「インフラエンジニアに資格は必要?」
「インフラエンジニアにおすすめの資格はどんな資格?」
このような疑問がある方のために、本記事ではインフラエンジニアへの転職やキャリアアップに有利な資格をご紹介します。インフラエンジニアには資格は必須ではないものの、取得しておくことで自身の市場価値を高められるのはもちろん、スキルアップにも役立てられます。
インフラエンジニアにおすすめの国家資格・ベンダー資格から、インフラエンジニアの種類や平均年収についても解説するので、インフラエンジニアに関心のある方はぜひ参考にしてみてください。
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インフラエンジニアには資格が必要?
インフラエンジニアは、資格がなければ就けない職種という訳ではありませんが、転職やスキルアップのためには、資格の取得は大いに役立ちます。特に未経験からインフラエンジニアに転職する場合、資格がないと他の応募者に比べて不利になってしまうこともあるでしょう。
ここでは、インフラエンジニアが資格を取得するメリットについて、詳しく解説します。
インフラエンジニアに有利なおすすめの資格
ここでは、インフラエンジニアに有利なおすすめの資格を、国家資格とベンダー資格に分けてご紹介します。
おすすめの国家資格
ITパスポート試験
ITパスポート試験は、ITに関する知識・経験が全くない状態からインフラエンジニアを目指す方におすすめの試験です。残念ながら、ITパスポート試験は、エンジニアとしての採用やキャリアアップの際に評価対象となるレベルの資格ではありません。
しかし、ITに関する一般的な知識を広く扱っているため、「パソコンの基本的な使い方も分からない」といったレベルの方が、基礎的な用語や概念を把握するために活用すると良いでしょう。難易度はかなり低く、全くの未経験からでも1ヶ月程度あれば十分に合格が見込めます。試験は通年で実施しているため、受験しやすいのもポイントです。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、インフラエンジニアに限らず、エンジニアを目指す人全般におすすめの資格試験です。エンジニアにとっての基本的な技術・知識を広く問う資格試験で、入社1年以内の取得を推奨しているIT企業も少なくありません。
ITエンジニアであれば、入社1年~2年ほどで十分に合格可能なレベルの試験なので、IT経験者にとっての難易度は低めですが、IT未経験者にとっては簡単ではありません。擬似言語を使ったプログラムやアルゴリズムに関する問題など、暗記では対応しきれない問題も出題されます。IT未経験からでもチャレンジはできますが、十分な勉強時間の確保が必要です。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、すでにエンジニアとして一定の経験を積んだ方がさらにレベルアップしたい場合におすすめの資格です。その名の通り、応用的な技術や知識を身に付けたIT人材を対象とした試験となっており、問題の難易度は決して低くありません。IT未経験の方は、応用情報技術者試験への合格を目指すよりも、実務経験を積むことに注力した方が良いでしょう。
基本情報技術者試験と同じく、インフラ分野に限定した資格試験ではありませんが、ITエンジニアであれば身につけておきたい知識を問う問題が幅広く出題され、記述式の試験もあるため、十分な対策が必要です。
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークエンジニアであればぜひ合格したい資格試験の1つです。国内で受験できるネットワーク関係の資格としてはトップクラスの難易度を誇っており、ネットワーク分野についての幅広く深い知識・技術を問う資格試験となっています。
例年の合格率が10%台の難関試験となっており、ネットワークエンジニアとしての豊富な経験と試験対策が必要です。ネットワークエンジニアとして経験を積み、スペシャリストとしてスキルアップ・キャリアアップしたい方におすすめです。
データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、国内で受験できるデータベース関連の資格試験としてはトップクラスの試験となっています。データベースの企画や要件定義、運用といった専門的な知識が幅広く問われ、データベースの設計に関する記述式の問題も出題される、高難易度の試験です。
合格率は例年10%台となっており、データベースエンジニアとしての経験があっても合格は簡単ではありません。十分な実績を積み、過去問などによる対策を入念に行ってから試験に臨む必要があります。
情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験は、セキュリティに特化した資格試験です。セキュリティ分野の中では最高峰の資格試験となっており、合格者は情報処理分野で唯一の士業である「情報処理安全確保支援士」に登録できます。
