会社から目標シートの提出を求められた際に何を書いたら良いのかわからず、困ったことはありませんか。ITエンジニアとして働いている方の中には、毎日の仕事に追われ、目標を設定する余裕がないという人もいるかもしれません。しかし、長期的に活躍できるエンジニアになるためには目標を定期的に見直し、正しい目標設定をすることが重要です。
今回はエンジニアにおける目標設定の重要性やポイントについて具体例を交えながら解説していきます。
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なぜ目標設定が必要なのか
目標設定は働く全てのビジネスパーソンにとって重要と言えます。なぜなら、目指すべきゴールがわからなければ、進むべき道もわかるはずがないからです。
エンジニアにとっても例外ではありません。目標設定は自分自身の成長や自己実現のためにも必要不可欠です。目標を設定することでモチベーションを維持することができ、達成感を感じられます。
また、多くの会社は目標設定を人事評価やマネジメントに活用しています。PDCAサイクルを回しながら、目標設定及び管理を行うのが通常です。目標設定を行うには、まずプロジェクトの最終ゴール(KPI:重要業績評価指標)を設定し、このゴールに向けたタスクや期日を決めます。
次に、定期的に進捗を振り返りながら、期日までに業務に取り組みます。そして最後に、期日を迎えた際に全体のフィードバックや評価を行うというのが一連の流れです。会社側はこの一連のサイクルの中で従業員が実施してきたプロセスや達成度、成功・失敗の要因分析をして、評価を決定するのです。
自己成長や自己実現だけでなく、企業から適正な評価を受けるためにも目標設定は非常に重要と言えるでしょう。
目標設定をするメリット
目標設定をすることで得られるメリットは様々あります。例えば、業務を遂行する上でモチベーションを一定に保てます。人に指示されて業務を行うよりも、自分で設定した目標に対して進む方が能動的に取り組めるため、やる気を保ちながら業務に取り組むことができるでしょう。
他にも、目標設定することでメリハリのある働き方ができ、理想の働き方に近づくことができます。目標を立てると、それに向かって計画的に行動するようになり、効率的な時間の使い方が可能になるでしょう。また、目指すべきゴールが見えるようになると、今の自分が取るべきアクションが明確になります。併せて今の自分ができていること・不足していることや強み・弱みと向き合うことになるので、スキルの棚卸しや今後のキャリアを考える良い機会にもなるでしょう。
目標設定をする際に大切なポイント
エンジニアが目標を設定する際には気をつけておきたいポイントがいくつかあります。
目標は闇雲に設定すれば良いというものではありません。どの役職においても具体的かつ定量的な目標を設定するということは共通項です。例えば、「世の中の人のためになるwebサイトを作りたい」という漠然とした目標では、次にどのようなアクションを起こせば良いのか明確ではありません。
このような定性的な目標だけでは、ゴールに向けてやるべきことがわからず、結局目標が達成できないということに陥りがちです。そのため、数値化して目にみえるような目標を立てることを心がけましょう。
また、マクロな視点で目標設定をすることも重要なポイントです。すなわち、目の前のプロジェクト目標だけを語るのではなく、将来のビジョンを組み立てた上で日々の業務とどう向き合うかを決めていくのです。自分のなりたい姿を思い描いた上で、日々の取り組み方について考えていきましょう。
具体的な目標にする
エンジニアの目標はできるだけ具体的で定量的な設定になるように意識することが大切です。曖昧で数値化できない、いわゆる定性的な目標だけでは実際の行動に移すことが難しくなります。例えば、「半年後に月間ユーザーを1万人以上、年間売上5,000万円」や「サイトから流入した月間売上200万円以上」のような具体的な数値で目標を立てると良いでしょう。
また、目標設定時には「いつまでに何をする」という期限も同時に決めておくことも大切です。期日を決めることで現時点の進捗の把握やフィードバックが行いやすくなります。できるだけ具体的かつ定量的な目標を立て、それぞれの達成度を定期的にフィードバックし、改善を行うというサイクルを回すように意識しましょう。
