地図データを起点に未来を描く—株式会社マップルの新たな価値創造

株式会社マップル ロゴ

会社紹介
社名:株式会社マップル
代表:代表取締役社長 大日方祐樹
事業内容:地図や観光ガイドデータベースおよびそれらを利用したデジタルソリューションの提供

株式会社マップルは、地図帳「スーパーマップル」や観光ガイドブック「まっぷるマガジン」「ことりっぷ」を展開する昭文社のグループ企業です。マップルが保有する地図データや観光ガイドデータを利用して様々なお客様の課題解決を行うデジタルソリューションを提供しています。今回は、同社企画開発本部 本部長 吉橋 誠さんに同社の事業や採用計画についてお話を伺いました。 

プロフィール
企画開発本部 本部長 吉橋 誠さん 
1992年に中堅SIベンダーで開発者のキャリアをスタート。その後、小規模ソフトハウスや個人事業で開発経験を積んだのち、地図関連企業に入社。地図に関連するサービス・アプリ開発を行う。2008年に昭文社の子会社へ入社、地図・カーナビや電子書籍アプリの企画を手がける。現在は株式会社マップルの企画開発本部本部長として活躍中。

この記事の目次

株式会社マップルが取り組む「地図データの多彩な活用方法」とは

部屋の中に立っている男性

中程度の精度で自動的に生成された説明 
――御社の事業について教えてください。 

吉橋 誠さん(以下、吉橋): 
株式会社マップルは、地図帳「スーパーマップル」やガイドブック「まっぷるマガジン」「ことりっぷ」を出版する昭文社のグループ会社です。 

主な事業として、地図や観光ガイドのデータベースを活用した法人向けデジタルソリューションを提供しています。 

具体的には、法人向けに地図データや観光ガイド情報を提供するほか、地図を提供するAPIやカーナビのソフトウェアなど手がけています。また、訪日外国人観光客向けの日本観光ウエブサイトの提供も行っており観光を中心とした地域創生も手掛けています。 

弊社の地図クライアントには、警察や消防といった官公庁系のお客様、不動産業のお客様が多くいらっしゃいます。また、地域創生分野では、地方自治体やDMO(地域観光推進法人)など、観光客誘致を課題とするお客様に多くご利用いただいています。 
 

――具体的には、どのような形で御社の地図データが活用されているのでしょうか? 

吉橋:弊社の地図データは、例えばインターネットなどでみなさんが見かける地図に利用されています。地図上の情報をより多く配置し、地図を見ることで場所を把握しやすいようデータの作成から配慮がされております。地図から土地の雰囲気が伝わる特徴を持っています。 

他にも自動車の走行するルートを計画するために利用する「道路ネットワークデータ」やさらに、登山道の情報として「山あるきデータ」、歩道や歩道橋、横断歩道など歩行者が通行可能な情報として「歩行者ネットワークデータ」として提供、見た目だけではないデータを提供することもあります。 

地図データの収集から活用まで—正確性と価値を追求するマップルの挑戦 

――地図の作成には膨大なデータが必要となるかと思いますが、どのような手法でデータを蓄積されているのでしょうか? 

吉橋:これは、地道に取材してデータを収集しています。ちょっと変わった例でご説明すると、たとえば「山あるきデータ」を作成する際、その山に詳しい、弊社で「著者」と呼んでいる方に、地図とGPS、カメラを持って実際に登山していただきます。そして、登山道や山小屋、危険な場所等を一つひとつ確認していきます。体力も使うし危険もある意外と大変な作業となります。 

データ収集の頻度について「一度取材したらずっと使える」と考える方もいますが、実際には山も街も、年月とともに風景が変わっていきます。以前は通れた道が通れなくなっていることもあります。そのため、最新のデータを収集・更新し、正確で役立つ情報をお届けしています。 

――観光ガイドデータについても提供されているとのことですが、具体的にはどのような内容ですか? 

観光ガイドデータについては、ガイドブックに掲載されている物件情報をデータとして提供しています。 

また、観光地のエリア定義は自治体の管理するエリアと異なることがありますので、観光地のエリアというデータについてもあわせて提供しています。 

たとえば「伊豆・箱根」は一つの観光地として括られることがありますが、伊豆は静岡県で、箱根は神奈川県です。このように、行政区分では観光地をとらえきれないため、実際に観光客が認識しているエリアを基準に定義したデータを提供しています。 

さらに、季節ごとのイベント情報もあります。たとえば花見、花火、紅葉といった「今、見ごろなのか」を知るためのリアルタイムなデータの提供もしており、様々なデータを充実させることで、多くのニーズに応えています。 
 

――長年提供されている「スーパーマップル・デジタル」をはじめ、地図データを活用したサービス展開の中で、ビジネス活用を目指す際の工夫について教えてください。 
 
パッケージソフトでパソコンにインストールして利用する「スーパーマップル・デジタル」は、毎年新しいバージョンを発売して現在はバージョンが25になります。一般ユーザーがインターネットを使用して場所を把握するのが当たり前になった時代ですが、「地図をビジネスに活用していただきたい」と考えており、異なる用途での住み分けができると考えています。 

弊社は地図データを資産として保有していますが「データを提供します利用してください」では、今の時代に合ったビジネスとはいえません。「”地図をベースにしたサービス”の提供をもって、皆さまの役に立ちたいと考えています。 

顧客の声に応え、一歩先の価値を生み出すエンジニアたち 


――エンジニアの方々は、御社でどのようなプロジェクトに携わっていらっしゃいますか? 

