セキュリティエンジニアとは、文字通りセキュリティの対策を行うエンジニアです。
多くの企業がセキュリティ対策に力を入れており、セキュリティエンジニアの需要が高まる一方で、「セキュリティエンジニアはやめとけ」と言われることも少なくありません。
本記事では「セキュリティエンジニアは何がつらいの?」「本当にやめておいた方がいい?」といった疑問を解消するために、やめとけと言われる理由や、反対に魅力的な面についても解説します。
セキュリティエンジニアへの就職や転職を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
社内SEの転職を検討しているなら、案件数業界トップの「社内SE転職ナビ」がおすすめです。保有案件は10,000件以上の中から、IT業界に詳しいエージェントが面談を通して、幅広い職種から自分に合った求人をご紹介。入社後の定着率も96.5%とマッチングには自信があります。社内SEへの転職に興味がある方は、ぜひ1度ご相談ください。
セキュリティエンジニアとは
セキュリティエンジニアは、企業や組織の情報システムをサイバー攻撃や内部の不正行為など、様々な脅威から守る仕事です。
システムの脆弱性の調査やセキュリティ対策の実装、ファイアウォールの管理・運用など、セキュリティインシデントの発生を防ぐための多岐にわたる業務を行います。また、万が一のセキュリティ侵害が発生した場合の対応や復旧も、セキュリティエンジニアの仕事です。
セキュリティエンジニアの将来性
DXが進む現代において、セキュリティエンジニアの役割はより一層重要になっています。
ITシステムを導入する企業が増えているだけでなく、IoTの推進によって私たちの生活のあらゆる場面でIT技術が使われるようになりました。IT技術が使われる場面が増えるということは、それだけサイバー攻撃を受ける対象が増えるということでもあります。
そのため、セキュリティエンジニアの需要は今後も増え続けることが予想され、将来性の高い職種であるといえるでしょう。サイバー攻撃の手口は日々巧妙化しているため、高い専門性を持ったセキュリティエンジニアには、より大きなチャンスが待っているといえます。
セキュリティエンジニアに必要な知識・スキル
まずはセキュリティエンジニアがどんな仕事かを知るために、必要な知識やスキルを6つ紹介します。
- セキュリティに関する知識
- ITの基礎スキルと知識
- サーバーやネットワーク、OSの知識
- コミュニケーション能力
- プログラミングスキル
- 法律に関する知識
セキュリティに関する知識
当然ですが、セキュリティエンジニアとして仕事をするには、セキュリティに関する知識が必須です。
例えば、情報を第三者に読み取られない形に変換する暗号化技術や、システムやデータベースへの不正アクセスを防止する認証技術などが挙げられます。
また、規格と認証の知識も重要です。特に「ISMS/ISO27001」のような国際的なセキュリティ管理基準は、組織のセキュリティポリシーや手続きを評価・強化するためのフレームワークとして広く認知されています。
ITの基礎スキルと知識
セキュリティエンジニアとしての専門的な業務を行うには、ITの基礎スキルと知識が必要です。セキュリティエンジニアは、情報システムや社内ネットワークなど、既存のシステムやインフラに対してセキュリティ対策を行うため、これらの基本的な概念を理解しておく必要があります。
また他のエンジニアや関連部門とのスムーズな連携を図るための共通認識としても、ITの基本知識が求められます。
サーバーやネットワーク、OSの知識
セキュリティエンジニアにとって、多くのセキュリティリスクが関係しているサーバー、ネットワーク、OSの知識は基本となります。
サーバーに関する知識は、システムの脆弱性や不正アクセスのリスクを低減するために必要です。ネットワークの知識は、ファイアウォールのような外部からの侵入を防ぐための知識が求められます。またOSの知識は、システムのセキュリティ設定やパッチの適用、マルウェアからの保護など、日常的なセキュリティ対策に必要です。
コミュニケーション能力
セキュリティエンジニアは、様々なステークホルダーと連携するための、コミュニケーション能力が求められます。
例えば、セキュリティの脆弱性をクライアントに分かりやすく説明する場面や、取り組むべき対策をチーム内で共有する際など、多くの場面でコミュニケーション能力が必要です。特にセキュリティインシデント発生時には、迅速かつ的確な情報伝達スキルが求められます。
プログラミングスキル
セキュリティリスクは、サーバーやネットワークのようなインフラだけでなく、アプリケーションにも潜んでいます。例えば、SQLインジェクションという、不正なSQLを使ってデータベースを攻撃する手法などが有名です。
アプリケーションのセキュリティリスクを排除するには、セキュアプログラミングというセキュリティ対策を施したプログラミング手法が有効です。セキュリティエンジニアは、セキュアなコードを実装したり、コードをレビューしたりすることが求められます。
法律に関する知識
セキュリティエンジニアの業務には、技術面だけではく法律も関与します。情報の漏洩や不正アクセスに関わる法律、特にデータ保護に関する法律は、組織のリスク管理に直結するため、エンジニアが知っておくべき内容です。
例えば個人情報の取り扱いに関する法規制には、個人情報の取り扱いや漏洩時の報告義務など、企業が守るべきルールが記載されているため、これらの法律を正確に理解し、適切なセキュリティ対策を行う必要があります。
「セキュリティエンジニアはやめとけ」と言われる理由は?