ITエンジニアと言っても業務内容は様々です。システムエンジニアとインフラエンジニアでは行っている業務が全く違います。そのため、具体的かつ自分の業務に落とし込んだ内容になるように目標設定するようにしましょう。
目の前の業務内容だけではなく、キャリア面でも目標を立てる
目標設定においては目の前のプロジェクトに関することだけでなく、キャリア面での目標を立てることが重要です。特に近年、エンジニアのキャリアは多様化しています。フリーランスとして独立する人もいれば、今の会社で経験を積んで職位をあげていく人もいるでしょう。
それぞれのポジションで求められるスキルや経験は異なってくるため、「3年後、5年後のなりたい自分」をイメージして目標を設定することが大切です。これを考えるだけでも、エンジニアとしての働き方や日々の取り組み方が変わってくるでしょう。
キャリア面での目標が定まれば、今何をすべきかを逆算しながら行動することができます。このような観点からも、目の前の業務内容に関する目標だけでなく、キャリアゴールをきちんと考えておくことが重要なのです。
自分のフェーズで求められていることも意識する
目標を設定する際に気をつけておきたいこととして、自分のフェーズで求められていることを意識することです。つまり、現在の自分の立場やレベルに合った適切な目標を立てることが重要なのです。例えば、新人エンジニアが管理職の水準で目標を掲げても、難易度が高いため達成できないでしょう。
逆に経験値の高い中堅エンジニアが、新人エンジニアの水準で目標を掲げても、意味がないものになってしまいます。新人、若手、中堅、ベテランとキャリアに応じて求められることは変わってきます。この点を意識した目標を立てると会社や上司から良い評価を受けることもでき、年収アップにも繋げていけるでしょう。
若手エンジニアの目標設定
若手エンジニアは社会人になって間もなく、実務経験が少ないため、目標設定に迷う方もいるかもしれません。若手の場合、まずは現在取り組んでいる業務の内容に関連した目標設定にすると良いでしょう。加えて、若手のうちからやっておきたいことは、自分のなりたい方向性を明確にしておくことです。
例えばエンジニアとして技術力を高めてスペシャリストを目指す、技術力をある程度身につけたら管理職(マネジメント職)を目指す、ITの知識を生かしてITコンサルタントを目指すなど、目指す方向性によって身についておくべき知識も変わってきます。新人のうちはすぐには決められないかもしれませんが、長期的な視点で目標を考えられるようになっていると、今後のキャリアパスもスムーズです。
なりたい方向性を決めることが難しければ、ロールモデルを見つけることから始めても良いでしょう。「5年後、こういう人になっていたいな」「こういう働き方がしたいな」と思う人を見つければ、自分の現状に照らし合わせながら目標を立てることができます。
自分のなりたい方向性を明確にする
目標設定にあたって、若手のうちから将来のキャリアビジョンをしっかり持つことが大切です。つまり、エンジニアから最終的に何を目指すのかを明確にするということです。難しい場合はまず、憧れの先輩や上司を見つけることから始めても構いません。
技術力を磨いてスペシャリストを目指すのか、はたまた経営者を目指すのか。キャリアパスが一様ではないエンジニアにとっては将来性も視野に入れて目標設定をする必要があります。 特に早い段階で決めておきたいことは、スペシャリスト志向かマネジメント志向かという部分です。
スペシャリスト志向の場合、エンジニアとして深い知識と経験が求められます。そのため、日頃から積極的に自己学習を行い、業務の中でも技術者として確実なアウトプットを出すことが大切です。一方、マネジメント志向の場合はエンジニアの領域を超え、ビジネス寄りの知見が求められます。そのため、技術に関する知識以外にも経営に関する知識やコミュニケーション能力が必要です。
両者は全く異なるスキルと経験が必要とされているため、適性は人それぞれです。自分自身の性格や適性なども総合的に鑑みて、どちらを目指すべきかを考えていくと良いでしょう。
リーダーの経験を求められ始める
通常、エンジニアは新人から3年目くらいまで、現場でみっちりと経験を積むことになります。しかし、若手エンジニアとして数年業務を経験すると、次はリーダー経験を求められ始めます。今後のキャリアパスとして、管理職や中堅リーダーを目指していくなら尚更です。リーダーの経験をすることでチーム全体をコントロールすることの難しさや、自分だけではなく、他のメンバーの能力や適性を見る力を養うことができます。また、関係者と連携する機会が増えるため、コミュニケーション能力も身につけることができるでしょう。