セキュリティに関する専門的な知識を問われるだけでなく、システム開発やインフラ運用をセキュリティの観点から評価・支援するための技術や知識が問われます。インフラエンジニアの中でも、セキュリティ関係の業務に携わっている方におすすめの資格試験ですが、難易度はかなり高いため、十分な勉強と対策が必要です。
おすすめのベンダー資格
LinuC
LinuCは、主にサーバーの構築に使われるOS「Linux」を扱うスキルや知識を認定する資格です。特にサーバーエンジニアに役立つ資格ですが、エンジニアであればLinuxの基礎的な操作ができて損はありません。
LinuCは3つのレベルに分かれており、インフラエンジニア未経験の方は、LinuC-1からの受験をおすすめします。サーバーエンジニアとしての経験を積む中で、さらなるスキルアップ・キャリアアップを目指したい方はLinuC-2やLinuC-3の受験を検討してみてください。
シスコ技術者認定
シスコ技術者認定は、ネットワーク機器の世界最大手であるCisco社が実施している資格試験です。ネットワーク分野の中では最もメジャーな資格で、これからネットワークエンジニアを目指す方はもちろん、ネットワークエンジニアとしてキャリアアップ・レベルアップを目指したい方におすすめです。
シスコ技術者認定はレベルと分野別に分かれています。初心者の方はまず「CCT」か「CCNA」の取得を目指しましょう。特にCCNAはネットワーク分野では必須レベルの資格なので、取得できればネットワークエンジニアとしての転職で役に立ちます。
AWS認定
AWS認定は、クラウドサービスの世界最大手「Amazon Web Service」が提供している資格試験です。クラウド技術やAWSに関する技術・知識を問う試験となっています。クラウドエンジニアはもちろん、ネットワークエンジニアやサーバーエンジニアとして経験を積みながら、クラウド分野の技術も身につけたい、という方にもおすすめの試験です。
レベルと分野別に分かれており、データベースや機械学習、セキュリティなど、それぞれの専門分野に特化した試験も用意されています。自身の専門分野とレベルに合わせて選択しましょう。
CompTIA Cloud+認定資格
CompTIA Cloud+認定資格は、クラウドの設計や構築、運用に関する知識と技術を問う資格です。AWS認定資格などとは違い、特定のベンダーに依存しない資格試験となっています。
クラウド全般に関する幅広く深い知識が問われるため、クラウドエンジニアとしてキャリアアップしたい方、クラウドエンジニアを目指したい方におすすめです。難易度は高めで、ITエンジニアとして一定の業務経験がある方が対象として設定されています。
オラクルマスター
オラクルマスターは、データベース管理システムのベンダーとして有名なOracle社が認定している資格試験です。「Oracle Database」の操作を中心に、データベースの管理や運用、SQLを扱うスキルや知識が問われます。
レベル順に「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナム」に分かれており、データベースエンジニアを目指したい方、データベースエンジニア初心者の方は、まず「ブロンズ」の取得を目指しましょう。ブロンズレベルであれば、独学での取得も十分に可能です。
インフラエンジニアの主な種類
インフラエンジニアは、大きく以下の3種類に分けられます。
- サーバーエンジニア
- セキュリティエンジニア
- ネットワークエンジニア
それぞれの業務内容や特徴について解説します。インフラエンジニアを目指している方は参考にしてみてください。
① サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、サーバーの設計や構築、運用を担当するエンジニアです。具体的には、サーバー機器の選定やシステムの要件を満たした設計、セキュリティ対策や障害発生時の対応などを担当します。
以前は、自社にサーバー機器を設置して運用するケース(オンプレミス)が一般的でしたが、近年はクラウドサーバーの導入が進んでいます。クラウドに関する知識・スキルを身につけられれば、サーバーエンジニアとしてのキャリアアップに役立つでしょう。
② セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアも、インフラエンジニアに分類されることがあります。ネットワークやサーバー、システムに潜むセキュリティ上のリスクを見極めて対策を施し、システムや情報資産を保護するエンジニアです。
システム開発やインフラ関係の知識に加え、セキュリティに関する専門的な知識が要求されるエンジニアなので、未経験からいきなりセキュリティエンジニアを目指すのはあまり現実的ではありません。ネットワークエンジニアやサーバーエンジニアとして経験を積んでからキャリアチェンジを目指すと良いでしょう。