セキュリティエンジニアはなぜ「やめとけ」と言われるのか、主な理由は以下の7つです。一つずつ解説していきます。
- 迅速な対応が求められる
- 責任が重い
- 原因調査が大変
- 常に勉強しないといけない
- 顧客対応が大変
- 夜間の作業がきつい
- 顧客に感謝されることが少ない
迅速な対応が求められる
セキュリティエンジニアは迅速な対応を求められるケースが多いため、プレッシャーを感じやすい職種です。セキュリティの問題は、組織にとって深刻なリスクをもたらす可能性があるため、発見された際には即座に対策する必要があります。
例えば、サイバー攻撃を受けたりデータ漏洩が発生したりした際には、被害の拡大を防ぐため迅速な対応が必要です。時には夜間や休日にも関わらず対応を迫られることもあり、このような緊急性の高いタスクによる精神的なストレスが「セキュリティエンジニアはやめとけ」と言われる一因となっています。
責任が重い
セキュリティインシデントが発生した場合、顧客からの信頼低下や損害賠償、法的な問題など、企業に大きな損失をもたらす可能性があります。このような損害が発生した際に、セキュリティエンジニアが行った対策は適切だったのか、仕事にミスがなかったのかなど、厳しく追及される場合もあるでしょう。
セキュリティエンジニアは、一つのミスや見落としが大きな損害に繋がるかもしれないというプレッシャーがつきまとう仕事です。このような責任の重さが精神的な負担となり、つらいと感じる要因の一つとなります。
原因調査が大変
セキュリティエンジニアの業務の中でも、特に労力がかかるのが原因調査です。セキュリティインシデントに対して対策するには原因を突き止める必要がありますが、この調査が難航することがあります。
例えば、サイバー攻撃の痕跡やシステムの脆弱性を追跡する際、大量のシステムログや設定を網羅的に分析するのは、非常に大変な作業です。
原因の調査に長い時間がかかってしまい、終わりの見えない不安と上司や顧客からの催促によって大きなストレスを感じることがあり、こういった点が「セキュリティエンジニアはやめとけ」と言われる理由の一つとなっています。
常に勉強しないといけない
セキュリティエンジニアとして活躍するには、業界の最新動向や技術を常に追い続ける必要があります。サイバー攻撃の手法は日々進化し、新しい脅威や脆弱性が絶えず現れるため、エンジニアとしての知識や技術を更新し続けなければなりません。
最新のサイバー攻撃の手口と、対抗する手段を学習する必要がありますが、この2つはいたちごっこのような関係となっており、常に状況が変わります。このように、終わりのない学習に嫌気をさした人が、「セキュリティエンジニアはやめとけ」と言っているケースがあります。
顧客対応が大変
セキュリティエンジニアの職務には、技術的な面だけでなく、顧客とのコミュニケーションも必要です。
特にセキュリティインシデントが発生した際には、顧客からの疑問や不安に対して迅速かつ適切な対応が求められます。これには、専門的な知識をわかりやすく説明するスキルが求められるとともに、状況に応じて冷静に、時には辛抱強く対話する姿勢が必要となります。
このように、顧客とのネガティブなコミュニケーションが求められる点が、セキュリティエンジニアがつらいと感じる要因の一つです。
夜間の作業がきつい
セキュリティエンジニアの仕事には、夜間の作業が必要なケースがあります。システムのアップデートやメンテナンス、セキュリティパッチの適用などは、ユーザーの影響を最小限に抑えるため、多くの場合に夜間や休日に行われます。
夜間作業によって生活リズムが乱れると、健康や精神の問題を引き起こすリスクも増えるため、多くのエンジニアにとって望ましい状況ではありません。このような夜間作業の負担が、「セキュリティエンジニアはやめとけ」と言われる一因となっています。
顧客に感謝されることが少ない
セキュリティエンジニアの仕事の中心は、セキュリティインシデントを未然に防ぐことです。この仕事が成功している間は、何も問題が発生しない状況であるため、セキュリティエンジニアの功績はなかなか目立ちません。
セキュリティのトラブルを早期に解決することで、顧客に感謝されるケースもあります。しかし多くの場合は、良い仕事をしても感謝されず失敗すると非難されるという、努力が日の目を浴びにくい職種といえます。
このように、努力と専門性が十分に評価されないと感じることが「セキュリティエンジニアはやめとけ」という声に繋がっています。
セキュリティエンジニアには悪い面だけでなく、良い面もあります。ここでは以下の4つの魅力について解説していきます。
- 将来性があり求人も豊富
- 高い専門性と広い業務知識が身につく
- 責任感や使命感を持って働ける
- キャリアパスが豊富
将来性があり求人も豊富
