ダイレクトリクルーティングに必要な初期準備

従来の方法では人材獲得に行き詰まりを感じている人事担当者は多いでしょう。近年注目を集めているダイレクトリクルーティングは、企業が求める人材に直接アプローチする「攻め」の採用戦略です。従来の「待ち」の採用方法とは異なり、企業が主体的に候補者を探し出してコンタクトを取ります。 

本記事ではダイレクトリクルーティングの概要や必要な初期準備、成功させるポイントについて解説します。ITエンジニアを効果的に獲得したい方は、最後までご覧ください。 

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この記事の目次

ダイレクトリクルーティングとは 

ダイレクトリクルーティングは、企業自らが理想の候補者を見つけ出し積極的にアプローチする「攻め」の手法です。 

企業は人材データベースなどを活用し、自社の要件に合う人材を絞り込みます。選定した候補者とコンタクトを取り、自社の魅力や職務内容を直接伝えるのです。企業と候補者の相互理解が深められるため、採用のミスマッチを防げます。 

さらに、ダイレクトリクルーティングは採用プロセスの効率化にも貢献します。企業が主体的に動くため、選考から内定までの時間を短縮可能です。優秀な人材をスムーズに確保し、採用成功率の向上につながります。従来の「待ち」の採用戦略を重視している企業に先んじて優秀な人材が確保できるため、企業の競争力強化に役立ちます。 

ほかの採用方法との違い  

ダイレクトリクルーティング以外の主な採用方法は以下の3種類です。 

  • 求人媒体 
  • 人材紹介 
  • 転職フェア 

求人媒体を活用した場合、企業は応募を「待つ」立場に置かれます。候補者の数や質が制限される傾向にあるため、理想の人材を見つけるのに時間がかかる傾向にあります。 

人材紹介サービスは質の高い候補者を紹介してくれるものの、高額な成功報酬がネックです。転職フェアでは多くの求職者と直接会える一方で、一人ひとりの候補者と深い対話はできません。準備や当日の運営に多くの工数がかかるのも課題です。 

一方で、ダイレクトリクルーティングでは、企業が「攻め」の立場に立って自社に最適な人材にピンポイントでコンタクトを取ります。費用を抑えたうえで、一人ひとりの候補者と深い対話ができるのも特徴です。 

ダイレクトリクルーティングの初期準備  

自社でダイレクトリクルーティングを採用するのであれば、以下の4つの準備が必要です。 

  • 業務フローを把握する 
  • 要件定義する 
  • アカウントをつくる 
  • 求人票テンプレートをつくる 

それぞれについて詳しく解説します。 

業務フローを把握する 

ダイレクトリクルーティングを成功させるために、採用全体の業務フローを把握しましょう。採用チームの役割分担を明確にし、誰がどの業務を担当するのかを決定します。候補者の検索やスカウトメールの作成、面接のスケジューリングなどの責任者を定めれば、スムーズな運用につながります。 

候補者対応を行うタイムラインの設計も重要です。スカウトメール送信から面接までの期間を設定し各段階でのフォローアップを決めておけば、候補者との良好な関係を維持できます。 

現状の採用プロセスとダイレクトリクルーティングの整合性を確認し、既存の選考フローに組み込むか、新たなフローを設計するかを検討します。全体の採用戦略と齟齬のないフローを構築しましょう。 

要件定義する 

業務フローを把握したら、採用したい人材の要件を明確に定義しましょう。求める具体的なスキルや経験を洗い出し、技術スキルや業界経験、語学力など職種に応じた要素を詳細に列挙します。 

次に、ターゲット層の職種や業界、年齢層を設定します。ダイレクトリクルーティングを成功させるには、「IT業界で5年以上のプロジェクトマネジメント経験がある30代後半〜40代前半の人材」というように、具体的なイメージが重要です。 

理想的な候補者像を人事部門だけでなく、採用後に一緒に働く現場の管理職や同僚とも意見交換を行い、求める人物像の認識を合わせておきましょう。選考過程での評価基準が統一され、入社後のミスマッチを防ぎます。 

