチを実現しましょう。「5年以上のクラウドインフラ経験を持ち、リーダーシップスキルがある35歳前後のエンジニア」といった具体的なイメージが必要です。
このペルソナの興味や動機を深く理解し、的確な訴求ポイントを見出します。技術的チャレンジやキャリア成長の機会、ワークライフバランスといった要素を明確にし的確な採用戦略を立てます。
ペルソナに基づいて採用広告や面接プロセスをカスタマイズすれば、候補者との適合性を向上可能です。技術志向が強いペルソナであれば、技術的な挑戦や最新技術の活用機会を強調します。
現場のエンジニアと連携する
現場エンジニアと連携できれば、ハイクラスITエンジニアの採用確率は向上します。採用プロセス全体に現場エンジニアを巻き込み、専門的な視点を活用しましょう。技術面接や課題評価において、現役エンジニアの意見は候補者の実力を正確に判断する上で効果的です。
候補者にとって現場の実際の雰囲気は重要な判断材料です。現場エンジニアとの直接対話の機会を設ければ、候補者は自身のキャリアとのマッチングを具体的にイメージでき、信頼性と透明性の向上につながります。
現場エンジニアが採用活動に参加し、社内の採用に対する意識が向上すれば、リファラル採用の促進にもつながります。現場エンジニアの負担にも配慮し、適切な役割分担と支援体制を整えましょう。
面接官のスキルを向上させる
ハイクラスITエンジニアの採用成功には、面接官のスキル向上が不可欠です。技術的知識だけでなく、候補者との信頼関係を構築できるコミュニケーション能力が求められます。面接官は候補者の経験や志向を深く理解し、適切なフィードバックができるようトレーニングも必要です。
適切な質問や評価基準を用意し、公平で効果的な選考を実現しましょう。技術力の評価はもちろん、問題解決能力やチームワークなどの評価ができるよう、面接官のスキルアップも大切です。
面接後の振り返りやフィードバックセッションは、継続的な改善につながります。面接官のスキルが向上すれば、候補者の本質を見抜き会社との適合性を正確に判断できる体制が構築できます。
企業の情報を開示する
ハイクラスITエンジニアを採用するには、企業情報を積極的に開示しましょう。職場環境やプロジェクトの詳細は、透明性を持って伝えなければなりません。具体的な技術スタックや開発手法、チーム構成といった情報は候補者の興味を引き、入社後のミスマッチを防ぎます。
企業文化や成長性の強調も、候補者の関心を引くために必要です。技術的なチャレンジや学習機会、キャリアパスの明確化といった要素を具体的に提示し、エンジニアに魅力的な職場環境をアピールします。
社員の声や実際の業務内容を紹介するブログやSNSの活用も有効です。候補者は企業の実態をより深く理解でき、入社後のイメージを具体的に描けます。ただし、機密情報の取り扱いには注意しましょう。
エンジニアの視点に立つ
エンジニアの視点に立った対応は、ハイクラスITエンジニアの採用に不可欠です。技術者としての価値観やニーズへの深い理解が求められます。最新技術への挑戦機会や、自己実現の場を求めているという点を認識し、対応できる環境を提示しましょう。
選考プロセスの負担軽減や配慮も必要です。長時間の技術テストや複雑な課題は、候補者にとって負担となります。効率的かつ効果的な選考方法を検討し、候補者の時間と労力を尊重する姿勢を示さなければなりません。
技術的な意思決定への参加や継続的な学習機会の提供などを強調すれば、候補者の興味を引き出せます。技術的な対話を通じて、候補者の専門性を尊重する姿勢が伝われば信頼関係の構築に役立ちます。
採用条件の緩和とターゲットを拡大する
条件の柔軟な見直しとターゲットの拡大は、ハイクラスITエンジニアを採用する際の重要な戦略です。従来の厳格な要件を再評価し、必須スキルと希望スキルを明確に区別しましょう。潜在的な人材層にアプローチでき、優秀な候補者の見落としを防げます。
スキルや経験だけでなく、学習能力や成長意欲も重要な評価基準です。技術の進化が速いIT業界では、現在のスキルセットよりも新しい技術を習得する能力や意欲が長期的には重要だからです。
異業種からの転職者にも目を向ければ、多様な視点や経験を持つ人材を獲得できます。関連分野での経験や独学でスキルを磨いた自己学習者なども、潜在的な候補者として考慮しましょう。
ポテンシャル採用を導入する
ハイクラスITエンジニアの採用戦略として、ポテンシャル採用は有効です。即戦力だけでなく、将来性のある人材発掘への注力も重要な戦略です。技術力だけでなく、学習能力や問題解決能力、チームワーク力などの能力を評価基準に加え、長期的な視点での人材獲得を実施しましょう。