セキュリティエンジニアの魅力の一つは、確かな将来性と求人の豊富さです。デジタル化が進む現代社会において多くの企業がセキュリティ対策を強化しており、それに伴いエンジニアの採用ニーズが拡大しています。
キャリアの安定性や転職チャンスの多さが、セキュリティエンジニアの魅力の一つです。
高い専門性と広い業務知識が身につく
セキュリティエンジニアは、高度な専門性と幅広い業務知識を習得できる職種です。最前線での経験を通して、最新のセキュリティ技術や脅威のトレンドを学びながら、同時にITの基礎知識を深めることができます。
さらに、セキュリティ対策を検討する過程で顧客の業務知識も身につきます。
このように専門性の高い知識やスキルが身につく点は、今後のキャリアアップに繋がるメリットです。
責任感や使命感を持って働ける
本記事で「セキュリティエンジニアはやめとけ」と言われる理由として、責任の重さを述べました。
しかし裏を返せば、責任感と使命感をもって働けるということにもなります。企業や組織のシステムを悪質な攻撃者から守る役割は、社会的に見ても非常に重要です。日々の業務を通じて、社会に貢献できていると感じられる点は、セキュリティエンジニアの魅力の一つといえるでしょう。
キャリアパスが豊富
セキュリティエンジニアの魅力の一つは、キャリアパスの多様性にあります。経験を積むことで、セキュリティコンサルタントやセキュリティアナリストなど、高い専門性を活かした職種にキャリアアップできます。
セキュリティエンジニアが持つ将来性に加えて、さらに複数のキャリアパスを選択できる点は、大きな魅力といえるでしょう。
セキュリティエンジニアからのキャリアアップが可能な職種
セキュリティエンジニアは、スキルを身につけて経験を積むことで、さらなるキャリアアップが可能な職種でもあります。ここでは主なキャリアパスを4つ紹介します。
- セキュリティコンサルタント
- セキュリティアナリスト
- フリーランスエンジニア
- ホワイトハッカー
セキュリティコンサルタント
セキュリティコンサルタントは、企業や組織のセキュリティリスクを評価し、最適なセキュリティソリューションを提案する専門家です。エンジニアの実戦経験を元に脅威やリスクを特定し、具体的なアドバイスを行います。
セキュリティエンジニアとしてのスキルに加えて、経営の視点や知識も求められますが、その分高い年収が期待できる職種です。
セキュリティアナリスト
セキュリティアナリストは、様々なセキュリティ情報を分析し、サイバー攻撃による脅威の兆候を早期に察知する役割を持ちます。エンジニアの実務経験を活かして、詳細なデータ分析やリスク評価を行うのが主な仕事です。
仕事の幅広さが特徴のセキュリティコンサルタントに対して、セキュリティアナリストは専門性を特化させた職業といえます。
フリーランスエンジニア
セキュリティエンジニアとしてのスキルと経験を積むことで、フリーランスエンジニアとして独立する選択肢もあります。
フリーランスとして働く利点は、自分の時間を自由に管理し、興味や専門性に合わせたプロジェクトを選べる点です。また、収入が不安定というリスクがある反面、高い報酬を得やすい点もフリーランスの特徴です。
ホワイトハッカー
ホワイトハッカーは、「善意のハッカー」とも称され、外部の攻撃者から企業や組織を守る役割を担います。
悪意のあるハッカーは、システムに侵入して脆弱性や不具合を見つけ出し、これを悪用して攻撃をします。一方のホワイトハッカーは、同様に脆弱性や不具合を見つけ、悪用されないように修復するのが主な仕事です。
ホワイトハッカーになるためには、高度な技術力と倫理的な価値観が求められます。
セキュリティエンジニアの求人なら社内SE転職ナビ
セキュリティエンジニアの求人を探すなら社内SE転職ナビがおすすめです。
社内SE転職ナビは、業界TOPクラスの求人数を誇る社内SE向けの転職サイトです。IT業界の知識を豊富に持ったコンサルタントがサポートし、一人ひとりに合った求人をご提案します。
セキュリティエンジニアの求人が多数掲載されているので、社内SE転職ナビの求人をぜひ一度チェックしてみてください。
《社内SE転職ナビが選ばれる5つの特徴》
提案社内SE求人 平均25.6社
保有求人10,000件以上
入社後の定着率96.5%
業界TOPクラスの社内SE求人保有
IT業界に詳しいコンサルタントと面談
内定率がグッと上がる職歴添削、面接対策が好評
まとめ
本記事では「セキュリティエンジニアはやめとけ」と言われる理由や、反対に魅力的な点などを解説しました。
確かにセキュリティエンジニアは「やめとけ」と言われるような、つらい面があります。しかし、このつらい面は他のエンジニアに当てはまるものも多く、一概にセキュリティエンジニアだけがつらい仕事とは言い切れません。
反対に魅力も多く将来性が高い職業でもあるので、良い面と悪い面を比較し、自分に合っていると感じた方はぜひセキュリティエンジニアを目指してみてください。