アカウントをつくる 

魅力的な企業プロフィールもダイレクトリクルーティングを始める際に準備すべきです。候補者の目に留まるよう、会社の強みや特徴、企業文化などを分かりやすく示しましょう。具体的な成功事例や従業員の声を盛り込めば、より親近感が伝わります。 

連絡用のアカウントは統一しておきましょう。複数の担当者が関わる場合でも、一貫したコミュニケーションを取れるよう、共通のメールアドレスや連絡先を設定します。候補者からの問い合わせに対して、スムーズかつ的確に対応可能です。 

安全な採用活動を進めるために、アカウント作成時にはパスワードの設定や定期的な変更、二段階認証の導入をおすすめします。 

求人票テンプレートをつくる 

効果的な求人票テンプレートも、ダイレクトリクルーティングの成功に不可欠です。単なる業務内容の羅列ではなく、求職者の心に響く魅力的な文章で仕事のやりがいや成長機会を具体的に伝えましょう。 

仕事内容や必要なスキル、会社の魅力を簡潔に記載し、箇条書きや見出しを活用して読みやすさを重視します。具体的な数字や実績を盛り込めば、表現に説得力が生まれます。 

複数のテンプレートを用意し、ターゲットに応じた運用がおすすめです。経験者向けと未経験者向け、あるいは職種ごとにテンプレートを作成すれば、的確なアプローチにつながります。より高い反応率が得られるように、定期的にテンプレートの効果を検証し、継続的に改善することをおすすめします。 

ダイレクトリクルーティング準備後の流れ   

ダイレクトリクルーティングの準備が完了したら、下記の流れで採用活動を実施していきましょう。 

  • スカウト対象者を検索する 
  • スカウトメールを送信する 
  • 応募受付・日程調整する 
  • 面談する 

一つひとつ確認して、実務にご活用ください。 

スカウト対象者を検索する 

ダイレクトリクルーティングの成功は、適切な候補者選定にかかっています。各プラットフォームに用意された検索機能を活用して、候補者を絞り込んでいきましょう。事前に設定した採用要件に基づいて、学歴や職歴、スキルセットなどの条件を入力して検索します。 

機械的な絞り込みだけでなく、候補者の職歴やスキルセットの確認も重要です。直近の職歴だけでなく、以前の経験も考慮に入れます。業界や職種の類似性、プロジェクトの規模感なども、自社の求める人材像と照らし合わせて評価します。 

候補者のキャリアの変遷や成長曲線にも注目し、将来性や適応力の見極めも大切です。多角的な視点の評価は、単なるスキルマッチングを超えた、質の高い人材発掘につながります。 

スカウトメールを送信する 

候補者を絞り込んだら、次はスカウトメールの送信です。テンプレートを利用した文章ではなく、個別にカスタマイズした内容でメールを送信します。候補者の経歴や実績に言及し、なぜその人材に注目したのかを具体的に伝えましょう。 

会社やポジションの強みも明確に伝えなければなりません。単なる業務内容の説明ではなく、成長機会やチャレンジの機会について具体的に示し、候補者の関心を引き出します。 

返信を促す具体的なアクションも忘れてはいけません。「お話を伺える日程を3つほど教えていただけますか?」といった具体的な問いかけを入れれば、返信のハードルを下げられるでしょう。 

候補者が読みやすい構成を心がけ、太字も活用するなどして視覚的な工夫も効果的です。 

応募受付・日程調整する 

候補者から返信があれば、できるだけ早く対応しましょう。24時間以内、できれば数時間以内の返信がおすすめです。候補者に誠意が伝わり、就職へのモチベーション維持につながります。 