経験してみて合わなければ、スペシャリストとして技術力を高めていく場合を選択することも可能です。何より若いうちにリーダーを経験することで、今後プロジェクトメンバーとして円滑に進められる力がつくでしょう。今までとは違った視点で物事を見ることができるため、リーダー経験は必要となってきます。
具体例
これまでの内容を踏まえ、どのような目標設定を行うべきかについて具体例と共に考えていきましょう。
まず、スペシャリスト志向の場合は自分自身の技術力を高めることに注力する必要があります。そのため、エンジニアとして必要なスキルの勉強や資格を取得するといった目標がわかりやすいでしょう。ここでも具体的かつ定量的な目標設定が大切です。例えば、「◯月にネットワークスペシャリスト試験に合格し、ネットワーク構築の専門家としてプロジェクトAに参画する」というような具体性を持たせると取るべきアクションも明確になります。
そしてマネジメント志向の場合は、組織マネジメントや経営視点に立って目標を設定することが望ましいです。
例えば、「業務の非効率さによって歩留まりが発生し、コストが前月比3%膨らんでいる。改善のため、営業チームとの情報交換の場を設定し、スムーズに業務の共有ができるようにする」というような他のチームとの連携やマネジメント感覚を持ちつつ設定できると良いでしょう。
中堅(リーダー)エンジニアの目標設定
中堅のリーダーエンジニアの場合、自分の業務だけではなく、チーム全体を見渡し、進捗管理や的確な指示を出していかなければなりません。企業やチームによってもまちまちですが、中堅層には自分のタスクを持った上でプロジェクトの進捗管理や品質管理、メンバーへの配慮などが求められます。
そのため、タスク管理や問題の早期発見ができるような仕組みや雰囲気づくりに注力することが大切です。常に「チームの目標が達成できるように、何をすれば良いか」という視点に立って目標設定を行うようにしましょう。
リーダーに求められること
リーダーはチーム全体の士気を上げ、プロジェクトのKPI(重要目標達成指標)に向けた進捗管理や指示を正確に行う必要があります。そのため、リーダーを務める以上、自分自身の目標だけでなくチーム全体に対して影響をもたらす目標を設定しましょう。
そして、問題が発生した場合には早期処置ができるように情報の共有や可視化を徹底するようにしましょう。「言わなくてもやってくれるだろう」という暗黙の了解にせず、管理シートや引き継ぎ表などを使って情報を共有できるように工夫することが大切です。
また、言いにくいことでもチーム内で報連相がきちんと行われるように、風通しの良い雰囲気づくりを積極的に行うこともリーダーの大切な役割になります。
管理職を目指していくなら
今後、管理職としてマネジメントラインを目指していくなら、中堅の間に必要なスキルや経験を身につけるように意識しましょう。具体的に管理職に求められる主なスキルは以下の通りです。
マネジメントスキル
管理職に昇進すると中堅リーダーよりも多い人数を取りまとめ、スケジュールやコスト、品質など幅広い視点で管理する能力が求められます。またメンバーそれぞれのスキルや性格、適性なども把握した上でバランス良く業務を割り振っていく必要があります。並行して様々な点に配慮するマネジメント能力は管理職としては欠かせない能力となります。
コミュニケーションスキル
管理職になると、今まで以上に優れたコミュニケーション能力が求められます。なぜなら、管理職は自分が率いるチームのメンバーだけでなく、他部署との連携や顧客へのプレゼン、ヒアリングなどを行う機会が増えるからです。また、開発工程でいうと要件定義工程を担当することが多くなり、顧客との打ち合わせでシステムを使う人の業務を理解しながら、要件の本質をすり合わせていくことが主な業務となりますので、顧客との調整力が求められるようになります。
要件が曖昧だと実装した後に顧客から求めていたものと違うので修正して欲しいと言われてしまったり、手戻りが発生してしまうので内外問わず、協力できる雰囲気を作りながら円滑なコミュニケーションを取っていくことが求められます。
技術力