吉橋:「地図配信 API」「店舗・施設検索システム」などWEB関連サービスや、「マップルナビ」「業務用カーナビSDK」「ルートナビゲータ」などカーナビ関連商品、「法務局地図ビューア」「地図プラグイン for Kintone」などの新規サービス等様々なプロジェクトでエンジニアは活動しています。弊社が特にエンジニアを増員し、強化したいと考えているのは「業務用のカーナビ SDK 」のプロジェクトです。よりマップルらしい形に進化させることを目指しています。 


――エンジニアチームとしての指針や方向性について教えてください。 

吉橋:弊社にはさまざまな部署やチームがあり、それぞれの方針で動いていますが、私が担当する企画開発本部では、特に次の3つをチームの方向性として掲げています。 

1つ目は、顧客の声に耳を傾け応えること。 

2つ目は、挑戦をして成長を続けること。 

そして3つ目は、唯一無二の価値を創造し、オンリーワンを目指すことです。 
 

「仕事に真摯に向き合い、さまざまな課題を解決する提案をしていきましょう」ただお客様に言われたことだけをこなすのではなく「”マップルだからこそできること”を付加価値として提供しよう」と伝えています。 

お客様に求められたことをそのまま返すだけでは、他社との差別化は難しい。だからこそ、課題に対して一歩踏み込んだ提案をチームで考え新たな価値を生み出していきたいと考えています。 

対話から生まれるアイデア—意見を大切にするコミュニケーション文化 


――御社の社内のコミュニケーションについて教えてください。 

吉橋: オンラインでのコミュニケーションツールはメールやチャットビデオ会議を日常的に使っています。また、開発に関連するツールではチームごとに使いやすいツールを選んで活用しています。「迅速なコミュニケーションをとること」という基本だけは全員が守ることを徹底してもらっています。 


――コミュニケーションの変化について、詳しく教えてください。 

吉橋:以前は開発部と営業部など、いくつかの部署が別々の場所で働いていましたが現在は一つのオフィスに集まり、対面でコミュニケーションが取りやすくなりました。日常のちょっとした会話ができるようになったことで、お互いの距離感が縮まり、気軽に相談できる環境が整ったと思います。社員の様子を見ていると、雑談が職場によい影響を与えていると思います。 

フレックスやリモートワーク、フリーアドレス等も取り入れていますが、気軽な関係が一度出来上がることでオンラインのツールもより有効に活用できるようになると思いますので、コミュニケーションが活発化する新しい働き方はどんどん取り入れていきたいと考えています。 

――コミュニケーションにおいて、最も大切にされていることを教えてください。 

吉橋:特に大切にしているのは、メンバー全員がきちんと意見を持ち、それを共有できる環境を整えることです。 

たとえば、少人数の会議で主導的に話す人がいる一方で、終盤まで発言のない人がいることがあります。「あの人、何か話したっけ?」とか「その人の意見、聞いてないよね」と感じる場面もあります。性格による部分もあるかもしれませんが、会議に出席している以上、自分なりの意見を持ち、考えをアウトプットしてほしいと思っています。 
 

そのため、発言していない人には「この件についてどう思いますか?」といった形で、こちらから声を掛けるようにしています。ただ、無理に発言を促すのではなく、相手が話しやすいようにライトなトーンで、できるだけ負担に感じないような話し方を意識しています。 
 
会議で自分の考えをアウトプットすることで、「自分もこの組織の一員なんだ」「このプロジェクトに関わっているんだ」と実感してもらえると思っています。 


――採用状況についてはいかがでしょうか。 

吉橋:現在は業務用カーナビを支えるルート探索エンジンの開発エンジニアと、アプリケーションエンジニアのポジションです。 

ルート探索エンジニアは、カーナビで目的地を設定した際に、適切なルートを選定するソフトウェアの開発を行います。カーナビの中でも重要な部分であり、これを自社内でしっかりと作り上げることで、私たちの強みをさらに育てていきたいと考えています。 

採用要件としては、組込みシステムの開発経験が2~3年程度あることと考えています。また、数学的な知識や論理的思考が求められる業務ですので、そうした経験があると業務をスムーズに進めていただけると思います。 

アプリケーションエンジニアでは「新しいものづくりをしていきたい」といった思考を持ち、能動的に行動できる方を採用したいと思っています。要件としては、フロントエンドの開発経験が重要となります。必須ではないですが地図関連のご経験があれば業務で活かしていただけるでしょう 。 
 
業務としては受託開発ではあるものの、実際の業務は自社開発にかなり近いため、課題解決力や提案力を活かしてプロジェクトを推進したい方にご活躍いただけるかと思います。 


吉橋さん、お話ありがとうございました。 地道に、かつ確実に収集した地図データを活用して、社会をより便利にするサービスを提供し続ける株式会社マップル。業務用カーナビの開発に携わりたい方、数学の知識を活かしてルート探索エンジニアを目指したい方は、ぜひご応募ください。 

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