スムーズに日程を調整するには、Googleカレンダーなどのオンラインツールの活用がおすすめです。候補者が選びやすいように、候補日は複数提示しましょう。 

面談の形式(対面、オンライン)や所要時間、参加者などの詳細な情報は、事前に候補者と共有します。事前に情報が伝われば、候補者は安心して面談に参加できます。 

面談前に候補者に伝えておくべき情報(準備すべき資料や、話し合いたいトピックなど)があれば、日程調整の段階で共有しておけば充実した面談につながります。 

面談する 

面談は会社と候補者がお互いを深く理解する機会です。会社のビジョンやポジションの魅力を分かりやすく伝えましょう。単なる業務内容の説明だけでなく、その仕事が会社や社会にどのような影響を与えるのかを大きな視点で語り、候補者の興味を引き出します。 

候補者の経験や価値観を引き出すための質問も不可欠です。「具体的にどのような課題に直面し、どのように解決したか」といった質問は、候補者の問題解決能力や思考プロセスを理解する上で有効です。 

面談後は結果を採用チームで速やかに共有し、次のステップを決定します。合格の場合は具体的なオファー内容の検討、不合格の場合は丁寧なフィードバックの準備を行います。採用プロセスの改善点なども議論しておくとよいでしょう。 

ダイレクトリクルーティングを成功させるコツ 

ダイレクトリクルーティングの準備と流れが理解できたら、成功させるコツも押さえておきましょう。ここでは主に3つのコツを解説します。 

  • 求職者の立場になる 
  • 担当者に任せきりにしない 
  • 直接会いに行く 

順番に見ていきましょう。 

求職者の立場になる 

ダイレクトリクルーティングを成功させるには、求職者の立場になるのがポイントです。求職者にとっての「魅力」を理解した上で、適切な情報を提供しなければなりません。単に職務内容を列挙するのではなく、その仕事で得られる成長機会やキャリアパスを具体的に伝えましょう。 

求職者との信頼関係を築くには、採用過程の透明性が重要です。選考の各段階で評価している点や次のステップまでかかる時間など、プロセスを明確に説明すれば求職者の不安を軽減できます。 

丁寧なフォローアップも不可欠です。面接後のフィードバックをすぐに行い、次のステップについて明確に伝えましょう。候補者の不安が解消され、エンゲージメントの向上につながります。 

担当者に任せきりにしない 

採用担当者に任せきりにせず、経営層や現場の担当者も積極的に採用活動に参加すれば成功確率はあがります。経営者が直接候補者と対話すれば、企業のビジョンや価値観をより深く伝えられ候補者の共感につながるでしょう。 

チーム全体で候補者をサポートする体制が築ければ、多角的な視点から候補者を評価し人材を見極められます。例えば、技術職の採用であれば現場のエンジニアが面接に参加し、専門的な観点から候補者のスキルを評価が可能です。 

採用活動の進捗は定期的に見直さなければなりません。経営層を含めた採用チーム全体で、応募状況や選考の進捗、課題などを共有し戦略の軌道修正に生かしましょう。組織全体で採用に取り組めば、より質の高い人材の獲得につながります。 

直接会いに行く 

オンラインコミュニケーションが主流となった今だからこそ、直接会って行う対話は重要です。ダイレクトリクルーティングでは、候補者との信頼関係構築が重要であるため、対面でのコミュニケーションがその鍵となります。 

直接会えば候補者の表情や態度、雰囲気などを直に感じ取ることができます。書類や画面越しでは分からない人柄や熱意を理解できるでしょう。また、対面での面談は候補者の本音やモチベーションを引き出すのに適しています。リラックスした雰囲気で深い対話を行えば、お互いの理解が深まりミスマッチの防止につながります。 

このように、直接会って話をする機会を積極的に設ければ、候補者との信頼関係が築かれ採用成功の確率アップにつながるのです。 

おわりに 

ダイレクトリクルーティングは企業が主体的に理想の人材を見つけ出し、採用につなげる効果的な手法です。本記事で解説した準備や実践のポイントを押さえれば、より効率的で成功率の高い採用活動が実現できるでしょう。 

ただ、ダイレクトリクルーティングを一から構築し、運用していくのは決して容易ではありません。そこで、社内SE転職ナビのダイレクトリクルーティングサービスの活用をおすすめします。理想の人材獲得への第一歩を踏み出し、貴社の成長戦略を加速させましょう。 

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