③ ネットワークエンジニア
ネットワークの設計や構築、運用を担当するエンジニアです。ネットワークに関する専門的な知識はもちろん、実際にネットワーク機器を配線・設定しながら仕事を進めるため、機器の操作についての知識も欠かせません。
クラウドに関する知識や、SDN(ソフトウェアでネットワークを制御する仕組み)に関する知識を身につけられれば、さらなるキャリアアップが期待できます。
インフラエンジニアに必要な知識・スキル
インフラエンジニアに必要な知識・スキルを4つご紹介します。
サーバー・ネットワークに関する知識・スキル
インフラエンジニアには、サーバーやネットワークに関する知識・スキルが欠かせません。
どのようなインフラエンジニアを目指すとしても、サーバーやネットワークについての最低限の知識がなければ、エンジニアとしてレベルアップしていくことはできないでしょう。
インフラの各分野は互いに連携・協力しながら一つの環境を構築しているため、インフラ全般についての広い知識がインフラエンジニアには求められます。「サーバーエンジニアだからネットワークについては勉強しなくてもいい」などと考えず、広い知識や技術を身につけましょう。
セキュリティに関する知識・スキル
インフラエンジニアであれば、セキュリティに関する知識やスキルも身につけておきたいところです。サーバーやネットワークがサイバー攻撃の標的になると、重要な情報が漏えいしたり、サービスが停止してしまったりするリスクがあります。
サーバーやネットワークへのセキュリティ対策もインフラエンジニアが担当します。セキュリティ製品やサイバー攻撃に関する知識を身につけておけば、より高度な業務に携われるだけでなく、セキュリティエンジニアというキャリアパスにもつなげられるでしょう。
クラウドに関する知識・スキル
クラウドに関する知識やスキルの重要性が高まっています。従来はオンプレミスで構築していた各種インフラ環境を、クラウドサービスを利用して構築するのが近年のトレンドになりつつあります。
インフラエンジニアとしての市場価値をさらに高めていきたい方は、クラウドに関する知識・スキルをぜひ身につけておきたいところです。業務の幅が広がるのはもちろん、より高年収が期待できる企業への転職にも役立ちます。
ヒューマンスキル
インフラエンジニアも他のエンジニアと同じように、技術的なスキル以外にヒューマンスキルも求められます。具体的には、以下のようなスキルを養っておきましょう。
- ヒアリングスキル
- 提案スキル
- マネジメントスキル
技術を磨いてスペシャリストとしてキャリアアップを目指すだけでなく、チームやプロジェクトを統括するマネージャーやITコンサルタントといったキャリアにもつながります。
インフラエンジニアが資格を取ることのメリット
インフラエンジニアが資格を取得するメリットは、大きく以下の2つです。
- スキルアップに役立つ
- 自身のスキルを客観的に証明できる
資格の取得はスキルアップに役立ちます。試験では、その分野に必要な知識を問う問題が幅広く出題されるため、資格の取得を目指して勉強を進めることで、必要な知識を効率的に身につけられます。
資格を取得できれば、その分野における自身の知識・スキルを客観的に証明できます。「ネットワークについて勉強しました」とアピールするよりも、「CCNPを取得しました」といった形でアピールできた方が、採用担当者や上司の評価につなげられます。
インフラエンジニアの平均年収
厚生労働省が提供している職業情報提供サイト「jobtag」によれば、インフラエンジニア(システムエンジニア(基盤システム))の平均年収は、「660.4万円」です。 令和3年の日本人の平均年収が「443万円」であったことを考慮すると、かなり年収は高めであると考えられます。
「システムエンジニア(組み込み、IoT)」の平均年収「550.2万円」や、「AIエンジニア」の平均年収「534.6万円」、「システムエンジニア(業務用システム)」の平均年収「550.2万円」と比べても分かるように、インフラエンジニアはエンジニアの中でも年収が高い職種でもあります。
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まとめ
インフラエンジニアとしての転職やキャリアアップを目指すうえで、資格の取得は大いに役立ちます。自身の効率的なスキルアップに役立つのはもちろん、自身のレベルを客観的に証明するためにも有効です。
未経験からインフラエンジニアを目指す方は、以下の3つの資格のいずれかから勉強を始めるのがおすすめです。
- 基本情報技術者試験
- LinuC-1
- CCNA
いずれも簡単な資格ではありませんが、取得できれば未経験からの転職を有利に進められます。
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