マネジメント側になったからと言って技術力が不要になるわけではありません。むしろ、顧客や他部署と連携していくには精度の高い技術情報が語れなければならないでしょう。相応の技術力がなければ、エンジニアに対して的確な指示も出せず不信感を抱かれかねません。専門職を離れたからと言って技術畑を完全に離れるわけではありません。
新しいプログラミング言語を習得したり、情報収集したりして知見を深める努力を怠らないようにしましょう。
思考力と決断力
プロジェクトは必ずしも順調に進むわけではありません。時にはトラブルが発生したり、予期せぬ事件が起こったりするでしょう。有事の際に正しい方向へ舵を切れる思考力と決断力はマネジメントに求められる能力の一つです。
ベテラン(管理職)エンジニアの目標管理
管理職にまで昇進すると、今までとは少し違った視点で物事を捉えていく必要があります。これまでは自分自身を中心に目標設定を行うことに焦点を当てていました。しかし、管理職になると、事業目的を達成することや部下・チームメンバーの目標を達成させることが最終的に管理職としての評価対象となってくるのです。そのため、部下・チームメンバーの目標設定に対して正しく管理を行い、時にはサポートをしていくことが求められていきます。
チームの目標をいかにして達成させるか
これまでと少し視点が異なり、管理職においては自分自身の目標だけではなく、チーム全体の目標をいかに達成させるかが重要になってきます。もちろん、管理職になっても自己目標は大切ですが、それ以上に部下の目標管理し、チームの目標を達成することが求められます。そのためには部下の目標設定の手助けを行うことも重要になってきます。エンジニア個人の目標は以下の通り、個人目標と事業目標の二つを設定すると良いでしょう。
個人目的
自分自身がエンジニアとして身につけたいスキルや達成するためのタスクなど
事業目的
会社として達成してもらいたいタスクや数値的目標など
管理職にありがちなのが、会社の目先の売上や利益ばかりを考えてしまい、事業目標だけ設定してしまうこと。エンジニア自身のスキルアップや目標達成についても同じように考えるようにしましょう。そうしなければ、エンジニア自身のモチベーションを維持することが難しく、結局チームとして思うように力が発揮できない場合があります。このような事態を避けるためにも、両方の視点から目標設定を行うようにしましょう。
目標設定で悩んだらエージェントに相談するのも手
これまでエンジニアにおける目標設定についてポジションや年次別に解説してきました。それでもなお、自分の進むべき方向がわからず、目標設定がうまく進まない場合は、エージェントに相談するのも一つの方法です。
キャリアパスや目標設定は自分と向き合ってよく考えることが大切ですが、場合によっては考えが煮詰まってしまい、うまく答えが出ない場合もあります。そういった場合にはエージェントを利用し、自分の現在のポジション・スキルの延長にどのようなキャリア(求人)があるのかを第三者目線での意見やアドバイスをもらうことも手です。
業界の最新情報や他の人のキャリアを参考例として挙げてくれる場合もあるので、更に視野が広がるでしょう。どうしても一人でキャリアを考え目標設定をするのが苦手という場合には、エージェントへの相談を考えてみてはいかがでしょうか。
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まとめ
今回はエンジニアの目標設定の重要性とそのポイントについて具体例を交えながら解説しました。
ITエンジニアの需要は年々増加しており、未経験でもエンジニアを目指す人が増えています。人材が増えるとそれだけ業界内の競争率も高くなります。エンジニアとして差別化するには目標設定と、その目標に向けて正しい努力を行うことが大切です。
また、目標設定は自分自身の成長やキャリアだけでなく、会社や上司からの評価に直結するという点においても非常に重要です。ポジションによって求められること、やるべきことが異なるため、自分自身が今どのフェーズにいるのかを理解した上で目標設定を行うようにしましょう。ただし、どのフェーズであっても、常にキャリアビジョンを描くことを忘れないようにしてください。自分のなりたい姿がわからなくなると、目の前の目標に落とし込むことが難しくなり、たちまち迷子になってしまいます。
それでもなお、自分のキャリアビジョンや目標を設定することが難しいと感じた場合は一人で悩まないで、エージェントを活用することも一つの方法です。キャリア相談だけであれば無料で行ってくれるエージェントもあるので、うまく活用してみてくださいね。