育成を前提とした長期的な採用戦略の構築も必要です。入社後の教育プログラムや成長支援体制を整備し、候補者に明確なキャリアパスを提示すれば潜在能力の高い人材に関心を持ってもらえます。
インターンシップやトライアル雇用などの制度を活用し、業務を通じて候補者の潜在能力を評価する機会も有効です。書類や面接だけでは判断しきれない資質を見極められるため、適切な採用決定につながります。
複数の採用方法を検討する
ハイクラスITエンジニアを確保するには、いろいろな採用方法の検討が不可欠です。リファラル採用やスカウトなど、従来の求人広告以外の手法を積極的に活用しましょう。社員からの紹介は、企業文化にマッチした候補者を見つける効果的な方法です。スカウトは潜在的な転職希望者にアプローチする手段として有効です。
技術イベントやハッカソンを活用すれば、候補者と直接接点を持つ機会を増やせます。技術力の高いエンジニアに対して、企業の技術力や文化をアピールする絶好の機会です。
オンラインプラットフォームやSNSを活用した採用活動も効果的です。技術ブログの運営やオープンソースプロジェクトへの貢献を通して企業の技術力を可視化すれば、優秀なエンジニアの目に留まる機会が増加します。
対面で面接する
対面での面接はハイクラスITエンジニアの採用において非常に重要です。対面での交流はオンラインでは伝わらない候補者の人柄をより深く把握できます。非言語コミュニケーションや雰囲気など、画面越しでは伝わりにくい要素を直接感じ取ることができるからです。
信頼関係を築くための重要なステップとしても対面面接は活用できます。候補者に会社の雰囲気や文化を直接体験してもらえば、相互理解が深まり入社後のミスマッチを防止できます。
対面面接では、オフィス見学やチームメンバーとの交流といった体験も提供可能です。候補者は自身のキャリアとのマッチングをより具体的にイメージできるため、入社への意欲向上につながります。
選考期間を短くする
ハイクラスITエンジニアの採用を成功させるには、選考期間は短くしましょう。スムーズな対応は、候補者のモチベーションを維持し入社意欲を高める鍵となるからです。優秀なエンジニアほど複数の企業から声がかかっているため、競合他社に先んじるために素早い選考プロセスは不可欠です。
スムーズな選考プロセスを実現するためには、内部調整の効率化が求められます。面接官のスケジュール調整を事前に行い、候補者の都合に合わせて柔軟に対応できる体制を整えましょう。各選考段階での評価基準を明確化し、スムーズな判断ができる環境構築も必要です。
選考プロセスの最適化を実施する際には質を犠牲にしないよう、各段階で必要な情報を確実に収集できる仕組みが求められます。
内定後から入社まで徹底的にフォローする
内定後から入社までのフォローも、ハイクラスITエンジニアの採用成功の鍵となります。定期的な連絡やフォローアップで候補者の不安を解消しましょう。内定者は現職との兼ね合いや新しい環境への不安を抱えている場合があるため、こまめなコミュニケーションで信頼関係を構築し、安心感を与えることが大切です。
入社意欲を高めるために、オンボーディングプロセスの明確化も有効です。具体的な入社後の計画や担当プロジェクトの概要、研修スケジュールなどを事前に共有すれば、候補者の期待感を高めスムーズな立ち上げを支援できます。
内定者同士の交流会や現職社員との懇親会も有効です。入社後の不安を軽減し、チームへの早期適応につながります。
早期離職の対策を行う
採用したハイクラスITエンジニアに定着してもらうには、早期離職の対策が必要です。入社後の環境適応をサポートし、定着率を向上させる取り組みを行いましょう。業務内容や社内システム、企業文化への理解を深めるサポートを行い、新入社員の不安を軽減しスムーズな業務開始を手助けします。
入社後のフィードバックやフォローアップ、上司や人事部門との1on1ミーティングなどを通じて、業務の進捗状況や課題、キャリアの方向性などを確認しましょう。早期に問題を発見できるため、必要なサポートを提供してスムーズに解決できます
メンター制度の導入や研修プログラムの提供などで、継続的な成長支援体制を整えましょう。キャリア開発の機会を提供すれば長期的な定着につながります。
まとめ
ハイクラスITエンジニアの採用は、企業の成長と競争力維持に不可欠です。本記事で紹介した13のノウハウを参考にして、優秀な人材獲得の戦略を構築してください。
自社での戦略構築が困難な場合は、専門的なサポートの活用をおすすめします。「社内SE転職ナビのダイレクトリクルーティングサービス」であれば、ハイクラスITエンジニアとの効率的なマッチングが可能です。
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